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【神州の泉−高橋博彦】
2009年10月11日 (日)
郵政民営化見直しの真の目的は国富流失の防御にある
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原口氏、郵政株の上場方針示す 郵政見直し法案に
2009年10月9日 12時28分
原口一博総務相は9日の閣議後の記者会見で、日本郵政について「市場のチェックを受けるべきだ」と述べ、将来的に上場させる方針を表明した。
現在国が株式を100%保有する日本郵政は、早ければ2010年度にも上場を目指す計画だが、与党3党は臨時国会に株式売却凍結法案を提出する予定。総務相は郵政見直し法案に、新しい株式上場の在り方やスケジュールを盛り込む考えだ。
総務相は「官から市場へというのは民主党結党時からの大きな柱の一つ。(国が持つ)株式の割合をどうするかは亀井大臣のところで議論していただく」と述べた。
(中日新聞より一部引用)
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原口総務相のこのニュースについては、危険な違和感を覚える。郵政民営化見直しの本来的な目的が完全に捨象された言い方になっているからだ。もし、本当に原口大臣がそう言ったとしたら、郵政見直しの完全な骨抜きになっているが、これがメディアによる故意の偏向報道の可能性もある。仮に記事どおりの内容だとして感想を言う。
原口総務相は、日本郵政について「市場のチェックを受けるべきだ」と、将来的に上場させる方針を表明したようだが、これでは郵政民営化見直しの大事な過程が抜け落ちている。ゆうちょ銀行とかんぽ生命の資産は米系国際金融資本に収奪される危険が目の前に迫っている。その方法が国際金融資本によるM&Aであり、株式交換を行う三角合併を介して行われる郵政関連株の取得である。
だからこそ、郵政資産を狙う大元は虎視眈々と株式上場を今か今かと狙っているのだ。株式売却凍結案の理由はそこにある。今、完全民営化までの暫定状況にある郵政事業が、大きな意味で完全民営化に移行することが本決まりなら、最終的に市場のチェックを受けて郵政株式を上場させるのは当然だろう。だが、これでは自公守旧派とまったく変わらないので、見直し案の意味がない。
この問題は背後にはアメリカ政府の陰険な収奪意思が控えているので、国民新党も民主党も郵政民営化の見直し案に踏み切ったわけである。しかし、対アメリカという概念を露骨に盛り込むと、正面からアメリカを刺激してしまい、アメリカの勘気を蒙る。国家間の経済のヘゲモニーは軍事力の差で決まる。それを思った場合、日米経済は言うまでもなく非対称である。この状況で如何に米国の収奪を防ぐかということが、この問題の本質である。
取り得る方法は、面と向かってアメリカ批判を行なわず、面従腹背的に地道に抵抗していくということしかない。日米関係に決定的な不和を生じる正面突破はできないという配慮がある。自国の軍隊を持つな、核を絶対に持つなは、人類的には求める方向だろう。しかし、軍事大国が覇権を競い、弱小国家を睥睨する現実にあって、経済だけを国際的対等性に持っていこうという日本の基本姿勢ははっきり言って実効性がないし、管理人は間違っていると思う。
どんなに平和外交を唱えようが、国防姿勢を持たない国の発言を国際社会は相手にしないのが現実だ。日本経済衰退の根源に、日本が軍事力を法的に放棄している問題があるが、相当の有識者でもこれを避けることが日本の致命的欠陥だ。日本国憲法は国際的地位を持てないように日本を呪縛することが目的だった。他国に軍事防衛を任せて、わずかばかりの用心棒代だけで済むはずがない。簡単に言えば、今は、その用心棒代が生活費を喰い潰してきて国民全体が青息吐息になっているのである。
この基本が変わらない限り、アメリカの対日収奪は国民が餓死するまで続くのだ。西村眞悟氏は国防的自立を、植草一秀氏は経済的自立を志向しただけで、米国傀儡勢力に嵌められた。鈴木宗男氏は天然ガス資源のロシアルート確保(石油メジャー以外のエネルギー入手)があったと思う。どんな立場であれ、対米自立を志向した有識者は狙われるようだ。
上述の意味で、今の日本には対米従属の苦痛があるが、現状では宗主国に賢く抵抗して行く以外にない。国民新党が郵政株式売却凍結を亀井担当相に託したことが最優先である。ゆうちょ銀行とかんぽ生命にストックされている300兆円という国民資産が、今のままでは風前の灯火である。日本郵政の西川社長の更迭、及びチーム西川の解体は「かんぽの宿」不正売却問題を中心に経営責任が問われるが、その真の目的は300兆円の郵政資金の防衛にあるのだ。
