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ベーシックインカムの導入を提唱している駒澤大学の飯田泰之准教授(専門=経済政策・マクロ経済学)が
NHKの「日曜討論」において、子供手当てについて言及しています。
「子ども手当は大賛成なんですけれども、子ども手当以上に、最終的にはベーシック・インカム型、
つまり、とくに条件を課さないかたちで全員に基本的な所得を保障していくという方向に持っていかなければならない」
と述べています。
■2009-09-07 [TV][政治][経済]飯田語録―『日曜討論』(前編)
前略。
・「子ども手当」どう評価?
子ども手当は大賛成なんですけれども、子ども手当以上に、最終的にはベーシック・インカム型、
つまり、とくに条件を課さないかたちで全員に基本的な所得を保障していくという方向に持っていかなければならないと思うんです。
ただ、海外メディアなどが非常に大きく伝えるように、民主党も自民党も、成長に対する戦略というのを決定的に欠いている。
自民党はさかんに、民主党には成長戦略がないと選挙期間中に批判していましたが、
これは民主党の政策に対してなかば正しい評価です。
しかしその一方、民主党は非常にもったいないことをしてるんですけれども、
民主党が考えている各種の再分配政策は、ちょっとだけ工夫すると、じつは成長政策としても十分使える。
そこに気づかないで再分配を言っているところに、民主党政権の政策的な意味での危うさを感じます。
・(子ども手当が景気の足腰を鍛えうるという意見について)
まず、家計部門というのは、やはり短期的には赤字なわけです。
で、財政政策が景気に対していちばん影響を与えるのは、お金がなくて、それでも使わざるをえないという人に渡すのがベストなんですね。
その意味で、短期的な需要対策として子ども手当というのはいいと思います。
もうひとつ、日本の産業構造というのは知識社会といいますか、知識労働型にどんどんシフトしているので、
人間の頭数がいればいいというものじゃないんですね。
人的資本を積んでいくために教育によりお金をかけていく、また、そのためのお金をサポートしていくという体制が、
これはもう超ロングランの話ですけれども、日本経済の足腰を鍛えていけるんじゃないかと。
その意味でも子育て支援には非常に賛成しています。
以下、略。
http://d.hatena.ne.jp/JD-1976/20090907/p1
飯田氏は、以下の著書において、ベーシックインカムの導入を提唱しています。
以下、書評。
■脱貧困の経済学―日本はまだ変えられる [著]飯田泰之、雨宮処凛
■貧困を解消する処方箋(せん)を説く
著者の一人、飯田泰之は、一般向けに経済問題をわかりやすく語ることにかけては第一人者ともいえる新進気鋭のエコノミストである。
そして、雨宮処凛は、これまで非正規雇用者や失業者など、不安定な状況にある人々「プレカリアート」の支援にかかわり、
反貧困運動のシンボル的存在として知られる。
本書は、現代日本の中心的な論点ともいえる「貧困」問題について、二人の論客が忌憚(きたん)なく意見を出し合った一冊であり、
日本の社会保障政策に関する時宜を得た処方箋といってもよい。
「働いても働いても食べられない! 大貧困社会はどこからきたのか?」
「『経済成長はもういらない』でほんとうにいいのか?」といった疑問に、本書はきわめて明快な回答を用意する。
二人は正確なデータと確かな取材に基づいて、冷静に現状を分析するとともに、進むべき政策の方向を濃密な対話を通じて示す。
そして、すべての人にセーフティーネットとしての給付金を保証するベイシック・インカム制度と、最低賃金値上げなどの有効性を検証し、
「経済成長の追求」と「低所得者への再配分」が両立できることを説くのである。
