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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu201.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「還付金付き消費税」 消費税を20%に引き上げ、一人に付き
40万円給付して、年収200万円で全部使っても差し引きゼロになる
2009年10月13日 火曜日
◆「資本主義はなぜ自壊したのか」中谷厳:著 松岡正剛の千夜千冊
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1285.html
いま、年収200万円を稼げない日本人は1000万人をこえた。仮にこういう状況のなかで消費税をヨーロッパ並みに20パーセントに上げたとすると、年収200万円の所得者の税負担は、すべての収入を消費にまわしたとして、40万円になる。年収1億円の所得者には8000万が残るのに、これでは貧困層のほうに重税感がある。では、どうするか。それが中谷さんが本書で提案した「還付金付き消費税」というものだ。
詳しいルールはぼくが安易に説明すると誤解されると困るので、本書を読んでもらうか、別の中谷さんの文章や記事などを見てもらったほうがいいが、いささか注目すべきなのは、ここには「ベーシック・インカム」(基礎的所得)という思想が導入されているということだ。これは、国民の生活を守るためには、「国家は無条件で国民に所得を給付する義務がある」というもので、今後の社会制度を議論するにあたって、ぜひとも検討すべき考え方のひとつなのである。憲法第25条の「すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とも合致する。
ところで、ぼくは知らなかったのだが、中谷さんが実際に現地で見聞取材したところによると、デンマークでは企業はいつでも余剰人員を解雇できるようになっているらしい。しかも解雇された従業員たちは、それに対する不満をほとんどもたないのだという。
なぜなら、デンマークでは解雇されても失業保険が手厚く支給されるので生活は急に不安にはならない。それとともに同一労働・同一賃金制度をとっているので、同じ仕事をしているかぎりは、同じ会社で何年務めていても賃金は上がらない。そこで大事になるのがスキルアップだということになるのだが、失業はこのスキルアップをするチャンスになるらしい。全国規模でかなり充実した職業訓練所ができていて、解雇されると同時に無料の職業訓練学校にも行ける。考えようによっては、ときどき解雇されたほうがかえって技能訓練ができるということになる。
中谷さんは、このような制度はマクロ的には労働市場の流動性が確保されることになるとも見たようだ。企業側も経済情勢や実績に応じて、労働コストや人事コストを「可変費用」とみなせるようになる。国のレベルで見ても、産業構造の転換がもっと容易になるかもしれない。
かつての日本の終身雇用性はそれなりに独自の長所をもっていたのだが、過剰雇用になったばあいに雇用調整がきかないという欠点をもっていた。そのためしだいに非正規社員をふやすようになっていったのだが、それが従業員の一体感を損ねた。アキハバラで無差別殺人をした青年は、その一体感から切り離されたという被害意識をもっていた。
これからの日本は新たな雇用に関する改革が着手されなければならない。ただし、デンマークのような大胆な改革をするには「小さな政府」にこだわっていては何もできないし、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスに縛られていても二進も三進もいかない。
実はスウェーデンは1000万人に満たない「小国」であり、デンマークやノルウェーはその半分程度の規模なのである(1256夜『世界の小国』)。一方、現在の日本は多くの場面で地域コミュニティの機能を失い、「絆」を断たれた分断された社会が無数のひび割れのような裂け目を見せている。農村部では「限界集落」化がおこって高齢者が地域を守るのが困難になっているが、同じことが都市部にもおこっている。
少子化だけが問題なのではない。1億人をこえる日本人が十把一からげの政策や地域自治や福利厚生の傘の中に入っていることが問題なのである。むしろ領域や段階に新たな「意味」をもたせることのほうが重要なのだ。ということは、いま日本では、さかんに「道州制」が議論の俎上にのぼっているけれど、新たな社会や文化を守ったり作ったりしていくということを考えるのなら、道州制でもまだまだ大きすぎるのである。もっと小さな行政単位と介護や医療や生活や文化が取り組まれるべきなのである。日本には、もっと「小さな領域」をダイナミックにつないでいく方法が必要なのである。
EUが制度の平準化をめぐって提案している「相互承認」(mutual recognition)という考え方がある。今日の日本は日米同盟を漂流させながら、東アジアとの紐帯を模索する必要が出ているのだが(だからヒラリー・クリントンも日本に来たあと東アジア諸国をまわるのだが)、日本自身にもそれぞれの領域の凹凸をつなぎうる相互承認力が必要になっているのはあきらかなのだ。
