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大脇道場
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NO.1392 民主党の「議員立法禁止」と「官僚答弁禁止」は、「脱官僚」という名の国会軽視・空洞化。
「官僚主導」から「政治主導」へという。
民主党が議員立法を禁止したり、委員会での官僚の答弁を禁止する方向に動いている。このことをどう見るのか。
結論的にいえば、国会軽視、国会=立法府の形骸化につながり、「政治主導」という名の「官邸主導」=内閣への権限集中に道を開く危険を持っていると指摘しなければならないだろう。民主政治への逆行である。
民主、議員立法を原則禁止 全国会議員に通知 (asahi.com 2009年9月19日3時1分)
民主党は18日、政府・与党の二元的意思決定を一元化するため、議員立法は原則禁止し、法案提出は原則、政府提案に限ることを決め、同党所属の全国会議員に通知した。政策決定がスムーズになり、族議員の誕生を防ぐといった効果が期待されるが、政治主導が不完全なままでは従来の政府見解にとらわれて自由な立法活動が阻害される可能性もある。
ただし、「選挙・国会など議員の政治活動に係る、優れて政治的な問題」に関わる問題、公職選挙法や政治資金規正法の改正案といった「政治とカネ」の問題に関連する法案などは例外だそうだ。
民主党は、政府・与党一元化のためであり、族議員の関与で法案の内容がゆがめられたり、法案の提出が遅れたりして、政府の政策遂行に支障がなくなるという考えのようだ。
平たく言えば、政府の政策決定に与党があれこれ注文をつけると、政府の政策遂行に支障を及ぼすから、一般行政にかかわる政策決定はもっぱら政府が行う、ということである。
「国権の最高機関」「唯一の立法機関」
しかし、「国会は唯一の立法機関」(憲法41条)ではないのか。
アメリカでは政府による法案提出は認められておらず、すべて議員立法であるが、それゆえに政府の政策遂行が妨げられているというのは聞いた事がない。
最近、改正臓器移植法や水俣病救済特別措置法など弱者救済や公共政策的な内容の法律が超党派の議員立法で成立したが、日本では殆どが内閣(政府)が法案を提案するという実態がある。
浦部法穂の憲法時評 「議員立法」では以下のように述べている。
(前略)・・・憲法の原則に立ち返ってみると、閣法が主流であり議員立法は抑制されるという立法のあり方は、主客転倒である。憲法41条は、国会を「唯一の立法機関」と定めているが、これには、国会以外の機関による立法は認められない(国会中心立法の原則)という意味と、国会以外の機関が立法に関与することは認められない(国会単独立法の原則)という意味が含まれている。とすると、そもそも内閣が法律案を発議(提出)することは内閣が立法に関与することになるから憲法上認められないのではないか、という疑問が出てくる。
こうしたところから、憲法学説では、内閣に法案提出権があるのかどうかが議論の対象になっている。議員の法案提出権については、議員は国会の構成員であるから当然認められるとして、議論の対象にはなっていない。もっとも、こんにちでは、内閣の法案提出権を認める説のほうが多数であり、法律(内閣法)も明文でこれを認めているから、内閣の法案提出権の有無がさほど深刻な問題として議論されているわけではない。しかし、議員の法案提出権は当然認められるが内閣の法案提出権は議論の余地あり、という憲法の原則からすれば、内閣にのみ法案提出権を認め議員立法は禁止するという民主党の方針は、奇異に映らざるをえない。
日本では、内閣提出の法律が主流だから、議員はたいして勉強しなくても勤まり、与党の投票機会の役割を果たせば事足りるとなる。だから、選挙のことしか考えないろくでもない議員が、税金のムダ遣いをするのだ。
日本の議員の質を高め、国会を「国権の最高機関」として将に「政治主導」の舞台にするためには、むしろ議員立法をどんどん奨励すべきではないか。