http://book.asahi.com/booktimes/TKY200909010280.html
■2009-08-28 選挙も近いので、『脱貧困の経済学』(雨宮処凛・飯田泰之 自由国民社)を読んでみる
刊行されたばかりの『脱貧困の経済学』(飯田泰之×雨宮処凛 自由国民社)は、
今回の選挙での私的最大の争点である、「格差」・「貧困問題」を考える上で、ユニークな視点を提供してくれる。
本書は、雨宮処凛さんと経済学者の飯田泰之さんの対談集。
飯田さんという人は、1975年東京生まれの若手経済学者で、
写真を見るとタレントのようなルックスとファッションで、外見上はとても学者とは思えない。
それにしても、雨宮さんのような反貧困系活動家と彼のような若手経済学者がタッグを組むことは、素晴らしいことだと思う。
反貧困運動の理論的根拠が豊富化され、「自己責任論」や「財源論」といった、
保守系政治家やメディアによって、世間一般に垂れ流される悪意ある批判に対し、説得力ある反論を加えることが出来るだろう。
で、この「格差」・「貧困問題」の原因について、飯田さんという人は、非常に明快でシンプルな答えを持っている。
一つは、格差や貧困をどんどん広げるような税の取り方をしているということ。
つまり、金持ちには減税を、そして貧しい人には増税という、逆進的な税のかけ方である。
税の再分配以前は割と平等なのに、再分配以降は世界でもトップクラスの不平等社会になっているというのだ。
日本の不平等というのは、市場原理主義の暴走というより、完全な政策ミスであると。
自民党政権が、せめて無為無策の政権であれば、こんなことにはならなかったということだ。
無能な政府が筋違いの方向で努力を重ねることは、なんと恐ろしいことか!
99年以来毎年のように進めてきた富裕層に対する減税のせいで、財政逼迫が起こっているにも拘わらず、
なにかというと財源論をふりかざす、あるいは消費税増税をちらつかせる。
「盗っ人猛々しい」とはこのことではあるまいか。
このいびつな再分配を是正するだけで、ほとんどの問題は解決するのではないかと、飯田さんは主張する。
日本と予算規模がほぼ同じイギリスと同じ対策をやれば、日本は北欧に次ぐ世界トップクラスの平等社会になる、とまで言い切る。
元祖「筋違い努力派」の源流、小泉構造改革などは、モデルとしては、70年代のアメリカで生まれたもので、
その時、アメリカが直面していた問題は、生産能力の低さだったという。
生産効率をよくしていかないと、インフレだけが起こっていくという状況にあったわけだ。
つまり、需要に供給が追いついていないという状況。
ところが、何をとち狂ったか、「みんながものを買わないからデフレで困っている」という、
90年代日本の個別状況にこれを当てはめてしまった。
ものはあふれているのに誰も買わないという状況の下で、さらに、供給サイドの効率化を促進しようとした。
つまり、客観的にはデフレ推進策を国を挙げて遂行したのが、小泉構造改革に他ならないわけだ。
派遣切りが横行したり、労働者の賃金が下がるのは当然の帰結で、さらに内需は冷え切っていくという、悪循環に拍車をかけたのである。
もう一つ、飯田さんは、経済成長を重視していて、経済成長がないかぎり、失業や貧困の問題は解決しないという。
この部分だけだと、経済学者なら誰でも言いそうなことだ。
しかし、面白いのは、なぜ成長が必要なのかという理由である。
人間というのは、放っておいても毎年2%ずつくらい賢くなるというのだ。
ということは、工場などでも、毎年2%ずつ効率がよくなって生産性が上がっていく。
それに対して、経済成長が1%くらいだと、その差である1%分だけ労働力が過剰になる。
90年代以降、今回の金融危機が起こるまでは、日本以外どこの国も大体2〜3%の成長を確保し、安定成長していたという。
だから、2%という数字は、目標にしてもいい数値ではないかというのである。
成長が足りないから、労働力の売り手は自らを安売りするしかない、
しかし、成長が実現すると、売り手市場になり、労働条件は格段に良くなるというわけだ。
そのために、飯田さんは、お金をもっとたくさん刷って個人にばら撒けという。
自民党の場合、景気対策というと、企業や団体を通したばら捲きで、個人に直接給付するという発想は全くない。
しかし、財政政策を効かせる最大のポイントは、いかに「使う人」に回すかだという。
なのに、なぜか、必ず団体や企業を迂回させる。
今回の選挙でも、自民党は、民主党の子育て支援を「ばら捲き」などと非難しているが、
「使う人」に効率的にお金を回すという意味では、これ以上効率的なことはない。
公明正大でダイレクトな「ばら捲き」という手法こそ、今求められているもので、
自民党のような、企業や団体を通すという古いモデルの景気対策では、もはやなんのインパクトもないということだ。
そういう意味で、公明党が提唱した定額給付という手法は、ある意味、いい線を行っていた。
ところが、問題はその規模で、最低でもあの10倍、もしくは所得による受給制限を設けて20倍だったら、かなり効いたという。
マスコミの報道でも「ばら捲き」という、言葉のネガティブなイメージに乗っかった形で、
民主党の政策を批判する傾向があるが、これは実に表層的な批判で、愚民化キャンペーンとも呼べるものだろう。
http://gatemouth8.blog87.fc2.com/blog-entry-22.html
■2009年08月21日 一票はこれを一読してから - 書評 - 脱貧困の経済学
前略。
脱貧困の経済学 飯田泰之 / 雨宮処凛
これ、この一年で出た経済学の一般本としては最もいい出来の一冊。
しかも、総選挙前というすばらしいタイミングで上梓される。
投票権のある人は、老若男女を問わずこれを読んでからどの党/候補者に入れるかを決めて欲しい。
本書「脱貧困の経済学」は、今やワーキングプアのスポークスパーソン筆頭ともなった雨宮処凛と、
「ロスジェネ世代エコノミスト」のホープ、飯田泰之の対談を、きちんと一冊の本にしたもの。
目次
序章 雨宮処凛から飯田泰之への質問
「カネより人命を優先する社会を取り戻すために、経済学には何ができるのですか?」
第1章 働いても働いても食べられない! 大貧困社会はどこからきたのか?
第2章 ほんとうの敵は「世間の常識」?
第3章 「経済成長はもういらない」でほんとうにいいのか?
第4章 生きさせろ! 食べさせろ! 「なんちゃってベーシック・インカム」を要求する!
終章 飯田泰之から雨宮処凛への返答
「経済学はプレカリアートを救うための、いちばん安くて便利なツールです」
本書は、対談というより、雨宮が出した無理難題を、飯田が解いていくという形式になっている。
まずこれがよい。実のところ飯田の答えは「経済成長って何で必要なんだろう?」と変わるところはないのだが、
本書は二つの点で同書より優れている。
一つは、誰に対して話しているか。
前著において飯田はシノドスという、「話のわかる」相手に対していたのに対し、
今回の相手は、学者が最も苦手とするタイプである雨宮が相手だ。
どれほど「わからずや」かは、雨宮の質問を見れば経済学者でなくとも「経済通」であればわかるだろう。
1.最低賃金は時給2000円にしろ!
2.派遣切りをする前に、内部留保を取り崩すか、経営陣が減給しろ!
3.派遣の使い捨てをやめろ!
4.低収入・無収入者に住宅援助をしろ!
5.生活保護の「水際作戦」をやめろ!
6.結婚・子育てしたい人ができる社会に!
7.ベーシック・インカムを月15万円よこせ!
8.全員分の仕事ってほんとうにあるのか?