こうして中谷さんは「相互承認」の次世代に望みを託しつつ、本書を次のような言葉でしめくくっていく。「自由とは禁断の果実であり、ひとたびその美味しさを知ってしまった人間が自らを抑制するほど賢くなっているかどうかは疑わしい。となれば日本としては、グローバル資本主義から受ける傷を最小化するため、まずは自国単位でできることは徹底的にやるべきであるとするしか、道はあるまい」というふうに。
◆「還付金付き消費税」の効用 1月28日 牧太郎
http://www.maki-taro.net/index.cgi?e=949
その中でも注目したいのは中谷巌氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長)の「中央官庁を3分の1に縮小し、還付金付き消費税導入せよ!」。検討に値すると思う。(発売中の週刊エコノミスト09年2月3日号)
中谷氏が提唱する具体案は・・・@消費を20%に引き上げるA年間所得1000万円以下の人に対しては毎年40万円の給付金を支払うBその結果、年間200万円を消費する人は消費税率は実質ゼロになるC年間消費100万円の人は実質20万円の所得増になる・・・と言う処方箋である。
20%は高いという意見もあるが「消費税10%、還付金一律年10万円」というやり方もあるらしい。
こちらは@国内在住の全ての人に一律に毎年10万円支給A同時に消費税を10%にUPB支給した金はこの消費税UPで回収するーーという方法だ。
1億人に一律年10万円配るとして、必要になるのは10兆円。消費税1パーセントが2兆円なら10兆円は5%。現行5%に5%プラスで消費税は10%。新たに生まれた10兆円を還付金に回す。政府の歳出入は差し引きゼロである。
国民は払った消費税の内10万円が返ってくる。年間100万円の消費に対する消費税はゼロ。(つまり、現在より減税されることである)一人暮らしで収入200万円の人が200万円を全て消費に回すと、消費税は20万円だが、還付金が来るから、実質は5%。今と同じ負担になる。
一人暮らしで収入50万円で、収入全てを消費に回すと消費税負担は5万円だが、還付金10万円だから5万円が手元に残る計算だ。この場合は5万円の所得増である。
4人家族で世帯収入800万円。収入800万円を全部消費に回すと、消費税負担は80万円だが、還付金が10万円×4人=40万円。つまり、消費税は80万円ー40万円=40万円で、消費税負担は実質5%。今と同じである。
夫婦と子供2人の世帯で、消費400万円なら、消費税負担はゼロということになる。一番、子供にカネが掛かる時、消費税ゼロは朗報ではないか。
つまり、低所得であればあるほど消費税の負担が少なくなる。つまり、消費税UPと還付金導入の同時実施で@消費税負担より還付金が上回る低所得者への実質的補助になるA子供や高齢者といった扶養家族が多い世帯への負担は低減されるB結果的に低所得者の可処分所得増での消費増に繋がる。
このやり方では、多額消費の高所得者層は増税となる。が、平均以下の所得者層には実質的な減税になる。これが「還付金付き消費税」導入による所得の再配分。格差是正策である。検討する価値があるように思う。もちろん、同時に、社会福祉にカネを回すために、中央省庁の無駄をなくすことが前提ではあるが・・・いずれにしても、消費税の導入は避けられない課題。消費税に「低所得階層」に対する工夫が是非とも必要だろう。
(私のコメント)
中谷厳著の「資本主義はなぜ自壊したのか」を買って読んでいるのですが、ベストセラーにもなっているので一度読んでみてください。年収が200万円以下の人が1000万人にもなったのは小泉構造改革の失敗によるものですが、それが年金破綻や健康保険の大赤字や少子化の原因にもなっている。対症療法的にやっても意味がないのであり、どうしたらかつての中産階級が復活するような対応策を考えるべきだ。
自民党では思い切った政策の転換は、今まで行なってきた政策の失敗を認めることになるからなかなかできずに政権が交代してしまった。民主党は公共事業を見直して、国民に直接給付する景気対策に切り替えることにした。今年の5月に定額給付金が実施になりましたが、一人に付き12000円であり、役所も初めてのことなので混乱したようだ。
「株式日記」では一人に付き100万円給付する大胆なプランを書いてきましたが、このようなプランはヨーロッパではベーシックインカムとして検討されている。ベーシックインカムをいくらにするかは議論が分かれるところですが、財源をどのようにするかが問題だ。中谷厳氏は消費税を20%にして、所得が1000万円以下の人に40万円を給付するプランを提案している。
具体的内容は牧太郎氏が書いているような計算になりますが、年間一人に付き40万円なら夫婦で80万円になり、さらに子供が三人いれば合計200万円になり最低限度の生活が出来るようになる。地方なら食糧は自給できるから200万円でも家庭が成り立つ。一人暮らしでも40万円給付されれば無職でも食費だけは何とかなる計算だ。消費税を20%にして40万円の給付金を組み合わせれば財政再建と福祉政策が一気に解決できる計算になりますが、役人達は頭が固いから民主党が政治主導で実施してみたらどうだろう。