どう見ても、民主党の議員立法禁止は、「政治主導」にも「政治の質の向上」にも逆行するものといわなければならないだろう。
次に、委員会での「官僚答弁の禁止」問題である。
委員会での官僚答弁を“禁止” 小沢氏、政治主導アピール 2009/10/01 20:08 【共同通信】
民主党の小沢一郎幹事長は1日午後、神戸市で記者会見し、国会の委員会審議で閣僚に代わって官僚が「政府参考人」として答弁を行う国会審議の官僚依存を改めるため、今月下旬に召集見通しの臨時国会で、国会法の改正作業に取り組む考えを示した。鳩山政権の「政治主導」をアピールする狙いがあり、官僚答弁を原則禁止する方向で法改正を検討するとみられる。
小沢氏は「脱官僚支配は国会から始めないといけない。国民の代表者である政治家同士の議論ができるような国会にしたい」と強調。その上で「できるだけ国会法の改正作業をしたいが、予算編成もあるので時間的に間に合うか分からない」とも付け加えた。
2009年版の「民主党政策集」では、「衆参両院の委員会は専ら議員のみで議論を行い、国家公務員、民間人などから意見聴取を行う場合には、委員会の下に設置する小委員会で行う」としている。
連立の保坂さんも困惑
保坂展人氏は、「官僚の委員会答弁禁止は国会空洞化につながる」の中で、国会論戦の経験も踏まえながら、以下のように指摘している。
「官僚答弁の禁止」で喜ぶのは、政治家ではなく官僚の方ではないか。官僚が隠してきた「薬害問題」や「外務省・国連広報センター問題」など、すべての言い訳を政治家にさせ、嘘の答弁を演出して後日判明しても知らんぷりをしていられる。私は小沢幹事長に提案したい。国会答弁を官僚にさせたくないのなら、議員の質問予告の時に「政府参考人」を登録しなければいいだけの話である。政治家同士の討論はいくらでも出来る。以前のように、大臣に答弁を要求しても役人がしゃしゃり出てくることは、事前登録がない限りは不可能だ。国会法を改正するなら、「虚偽答弁を禁止」する方がずっといい。
民主党の国会改革は、狙いが判らない。議員立法禁止は国会改革の流れに逆行しているし、官僚答弁禁止は真相解明を求める国民にとって損失になる。政治家同士の議論を否定しているのではない。しかし、一律的に官僚答弁を禁止するという措置は、国会の場で、真剣勝負で官僚の論理を切り崩してきた現場感覚からは、到底受け入れられるものではない。
その通りだろう。国会議員の経験が無くとも分かりきったことだ。大臣が、何でもかんでも具体的に細かな数字まで知ってる筈は無いだろう。
政治家は大きな立場で政策を政治的に判断し、官僚をどう使うかということが、問題なのではないだろうか。
「政治主導」の名で「財界主導」を免罪
民主党の「政治主導」・「脱官僚」論の基本的な問題は、日本の政治がもつ「財界・大企業中心」という基本的な問題を免罪するものであり、「脱財界」が無いところに、明日の政治への視界不良の原因があると、当道場は繰り返し指摘して来た。
花・髪切と思考の浮游空間さんが、以下のように指摘している。
そもそも、政治主導か官僚主導かという問い方は、これまでの自民党政治の問題の本質を覆い隠しているのではないか。
官僚が、勝手に主導的に政策をつくってきたのではない。財界の意向を受けて政治が政策づくりを官僚に指示し、任せてきたということだろう。最近までの経済財政諮問会議は、その意見交換の場でもあったはずだ。官僚は忠実にそれにしたがってきたのだ。
だから、政治主導か官僚主導かという問いは、自民党の政治のあり方を批判しているのではな免罪しているし、この場合の「政治主導」という言葉が財界が主導する政治に対抗するものだということももちろん意味しない。
国民有権者に痛みが押し付けられたのは、財界主導の政治が追求されたからだ。
鋭い指摘であり、全く同感だ。
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