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反貧困世直し大集会 2009 反貧困こそ新政権の公約だ! 政治に具体的踏み出しを迫る (かけはし)
http://www.asyura2.com/09/senkyo73/msg/656.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 10 月 22 日 21:07:39: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame091026a.html

集会の変化と
新しい局面

 十月十六〜十八日の「国際反貧困デー」のど真ん中、十月十七日午後一時から、「ちゃんとやるよね!?新政権」とうたった「反貧困世直し大集会2009」が東京の芝公園四号地で開かれた。主催は反貧困ネットワーク。会場では無料の食事も用意され、メインステージと差し向かいに参加団体のテントや活動案内のテーブルが並んだ。この場に、全国で結成が進む各地の反貧困ネットワークからの参加者や、非正規雇用、女性の貧困、難病や高齢者の医療の貧困など、さまざまな問題と日々格闘している人々を中心に主催者発表で七百人が集い、政権交代という形で民衆の力が政治を動かし始めたという事実と実感を背に、反貧困への行動着手を政府により具体的かつ鋭く迫った。
 ところで、反貧困を土台としてさまざまな課題を一つにつなげる闘いの開始を告げ知らせた昨年の集会と比較して、今回の集会には大きな違いが見られた。最も大きな違いは、貧困との闘いというテーマに政治を具体的に引き寄せたこと。反貧困ネットワークの中軸を担い今回の集会でも実務の中心にいた湯浅誠さんは、既に新政権の国家戦略室政策参与に請われていた。一方会場には、民主党の山野井和則厚労省政務官、社民党の保坂展人副幹事長、共産党の笠井亮衆院議員が駆けつけ、壇上で各々の取り組み方針を明らかにしただけではなく、参加者の一人としてフロアからさまざまな訴えに聞き入り、パフォーマンスに拍手を送った。あるいは、自民党や公明党を含め、何人もの国会議員が会場にメッセージを届けた。
 他方で、昨年は集会の大きな要素となった、さまざまな人々の語り合い、つながり合いを図る企画は今回姿を消した。直接的には、おそらく実務的に今回は準備を整える余裕がなかったのだと思われる。派遣村を象徴としてこの一年はそれほどに激動の一年だった。そして一方で貧困の問題は深刻さの度を高め、もはや問題の社会への啓発、可視化、社会的テーマとしての押し上げ、という段階を通り過ぎた。現実は既に互いに力を合わせ具体的な対処の道を探ることを要求していた。各地の派遣村や労働者派遣法抜本改正の運動が代表するように、事実上つながり合いは実践の領域に移ってもいる。
 今回の集会に反映されていたものは、運動のこれらの進展と現実が双方から突き付ける運動の新しい局面にいかに対応するかという、新しい問題だったと思われる。

一日も早く、当事
者の具体的訴え

 集会は、反貧困ネットワークの宇都宮健児さんが「昨年種をまいたが今年はそれが芽を出し始めた。しかし雇用情勢は悪化の一途だ。派遣村の再現など決して許されない。政府にしっかりした対策を求めよう」と開会挨拶して始まった。途中、タンガナジェル(セネガル語でベリー・ホット)によるセネガルの太鼓とダンスのパフォーマンスや加藤登紀子さんに集会スタッフのバックコーラスが加わった歌が会場により一体感をつくる中、さまざまな訴え、発言が続いた。
 先ず当事者が訴える。シングルマザーの川村弘子(仮名)さんは「母子加算の取り上げによって食費を削らざるを得なくなった。自分は食べず子どもに食べさせようと思っても、親が食べないと子どもも食べようとしない。日々やせてゆく子どもを見るのはつらい。母子加算の復活を一刻も早く」と訴え、シングルマザーフォーラムの赤石千衣子さんが「母子世帯は百二十万世帯を超えた。父子世帯も含め児童扶養手当の復活も不可欠」と補足した。
 障害者自立支援法の撤廃については、骨髄性血小板増多症や多発性肝嚢胞という難病に苦しむ二人の女性が、難病指定の谷間に放置され治療と生活の困難にも直面している現状を訴え、難病の会の山本創さんが「苦しめられてきた障害者自立支援法の早期撤廃を望んでいるが、代わりにどのような制度が準備されるのか心配」「制度に谷間をつくらず、実態に正面から向き合うべき」と補足した。
 患者の権利オンブズマン東京の大山正夫さんは、結核から始まった自らの闘病歴を紹介した上で「これまで健康保険制度のおかげで生き長らえてきた。高齢者だけを取り出して差別と隔離の制度の中に閉じ込める後期高齢者医療制度の一日も早い撤廃を」と訴えた。
 当事者の最後はフリーター全般労組の熊谷義則さん。「着替えだけでいいと言われカバン一つで田舎を出て栃木いすゞで働いた。しかし派遣切りで寮も追い出された。おまけに畳替え費用まで請求された。新宿に出てきて職業資格訓練を申し込んだが、新宿に一年以上居住していないとして断られた。こんなことには納得できない。新政権に少しは期待したいが、まず労働者派遣法の抜本改正を一日も早く」と力を込めた。

