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新聞の政治部記者は、分らないことがあればすぐに小沢一郎のせいにする。これは、16年前の細川連立政権の時以来の、政治ジャーナリズムの悪い癖である。 鳩山政権の発足を前に、小沢が幹事長に指名された時に、またしても二重権力だの小沢支配だのと、小沢が政権を裏で操るというイメージが新聞やテレビでふりまかれた。しかし、選挙で大勝した与党の党首の権力は絶大である。今の民主党は経世会全盛時代の自民党とは違うのである。 また、来年の参議院選挙に向けて、強力な政治家が党務を仕切ることは当然である。膨れ上がった与党の政治家を束ね、円滑な政権運営を下支えすることも、政党政治においては重要な課題である。今の民主党でその仕事ができるのは小沢しかいない。 まして、小沢が民主党を割って政党再編を図るなどというのは、政治の現実を見ない愚論である。念願の政権交代を起こし、自民党が見る影もなく零落した今、政界再編を起こす理由などない。あるとすれば、参議院での多数派を確保するために、自民党から議員を釣りだすことくらいであろう。 ただし、小沢幹事長に注文もある。大量に生まれた若手、新人議員の教育という課題である。あの中には将来有望な人材もいるだろう。国会での質問の機会を与えて、議論のできる政治家を育ててもらいたい。(東京新聞9月13日) |
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