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長崎市長射殺で上告 福岡高検、2審無期に不服(西日本新聞)
2009年10月9日 13:38
2007年4月、長崎市長選の選挙運動中だった伊藤一長・前市長=当時(61)=が射殺された事件で、殺人と公選法違反(選挙の自由妨害)などの罪に問われた元暴力団幹部城尾哲弥被告(62)を無期懲役とした福岡高裁判決を不服として、福岡高検は9日、最高裁に上告した。
一審・長崎地裁判決は求刑通りに死刑を言い渡したが、高裁判決は「(殺害された)被害者が1人にとどまることを十分考慮するべきだ」として減刑した。判決後、遺族が高検に上告を求める上申書を提出していた。
死刑の適用をめぐっては、最高裁判決(1983年)が示した「永山基準」に照らし、被害者が1人の場合、殺人罪などの前科があるか、性的、金銭的な目的による残虐な犯行に限られてきた。
福岡高裁判決はこうした判例を重視したものだったが、選挙期間中に候補者の現職市長が射殺されるという事件の重大性や社会へもたらした影響について、最高裁がどう判断するか注目される。
判決によると、城尾被告は07年4月17日夜、JR長崎駅近くの選挙事務所前の歩道で、選挙活動を終えて事務所に向かおうとした伊藤氏の背後から拳銃を2発発射し、死亡させた。
伊藤前市長の遺族は「“被害者の数”という従来の量刑基準をことさら重視し、1審判決を減刑した福岡高裁判決には失望していたので、上告が決まり安(あん)堵(ど)しています。最高裁では、暴力に対(たい)峙(じ)する社会の決意をお示しいただき、不当要求には断固として応じない姿勢を貫いた故人の志に報いる結果が出ることを期待しています」とのコメントを出した。
=2009/10/09付 西日本新聞夕刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/127268
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