★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK73 > 410.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
歌舞伎の人気が高くなっている。それは数字にも表れており、興行を一手に引き受ける松竹の業績にも大きく貢献しそうだ。
歌舞伎座の建て替えに伴う「歌舞伎座さよなら公演」がヒットしている効果もあるが、人気の理由はそれだけではない。松竹によると、役者が研鑽している成果、さらには若手から大御所まで各年代層に素晴らしい役者がそろった時期は過去になく、今が歌舞伎の全盛期と言えるほど充実しているためという。
ユネスコの世界無形文化遺産に登録されている歌舞伎は海外でも人気が高い。公演を行った場所で日本語を学ぶ人が増えたとの話も聞く。「日本の伝統芸」を世界でも愛されるように役者や興行関係者は努力し、それが、日本のイメージ向上にも繋がっているのである。
この伝統芸能、実は国の直接的なサポートではなく、歴史的にみても出雲阿国(いずものおくに)のころから約400年間、民間の運営によって支えられてきた。松竹の幹部は「世界にある伝統芸能の大半は、国や貴族などパトロンの援助で成り立っているのに対し、歌舞伎は一民間企業である松竹が支えていると言っていい」と話す。
伝統芸能とビジネスを単純に比較できないかもしれないが、国の確たるサポート無しに民間企業が支えている──という点が、その幹部の話を聞いて印象に残った。
航空、公共事業、金融、農業など、行政の関与度が高い分野に問題解決が叫ばれるケースがいかに多いことか。半面、厳しい国際競争の下、独自の力で海外で稼ぎ日本に富をもたらした企業も数多くある。
世界で負けない技術、日本発の独自製品──その価値が認められれば、歌舞伎のように世界で受け入れられるのは言うまでもない。
政府が明確な成長戦略を描けない中、こうした技術や製品で日本をアピールするとともに国を成長させる原動力の役目を果たすのは、今後も自力で頑張る民間企業となるのだろうか。