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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu201.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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族議員が官僚や業者と一体となって既得権を造り上げ、そのしがらみ
を延々と積み重ねてきた結果、日本の予算編成は絶望的に膠着した。
2009年10月14日 水曜日
◆八ツ場ダムとJAL 「政官業癒着」の構造は同じだ 9月25日 財部誠一
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090925/183459/?P=1
連日、就任早々の前原国交相を悩ませる「八ツ場」と「JAL」。一見するとなんの脈絡もないバラバラの政策課題に見えるが、実はこれらの問題はまるで同根に思える。
政官業の強欲な癒着構造。
これこそが八ツ場の悲劇やJALの自力再生を阻んできた元凶である。治水、利水が本来ダム建設の大義名分。だが、政官業の癒着構造が維持してきたのはダム建設によってもたらされる巨大利権だ。族議員と官僚とゼネコンを中心とした既得権者の利益が最優先され、本当に必要なのかという議論がないがしろにされたまま、札束で地元対策が行われてきたのが八ツ場ダムの歴史だろう。
国の支援をいくら受けても自力再生できぬJALの甘えた経営は、形を変えた八ツ場ダムである。JALという官営航空会社は株式を公開して民間企業となった後も、政府が一定の株式を保有し続け、歴代社長の多くは旧運輸官僚の天下りだ。
航空行政は政官業癒着の構造そのものだ。採算がとれるとはとうてい思えぬ地方空港建設は、ダム建設にも負けない蜜の味である。空港さえできれば経済が活性化するのではないかという地元住民の勘違いも見過ごせないが、いずれにしても日本中で採算度外視の地方空港建設に歯止めがかけられなかった。その最大の背景は政官業の強欲癒着構造に尽きる。
民主党の目指すべき「脱官僚」とはこの癒着構造をぶち壊すことにほかならない。
予算編成の膠着を打破せよ
民主党政権誕生に込められた国民感情は、将来への絶望感や目の前の閉塞状況を打ち破って欲しいという切実な願いであった。地方経済が壊滅しても、失業が急増しても、所得が激減しても、国民の心のひだに手が届く政策を打ち出せなかった自民党への怒りと言ってもいい。
ではそうした絶望感や閉塞感のよってきたるゆえんはどこにあったのだろうか。
私は予算編成の膠着化に尽きると考えている。時代の変化に合わせて、必要な予算を適時、適切に配分することが政治の使命である。だが自民党はこれを完全に放棄してきた。族議員が官僚や業者と一体となって既得権を造り上げ、そのしがらみを延々と積み重ねてきた結果、日本の予算編成は絶望的に膠着した。省庁別の予算配分どころか、同じ省庁内部の割り振りさえも、長年の政官業の癒着のために固定化してしまった。
農水省のある次官OBは「農地の流動化を図ろうというプランを示したとたんに、土地改良事業を担当する課長が公然と反旗を翻してきた」と現役時代を振り返る。
「一般的に農水省にかかわる族議員のことを農林族などと呼びますが、あまり正確な表現ではありません。一番ひどいのは農地族と言うべき政治家たちです。農地という利権を担当する部局と農地族が一体となり、固定化した既得権には一切触らせないという構造ができあがっているのです」
天下り禁止だけでは構造が変わらない
官僚の天下り問題の本質は、政官業癒着の象徴でしかない。単に天下りを禁止すればそれで終わるしろものでもない。政官業が癒着して税金をネコババする構造を破壊できるか、どうか。それこそがいま問われているし、民主党政権が目指す頂もそこにあるといっていいのではないか。
八ツ場ダムとJAL。これらはその癒着構造の象徴である。ダム建設を禁止すれば多くの住民が苦汁をなめる。JAL再生にもっとも現実的な判断である法的処理(破たん処理)を選択すれば、多くの従業員、株主、取引先など多くの人々が苦痛を感じる。だがそれは政官業癒着打破のまさに試金石となる。血が流れるからできないとなれば、自民党政権と何も変わらぬという話になってしまう。
八ツ場とJAL。
前原国交相が突き付けられた難問は、国交省の問題に止まらない。民主党政権の今後の政権運営そのものが今、問われている。政官業癒着構造の完全打破を狙うのか。現実的な妥協案に堕してしまうのか。政権発足早々、民主党はその真価を試されている。
(私のコメント)
八つ場ダム建設中止や羽田空港のハブ化など前原国土交通大臣が矢継ぎ早に決断を下していますが、過去のしがらみのある自民党政権ではどうする事も出来ない問題だったのでしょう。過去のしがらみを断ち切るには政権が代わるしかないのですが、自民党にとってもいったん野党になることで自分自身が過去のしがらみから開放される事になる。
戦前においても軍部が中国からの撤退を決断できなかったのは、撤退すれば自身の誤りを認める事になり出来なかった。戦前の軍部も戦後の官僚もエリート意識が強くて自分の誤りを認めたがらない。エリートコースをずっと歩いてきたから挫折と言うものを知らずに育ってきた。人の意見を馬鹿にしているからいずれは大きな誤りをしでかすのですが、間違ったと判断すればすぐに改めればいいだけの話です。
しかしエリートコースを歩いてきた人間にはそれが出来ない。だからいったん野に下って頭を冷やして出直すしか道はない。自民党にしても過去の実績にこだわりすぎて政策の転換が出来なくて90年代からの日本経済の低迷の原因を作っているように思われる。一番わかりやすい例が首都東京の空港問題であり、成田空港建設が誤りの始まりだ。
成田空港は八つ場ダムと問題は共通しているのですが、本体の建設のみならず周辺への補償問題などで大きな利権が生ずるから、政治家は利権確保の為に最適の場所よりも利権の生じる場所にダムや空港を作りたがる。反対派がわいわいと騒げば騒ぐほど地元に大きな金が落ちる事になる。その一部が政治献金で入ってくる事になる。
成田空港でも浦安や木更津の沖合いが有力だったのですが、時の佐藤総理の決断で成田に決定された。その当時から建設に伴う混乱は予想されたのですが、成田空港は半世紀近くになっても未だに出来ていない。なぜ木更津や浦安ではダメなのだろうか? 海上だから反対運動も出来ないし24時間空港化も可能だ。しかし成田では内陸なので騒音問題で24時間空港化は無理な事は分かっていたはずだ。
反対運動が大きくなればなるほど国は補償金をばら撒いて解決しようとする。2000億円程度で出来る八つ場ダムが今では4000億円もかかってもまだ出来ない。建設を続行すれば最終的には8000億円くらいかかるだろう。それだけの金が関連団体や天下り業界に金がばら撒かれ続ける事になる。成田空港も最終的には一坪地主を巨額な金で買収する事になるのだろう。こんな事をしているから国の財政が大赤字になるのだ。
今になって分かって来ているが成田空港は明らかに失敗だ。しかし自民党政権ではその失敗を認めるわけにはいかない。巨額な金がそこにつぎ込まれているし利権が生じてしまって切り捨てるわけには行かないからだ。各県に建設されている地方空港も同じであり、政官業の癒着の象徴であり、自民党政権である限りメスを入れる事は不可能だっただろう。
政治家達は地方の為にと言いながら、必要性の低いダムや道路や高速道路を作り続けてきた。成田の国際空港もそうなのですが、八つ場ダムにしても反対運動が起きては札がばら撒かれる。問題が長期化すればさらに札がばら撒かれる。反対運動が税金のネコババの手段に過ぎず、前原大臣が建設を中止すると言ったとたん、中止するのはけしからんと言い出す。
成田空港にしても八つ場ダムにしてもそこしか建設できなかったのかというとそうではない。八つ場ダムより戸倉ダムの方が適地だったのですが政治力が働いて八つ場に建設が決まった。成田よりも木更津沖や浦安沖のほうが東京に近くて用地買収も必要が無く騒音問題でも問題が無く24時間化出来るのになぜ成田になったのか? 利権が働いたからだ。
◆八ッ場ダムと同規模の戸倉ダムが6年前に消えたのはなぜ? 10月9日 保坂展人
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/81460b6a0c9c91915676cb9c45adc808
本日週刊朝日の「八ッ場ダムの隠された真実」拝見しました。
地元に居ながら知らないことも多々あり、以前からの建設反対派の私には心強い記事でした。
処で、先日埼玉県知事がこの件で古巣の民主党を激しく攻撃してました。これは全く筋違いで、それどころか知事は埼玉県民に謝罪をし責任を取るべきです。これは都知事も同じです。
今はもう誰も語る人は居ませんが、地元の政治家、国交省の官僚たちが大きな過ちを犯した戸倉ダムのことです。
戸倉ダムは昭和47年ごろから計画が始まったもので、八ッ場ダムとはほぼ同時進行で推移してきたものです。
日本広しといどもこれほど条件が揃ったダムは他にはありません。
総貯水量9400万トン(八ッ場ダム10、700万トン)と9割ほど。湛水面積200ha(八ッ場310ha)と面積は3分の2で済みますし(その分深い)遜色ない規模です。
何よりもすばらしいのは、水没人家なし。土地の9割が東京電力所有地、群馬県片品村の住民こぞって完成を願ってました。勿論反対住民はほとんどなかったというものです。(当時私は片品村の住民でした)只、猛禽類の生息地域でその事は心配の種でしたが。
驚くべきはその費用です。戸倉ダム1230億円 これは取り付け道路数キロ一本と150mほどの橋梁一本のみで済み、ほとんどがダム本体の工事費で八ッ場と比較する上で多めに見積もったと言われてます。従って下流域の負担金は例えば埼玉の場合190億円、方や八ッ場ダム574億円と戸倉の場合3倍です。
同時進行の両ダムをしっかりと比較検討、精査したなら戸倉を採用せざるを得ない筈にも拘らず、八ッ場を選んだのは各都府県が如何に杜撰であったか、そうでなければ地元自民党政治家の犯罪の臭いすら感じさせるこのような一連の動きに加担したことになります。
当初は戸倉ダムのせいぜい2,5倍ほどの金額でしたが(結果は5倍6倍になるそうですね。)いずれにしても地元関係政治家は、金額が大きい事にしか眼が向かず「八ッ場採用」ということですね。
結果莫大な損害を都民・県民に背負わせたことになりました。結局、戸倉には拠出金を出せないと言うことで中止に追い込まれました。片品村には何とか整備費とかいって、22億円の謂わば違約金のようなものが支払われ、戸倉ダムはなかったこととなりました。皮肉なことにお陰で片品村は子孫に美林を残すことが出来ました。
今、八ッ場を中止したときの費用が、ダムを完成させたより高くつくと盛んに喧伝されてますが、今回の記事を見て納得いたしました。例え如何に費用が掛かろうが、ダム本体工事をやめて後世に美しい吾妻渓谷残せればこれほど良いことはないのではと思います。
今が最後のチャンスです。前原さんには是非とも頑張ってもらわなくてはなりません。その上で保坂先生のこの記事は大きな追い風になったと思います。お忙しい中にこんなメールお送りして迷惑とは存知ますが、この記事に感銘を受けましたので一言申し述べました。
(私のコメント)
自民党の利権政治家達は金の為に無駄な事業をしてきた。日本には国際空港は沢山出来たが中心となるハブ空港は作られなかった。成田では当初から無理だったのであり、反対運動が起きたならなぜ工事を中止して東京湾に作ればよかったのにと思うが、東京湾では金がばら撒かれないから政官業にはメリットが無い。ところが羽田の拡張工事でハブ空港と24時間化が実現しそうである。
ネットウヨたちは相変わらず民主党攻撃を続けているが、政権が交代する事も気に食わないのだろう。民主党だって政権が長期化すれば政官業の癒着も起きてくるだろう。民主党の弱点は外交と防衛にあるのですが、民主党がおかしな外交や防衛政策をすれば、株式日記でも批判しようと思いますが、当面は自民党の腐敗した構造を叩き壊さなければならない。前原大臣の羽田のハブ空港化は正しい決断だ。