総選挙前、国民新党の亀井静香前代表代行はインタビューで、日本郵政グループの経営形態について「持ち株会社ではなくて全体を一つの会社にすればいい」と述べ、日本郵政と4事業会社に分かれている同グループを再統合させたいと言っていた。株式については「かつての日本航空(JAL)みたいに政府が全株保有しているという形を取ればいい。上場はあり得ない」と、守旧政権の全株の売却方針を全否定している。
2007年10月1日以降、当時の郵政公社は、持ち株会社の日本郵政に、郵便局、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の4社による「4分社形態」体制で始まり、現在に至っている。下記の郵政民営化法第七条は株式について規定される。竹中平蔵氏が繰り返して言っていたイコール・フッティング(対等な競争条件)を条文化したものだ。
@政府が保有する日本郵政株式会社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとする。ただし、その割合は、常時、三分の一を超えているものとする。
A日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、移行期間(平成十九年(2007年)十月一日から平成二十九年(2017年)九月三十日までの期間をいう。以下同じ。)中に、その全部を処分するものとする。
日本郵政の西川善文社長は、これに従って、自らが保有するゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式について、2010年あるいは2011年度から売却を開始する計画である。噂によれば、2009年以内にもそうしたいという話があった。麻生前首相の四分社体制見直しや、鳩山(弟)前総務相の「かんぽの宿」売却疑惑追及がなければ、おそらく西川社長は本年中に売却を急いだ可能性はあった。
これを急がせているのはゴールドマンサックスであり、米国政府である。日本郵政の西川社長の更迭問題は表面的には経営姿勢を問われてのことだが、真相は郵政資金の収奪を外資から防衛することにある。何度も言うが、郵政民営化見直し問題は、日米二国間問題だから、対外的には表現に慎重を要する懸案だ。難しいがアメリカをなるべく刺激しないで、国民に郵政問題の本質をわからせることが重要だ。
亀井郵政・金融担当相の郵政民営化見直し法案は、(1)秋の臨時国会に郵政株式売却凍結法案を提出する、(2)その後、ただちに日本郵政グループの経営形態見直しに着手し、来年の通常国会に関連法案を提出すること、の二案が骨子になっている。
管理人は郵政民営化の問題は国防マターであると何度も書いているが、国富防衛的条件が整わない段階で株式上場は危険すぎる。アメリカのエクソンフロリオ条項に等価な防衛法制が整っていない我が国では、今のままでの株式上場が如何に危険であるか自明であろう。だが日本が辛いのは、株式凍結の表向きの理由を、郵政グループの企業ガバナンスが整っていないから時期早尚だという苦し紛れの理由しか言えないことであろう。
だからこそ、ネットの政治ブロガーは、思いっきり新政権の本音を代弁すべきなのである。つまり、ぐずぐずしていると、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金庫が空っぽになってしまうぞという警告である。金融機関の現金輸送車の襲撃事件でも数千万から数億円である。郵政民営化の場合は、国外から合法的に200兆円以上が強奪されるのである。しかもこれにはロイドの保険もかかっていない。これほどひどい話はないだろう。
これに対抗する国防的法制度がない以上、郵政グループの株式売却は即時凍結し、すぐに四分社形態の一体化を検討する必要がある。なぜ四分社形態というセパレートした事業の再統合を急ぐのか。それはこれ以外に当面の国富流出を防ぐ手段が取れないからである。株式売却凍結と分社体制の再統合形態は喫緊の政策課題であろう。
従って、原口総務相の「市場のチェックを受けるべき」 であるから、将来の上場を示唆させるという言い方は、見当はずれどころか、強い印象誘導になっており、見直しの本質から大きく国民を逸らす効果を持つ。ただし、これはマスコミの悪意ある意図的報道の可能性も高い。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2009/10/post-f357.html
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