飯田の答えは、ぜひ本書で。
「払う方」にしてみれば「んな無茶な」というものばかりであるが、
対話というのはこれくらいの極論からはじめた方が実りあるものにある。
こういうのも何だが、私が雨宮の立場だったらもっと極論を持ってきただろう。
しかし私がそれを言ってもワーキングプアを代表することにならないし(一応元ワーキングプアなのだけどね、それも雨宮より)、
こういったものは「何を言ったか」だけではなく「どこに立っているか」も問われるので、
これらは現時点で引き出せる、「もっとも中庸な極論」だと感じた。
もう一ついいのは、本書の編集。本書は単なる対談録ではなく、その対談の背景となるデータがふんだんに登場する。
これほど表とグラフの多い対談本は稀だ。さすが「現代用語の基礎知識」の出版社である。
飯田は「ダメな議論」という本も出している。
この本の率直な感想は、「だから著者はダメなのだ」というものであった。
404 Blog Not Found:書評 - ダメな議論より
「我々のほとんどは経済学者ではない。同学の学者どおしが議論を戦わすのは大変結構なことだ。
しかし、我々のほとんどは、学者のみなさんの議論を吟味するだけの時間も余裕もないのだ。
どんなにダメな結論でも、終わらない議論に勝ると思うのが、全知でもましてや全能でもない我々の本音なのではないか。」
ダメな議論を避けて会話をダメにする。
それが著者に限らず多くの学者の欠点なのだが、著作を重ねるごとに、著者はこの点がよくなっている。
「これだから学者はダメなのだ」と、学者による一般書に幻滅した方も、本書であれば飲めるのではないか。
もう一つ重要なのは、著者の「経済方針」のプライオリティが変化したことだ。
いや、著者としてはかつてから首尾一貫していたつもりなのだろうが、
「経済成長マンセー」が一人歩きしていたことは否めないし、そう「誤解」されても仕方がないものいいを著者は繰り返してきた。
しかし、本書でははっきりとこうなっている。
「2009-08-16 - こら!たまには研究しろ!!
とにかく『再分配・安定化・経済成長』……この3つの歯車を一刻も早くかみ合わせないと心底やばい.
本書は実現可能で資本主義の良さを損なわない再分配の話が中心になっています.次は安定化だ!」
経済成長は、目的ではなく手段。
それをはっきり示した点を、私としては最も高く評価する。以下、略。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51274525.html
関連:
■子供手当ての所得制限反対。ベーシックインカム賛成派の経済評論家・山崎元氏も反対の立場/所得制限より富裕層への増税を
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/615.html
■子ども手当所得制限は困る 「牧村しのぶのブログ」
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/670.html
■「直接補助」政策を掲げる民主党政権の“踏み絵”〜業界団体を破壊するのか、取り込むのか/直接補助政策の本質を理解しているか
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/468.html
■【自民腐敗政治“負の置き土産”】政府が直接雇用するぐらいの覚悟が必要 本当の失業率は、何と20%近い!(政府の直接雇用より、BI)
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/270.html
■反貧困ネットワークが声明 「貧困問題は次期政権最大の課題」「生活破壊の流れを転換し、人々の生活を再建せよ」
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/591.html
■新政権に贈るイベントのお知らせ(湯浅誠)【レイバーネット】
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/250.html
■【民主党政権で世の中こうなる】「宙に浮いた年金問題」は新政権が2年間で解決!/自民党の無責任ぶりは、酷いものだった
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/146.html
■【民主党政権で世の中こうなる】保険の一元化で医師不足、病院不足は解消に向かう 医療現場の再生
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/110.html
■民主党の子ども手当とベーシックインカム(山崎元ブログ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/237.html
■富の再分配を縮小=貧困化と格差の拡大によって経済と社会をズタズタにし、国民生活を破壊した自民党・公明党政権は退場を
http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/423.html
■貧困拡大を政府が進める唯一の先進国・日本/貧困層をより貧しくする歪んだ所得再配分政策を取り続けた自民党・公明党政権
http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/667.html
■基本所得が保障される社会 「ベーシック・インカムー基本所得のある社会へー」(G・W・ヴェルナー)+新党日本マニフェスト
http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/242.html
■社民党・福島党首“雇用対策に全力” 雇用の確保と安定、セーフティーネットの強化が重要
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/1005.html
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