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【神州の泉−高橋博彦】
2009年10月21日 (水)
小泉・竹中売国路線から離脱、亀井大臣の救国路線が始まった!!
○米国が制度設計した郵政民営化の見直しはすんなりいくのか!?
日本郵政の西川善文社長が辞任の意向を正式に表明した。辞任理由は自身のやってきたことと、政府の方針が隔たっているからという、まったく味も素っ気もない、そのまんまの無内容なものだった。西川社長、及びその意を汲んだにチーム西川は、郵政関連資産を私物化し、国外に移転する巨大な計画を遂行してきた。米国政府、国際金融資本の肝煎りで始まった、民営化と称するこの巨大売国プロジェクトは、あと少しで引き返し不可能なところまで行くところだった。
麻生前政権の時、鳩山(弟)前総務相は、日本郵政がオリックス・グループへ「かんぽの宿」を一括譲渡する間際で、その不透明な売却プロセスを問題視した。結果として、不当に低い価格で外資系企業に売却される寸前で回避された形になって現在に至っている。この件については、植草一秀さんと保坂展人氏のブログが詳しい。小泉・竹中構造改革路線の本丸と称された「郵政民営化」が、実は心ある一部の有識者によって、郵政利権化、郵政米営化であったことが暴露されている。
城内実さんは郵政民営化も含めて、小泉構造改革を「リフォーム詐欺」と断言している。自公守旧政権では、鳩山邦夫前総務相が奮闘努力して日本郵政社長の西川氏を退陣寸前まで追い詰めたが、アメリカにバックアップされた「急進的リフォーム詐欺推進派」の勢力が強大だったせいもあり、逆に鳩山前総務相自身が大臣職を更迭されるという理不尽なことが起きている。
麻生前首相は鳩山前総務相と同じで、郵政民営化見直し論者だったが、偽装CHANGE勢力の突き上げによって、あえなく敵陣に寝返り、郵政民営化反対の同志だった鳩山前総務相を更迭している。麻生太郎氏は、2004年4月の郵政民営化準備室の発足当時も、同年9月に郵政民営化の基本方針が閣議決定されてからも、竹中平蔵氏と四分社化構想に対して熾烈に反対していた。麻生太郎氏は首相就任演説の時、小泉構造改革を肯定し郵政民営化に言及しなかった。その時点で失敗だと思った。
彼は首相に就任すると同時に、小泉・竹中構造改革を強く否定し、その路線ときっぱりと訣別する旨を宣言するべきだったのだ。その上で郵政民営化の見直し、特に四分社形態の見直しを断言するべきだった。それをやっていたら、間違いなく米国筋に即刻潰されていたと思うが、正義に則っている行動だから、彼は名宰相としてその名を残したことは間違いない。竹中平蔵氏や小泉純一郎氏、あるいは経済財政諮問会議の売国メンバーたちとバトルして大きなエネルギーを費やしたことが、すべて無駄に終わっている。ここ一番の詰めができない御仁である。
小泉・竹中売国構造改革はまだ見直されていない。しかし、亀井静香郵政・金融担当大臣が見事にその先鞭を切った。三党連立新政権は、必ず小泉・竹中構造改革路線を検証する必要がある。検証し精査して、彼らのやった悪行を法的に遡及してもらいたい。その際には植草一秀さんに国策捜査を仕掛けた連中も洗いざらい白日の下に引き出して責任を追及してもらいたいと思う。
さて、2004年9月ごろから暮れまでは、左図の右下のように、竹中平蔵氏や経済財政諮問会議のメンバーが主導した四分社形態は、ほとんどの自民党員が反対の立場であった。当時のほとんどの自民党議員の郵政民営化における共通イメージは、「三事業一体」のまま、民営化の模索をするということだった。つまり郵政公社のままで民営化の方途を探る機運だった。ところが、四分社化強硬論者たちは、三事業一体化を認めなかった。
簡単に言えば、「四分社ありき」の民営化こそ、売国の必須要件だったのである。三事業一体による民営化とは、具体的には、郵貯、簡保、郵便という三事業が会計的に有機的に接続・連携し、会社相互間で株式の持ち合いをしている状態である。四分社化とは、その一体化会計が各自独立することによって、バラバラに完全分離すると同時に、株式の持ち合いを解消することである。
郵便局のユニバーサルサービスが、過疎地でもクオリティの劣化を招かずに実現できていたのは、三事業間のきわめて濃厚な連携プレーがあったからだ。四分社化構想がいかに胡散臭いものであるかは、下記の竹中氏による事業分離の理由説明にはっきりと出ている。
「(郵便、窓口、貯金、保険の)四分社化で、第一に、一つの事業の損益状況が他の事業に影響を及ぼすことを未然に防ぐことが重要。二番目に、各機能それぞれの専門性が高められる。三番目に、機能ごとに効率的な経営が行われ、良質で多様なサービスを安い料金で提供できるということにつながる」
竹中氏は、特に「第一に、一つの事業の損益状況が他の事業に影響を及ぼす」という箇所を、「リスク遮断の必要性」という言葉で何度も強調して説明している。だが、それにはまったく説得力がない。百年以上の郵政事業の歴史において、三事業一体化によるリスク発生の歴史的事実はあったのかという話である。まったく現実から遊離した説明になっているのだ。彼は苦し紛れに「リスク遮断」という空理空論を持ち出したが、国民を馬鹿にしているとしか思えない。
経済合理性から言うなら、郵政三事業一体は「範囲の経済性」(scope merit)を実現しており、各事業間の相互補完性によって安定した経営になっていた。従って、四分社を前提の郵政民営化には、売国という隠された真の目的を内包しているとしか思えない。そこには三つの胡散臭い事象が隣り合わせになっている。
(1)ゴールドマン・サックス、竹中平蔵氏、西川善文氏の密談があった。
(2)四分社化構想が前提となっていた。
(3)三角合併解禁
郵政民営化のスタートには、この三つが絶対条件として付随していたのだ。しかも、ここに欠落しているのは、米国で国家防衛的見地から設けられているエクソン・フロリオ条項である。日本にはそれに相応する法制度が存在しない。ゆうちょ銀行とかんぽ生命にストックされてある340兆円の資金が、敵対的M&Aに対して何の防御策も持っていないのだ。何の防衛策もないのに、国民財産である郵政資金を市場に放出しようとしているのだ。そのための株式上場、そのための株式売却である。
亀井大臣は郵政民営化の見直しに、小泉政権とは逆の方法を用いると言った。当然、四分社化をご破算にして、三事業一体に戻す必要がある。郵政問題の守旧的売国派は、三事業一体化への動きを、民営化の逆行だと言うが、その通りである。民営化自体が胡散臭いわけであるから、逆行的手法は当然と言えば当然なのである。亀井郵政・金融大臣は小泉売国路線を土壇場で阻止した。そして救国路線へシフトし始めている。
ただし、日本の郵政民営化を制度設計したアメリカが、このまま座視しているとは思えない。ゲーツ国務長官の来日、また、ブッシュ・ジュニア元大統領、オバマ大統領の来日が続々と予定されているのは、表面の日米親善や普天間基地問題等の理由とは別に、亀井大臣の郵政民営化見直し政策に対する内政干渉が最大の来日目的なのかもしれない。
国民は一丸となって亀井大臣の救国政策を応援するべきだ。彼一人にこの重要な任務を任せてはならないと思う。
(※この記事を書いていた時、日本郵政次期社長に元大蔵事務次官の斎藤次郎氏が決定したというニュースが出た。彼は小沢一郎氏のブレーンだったこともあり、関係が深いようだ)
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/10/post-4e59.html