傍観拒絶の決意
込め集会宣言

 次は政治家の番だ。最初に山野井政務官が「厚労省から来た」と責任を明らかにし、「貧困率測定に着手した、一〜二週間で結果を公表する。貧困削減を課題として認識し、派遣村を必要としないよう正面から取り組む」と明言した。次いで登壇した保坂さんは「住まいの保障、首を切った者にも負担させる対策基金を作り出し、企業ではなく個人に直接支援する仕組み、雇用保険国庫負担率の回復、そして中でも派遣法抜本改正案の成立に全力で取り組む」と決意を明らかにした。最後に笠井議員は「要求実現の時代だ。確実にやってもらおう。憲法二十五条の精神を下敷きに、失業給付の臨時延長・臨時支給、派遣法抜本改正、有期雇用規制、中小企業支援を追求したい」と表明した。
 全国の反貧困ネットワークからは、広島、北海道、埼玉、愛媛、大阪、京都、山口、岐阜のネットワークやその準備会が参加していた。その全員も壇上に上がり、さまざまな相談活動や居場所づくりなど各々の取り組みを紹介、合わせて今後への思いを語った。
 アフリカのベナンでNGO(ソーシャル・ウォッチ・ベナン)活動を行っているギュスターブ・アッサンさんは、日本でも貧困が課題となっていることに驚きを表明しつつ「アフリカでは教育の未確立が貧困とも一体化して大問題だが、そこには政府が責任を持たないことがある。貧困の問題では、普遍的に政府の責任が重大だ。すべての政府に責任を負わせるよう連帯を強めよう」と呼びかけた。
 これらの発言、訴えを受けて、主催者からは、貧困との闘いに向け声を上げるための戦略目標を立てよう、その一つとして日本の貧困削減目標を作成しよう、と呼びかけられた。
 集会イベントの締めくくりは参加者全員でつくる人文字。「国際反貧困デー」に合わせ世界中で取り組まれる「STAND UP TAKE ACTION」の一環だ。会場に描かれた反貧困ネットワークのロゴマーク、ヒンキーの図柄に合わせ全員が立って並び、手渡された黒い画用紙を頭上にかざす。近くの三十六階建ての建物にスタッフが上り写真撮影するという。もちろん一回でうまくいくわけがない。何回か練習。建物のスタッフと会場の湯浅誠さんが連絡を取り合い、その軽妙な指示に従いながら全員が和気あいあいと微調整を繰り返した。
 人文字を成功させた参加者は、再度ステージ前に集まり、最後に湯浅誠さんが読み上げた、私たちはもはや「傍観者ではいられない」とする集会宣言(別掲)を全体の拍手で採択、これをもって今年の集会は幕を閉じた。

自律的運動の
新しい課題

 貧困に立ち向かう上で政治がきわめて重要な位置を占めることは明らかだ。事実として、政府の、力ある者の無責任を正当化した新自由主義の時代が貧困を極度に深刻化した。しかし現実の問題がいかに深刻だとしても、人々が黙っている限り政治は動かない。それを動かすものは労働者民衆の自律的な立ち上がり以外ではない。これらすべてがこの一年で雄弁に示された。そして反貧困の運動は、この一年をまさに最前線に立つことで、ある意味でそれらを体現してもいた。
 民衆の圧力に強制されて政治が動き始めた今、権力から自立した運動とその力はますます決定的に必要とされる。いわば最前線に立った運動として反貧困の運動も、集会宣言が示すようにそのことを明確に自覚している。しかし同時に、新政権への期待と不安、そして貧困が深刻度を増すばかりの現実、単純な熱気だけでは済まないものが運動に問われていることは、今集会の表題にも表現されていた。参加者数が昨年を大きく下回ったことには、おそらくそのことも作用していたのではないだろうか。
 事実上民衆が作り出した政権を強制しつつ、なおかつその政権が人々の期待に反して動くことも見すえて、現実を実際に変える力に運動をどう転化するか、この問いはあらゆる闘いに突き付けられている。 (神谷)

 

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コメント
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旧新左翼が貧困問題に冷淡なのは、彼らが貧困問題でとどまっているからだ。
貧困は資本主義の枠内で解決できる。
世界そのものと対峙するなら連帯できるだろう。
2009/10/23 07:20

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