年金問題も国民皆保険制度の問題も高度成長時代には機能していましたが、格差社会においては年金や健康保険料が支払う事ができない人が続出している。だから年金や健康保険は税制でカバーしないと出来ないだろう。しかし単純に消費税を引き上げれば財政の無駄使い問題は放置されてしまうから、徹底した予算配分の見直しが必要だ。
年収が200万円では年金も健康保険も払うゆとりは無いだろう。かつての年功序列制度が機能していた頃なら新入社員は安い給料でも定期昇給や昇進で年収が上がって行ってマイホームや車が買えた。しかし低成長時代に入って企業は過剰雇用を抱えて正社員を減らして非正規雇用に切り替えている。これらが年収200万円の人たちであり、小泉構造改革の歪みだ。
民主党では子供手当てで子供一人に付き31万円の給付を付けているし、合わせれば一家5人で300万円が国から給付される事になる。これらの政策がどのような影響をもたらすのかよくわかりませんが、今までのような公共事業で景気の梃入れをするよりも効果があるのではないだろうか? 道路やダムを作るにしても地権者に利益がプールされてしまって使ってくれなければ国内の景気は良くならないからだ。
それに対して年収が200万円の人が貯めこんで使わないという事は考えづらいのであり、ベーシックインカムと言う政策をどのように実施に移すかがこれからの課題になる。もちろん税金が上がるし大きな政府となり、ヨーロッパの小国のようなわけには行かないかもしれない。これらの政策を日本全土一律に実施するのではなくて、消費税率も給付額も地方によって異なる事も検討されるべきだ。
派遣労働の問題などもセーフティーネットがしっかりしていれば解雇されても生活に困る事は無く、国家からの給付金で何とかやって行けるようになり、解雇されたらホームレスという事もなくなるはずだ。同一労働同一賃金で失業保険もセットされていれば解雇されても失業保険で生活が出来る。日本では意図的に不備な法律を作って派遣労働者にしわ寄せをしている。
日本やアメリカや中国のような格差社会では犯罪が激増して治安の悪化が問題になっている。所得格差が是か非かというよりも社会保障や治安の確保などから総合的に考えるべきであり、新自由主義に基づく所得の格差の拡大は税制などで調整していく必要がある。所得再分配と言った社会主義政策は高額所得者には不利だということで勝ち組には評判が悪いのですが、新自由主義経済でも経済が破綻すれば国が救済しなければならないから同じ事なのだ。
このような政策は、ホリエモンが言うように金持ちは海外に逃げていくという人がいますが、タックスヘイブンのような所もG20の会議で規制されるようになって逃げ場所が無くなりつつある。グローバル企業も利益最優先であり国家の繁栄よりも企業の繁栄を優先して、多くの企業は従業員や下請け企業にはコストカットを強いて利益をタックスヘイブンに蓄えてしまう。
新自由主義経済や規制の緩和を進めれば豊かな者はますます豊かになり貧しいものはますます貧しくなる。しかし社会主義政策を進め過ぎれば英国病と呼ばれたような経済の停滞をもたらすようになる。サッチャーやレーガンは新自由主義経済で米英の経済を活性化させましたが、金融資本主義で製造業の復活は出来なかった。製造業は一度衰退してしまうと元に戻す事が難しい。
日本が直面している日本病は財政の無駄が行き過ぎた結果であり、天下り役人の為に12兆円もの国家予算が特殊法人や関連団体に消えてしまっている。公務員報酬も民間との格差が拡大して国も地方も大赤字だ。民主党がしなければならない事は山ほどあるのですが、それだけ自民党の長期政権がもたらした弊害は大きい。
中谷厳氏を転向者とか裏切り者呼ばわりする学者もいますが、70年代や80年代は新自由主義的な政策でも社会の歪みが大きくなる事は無かったが、90年代や2000年代に入ると社会の歪みが大きくなり新自由主義から社会主義的政策に切り替える必要が出てきたのだ。公共投資も70年代の頃は橋や道路も必要でしたが、今では無駄な工事が多くなった。むしろいかに消費を拡大して内需を大きくする必要がある。
だから中谷厳氏が転向するのは遅すぎたくらいであり、日本は社会主義的政策を進める必要があった。しかしアメリカはレーガン革命でソ連を崩壊させて経済でも金融資本主義が真っ盛りだったから日本の規制の緩和を迫ってきた。そのアメリカがバブルの崩壊で社会主義的政策をとり始めた事で、日本の新自由主義経済学者は梯子を外されてしまった。
財務省の役人にとっては一人40万円の給付金など腰を抜かす政策であり、ベーシックインカムの考えも無いようだ。しかし生活格差が広がり高齢者と生活弱者は増える一方だ。生活保護世帯も増える一方であり、これらの世帯を救うには社会主義的政策を充実するしかない。だから経済学者も状況によって政策を変えるべきなのであり、グローバル化も行き過ぎれば規制も必要になるだろう。
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