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2009年10月 6日 (火)
マスメディア報道に呑み込まれぬ距離感が肝要
連日、テレビ報道では鳩山由紀夫内閣総理大臣の献金問題が大きく取り扱われている。故人からの献金が収支報告書に記載されていた問題だ。
「政治とカネ」の問題に明確な決着をつけることが、新政権の最大の政治課題であり、この意味で鳩山総理大臣の問題を看過できないが、この問題については総選挙の前に概要が明らかにされ、鳩山由紀夫現内閣総理大臣が明確に説明を行なっている。
そのうえで総選挙が実施されたのであり、問題についての国民の審判をすでに仰いでいるものだ。「政治とカネ」問題の核心は、「企業献金全面禁止」を新政権が確定できるかどうかにある。「企業献金全面禁止」が確定すれば、日本の政治の質は根本から大きく転換することになると思われる。
テレビ朝日系列、日本テレビ系列のテレビ報道が、執拗に民主党攻撃の番組を編成しており、視聴に堪えない。
総選挙前に繰り返された報道を、そのままの形で繰り返している。
2005年に小泉政権が総選挙で大勝したとき、テレビ報道は民意が郵政民営化を全面的に支持したとの論調に染められ、選挙結果に即した報道が全面的に展開された。
これに対して、今回は有権者が民主党を圧勝させて、政権交代実現の民意を明確に示したが、テレビ報道は、その民意を正確に解析する任務を放棄している。
民放各社の番組編成は各社の財政基盤を支えているスポンサーである企業各社、ならびにスポンサーの意向を反映する存在である広告代理店の強い影響下に置かれる。この財政基盤を支える勢力が鳩山新政権に対する陰湿な攻撃勢力であることが明らかである。
NHKは総務省を通じて政治権力の支配下に置かれ、影山日出夫氏や島田敏男氏に代表される自民党に偏向した解説委員などを跋扈(ばっこ)させてきた。
政権交代が実現したものの、NHKの人事刷新は依然として実行されていない。鳩山新政権は政治権力からの独立性を確保したメディアの新しいあり方を模索しているが、現状に対して早急に手を入れなければ、健全な世論形成が阻害されてしまうことになる。
ネット情報の広がり、マスメディア以外の情報媒体の威力が発揮され始めて、日本の有権者が「メディア・コントロール」に一定の抵抗力を示し始めたことは画期的である。
一部の週刊誌、月刊誌も必死の民主党攻撃を展開しているが、国民の判断は冷静さを失っていないように見える。戦後昭和史を振り返ると、米国にモノを言う政権は、ことごとく攻撃の対象にされてきたと判断できる。
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鳩山新政権に対する各種攻撃は、この文脈上に位置付けて、冷静に見つめる必要がある。日本の国民が自分自身の目で見て、自分自身の頭で考える習慣を身につけることが、日本の新しい道を誤らないための、最大の防御法になるだろう。
マスメディア報道に流されずに、十分な距離感をもって状況を見定めることが肝要だと思う。
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