★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK71 > 737.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
オバマ大統領が国民皆保険制度を導入しようとしているが、それに対する抵抗も強い様子だ。
アメリカは二大政党制だが、その受け皿としてある社会構造は単純な対立構造になっていない。つまり、有産階級と労働者階級の対立と言う構図ではすでにないのだ。アメリカの人口は3億人を超えてい、そのうち白人人口は2億人に満たないほどで、非白人人口が1億人を超えている。そして、例えば、失業率は非白人層が白人層の二倍にもなるのだ。更に、白人社会の中でも階層対立はあるし、いわゆるユダヤ人社会は、かなり強い結束を今でも持っている。また、14%ほどの人口を占める黒人の問題は未だに解決されていないし、ヒスパニック人口はやがて国民の2割に迫るところまで行くだろう。更に韓国や中国系移民の増加があり、アジア系移民の割合も増えつつある。つまり、アメリカの2大政党制は現実の社会の構成を反映していないのだ。
結局、背景には、アメリカの人種対立があると思う。アメリカ初期の移民の大部分を占めたWASPと言われる人たちによる実質的な支配が未だに続いていると言うことだ。白人で、アングロサクソン人種で、かつプロテスタントと言う条件だ。そして、彼らの意識の究極には自らの欲望の開放があると思う。それは、あの風と共に去りぬと言う小説に描かれた女主人公の言葉、神にかけて、盗み、人殺しをやろうとも、二度と飢えることはない に象徴的に示されていると思う。自らの欲望のためには、人を殺そうともそれは神が許すのだと言う思い込みだ。だからこそ、太平戦争で激戦地に進んで行き、黒人の地位向上を目指したのにもかかわらず、BLACK IS BEAUTIFUL と言う主張は1960年代に消えてしまい、多くの黒人の若者はドラックに染まっていくのだ。サブプライムローン問題でゆれた2008年は、その主な対象であった黒人やヒスパニックに対し、アメリカ社会はちゃんと向き合っていると言う姿勢を示すためにオバマ大統領を選ぶ必要があったのだ。
つまり、アメリカの政治は、WASPに依然握られていて、黒人やヒスパニック、アジア系の人々は単に搾取の対象として見られているのだ。だからこそ、主にそういった人たちの健康を保障することになる国民皆保険制度が受け入れられない。実際、国政レベルでの議員の人種構成を見れば、白人が圧倒的に多く、ヒスパニックや黒人の割合は一割に遠く及ばない。
だから、逆から言えば、選挙のときに、ヒスパニックや黒人が自分たちの代表を選ぶのだと言う意識を発揮しやすい制度に変えれば、国民皆保険制度も実現することになる。
つまり、日本と同じように戸籍制度を作るとか、納税者番号制にリンクして選挙の有権者が決まるようなシステムにし、現状の選挙人登録と言うシステムを廃止することだと思う。アメリカの現実の社会構成を政治の場に忠実に反映するようなシステムを作れば、今のアメリカ社会に見られるような富の偏在は是正されるはずだ。オバマ大統領は単に国民皆保険の必要性を叫ぶのではなく、民主党を壊しても現実のアメリカ社会を作っている人々の健康を守ると言う気概を示すべきだ。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK71掲示板
フォローアップ: