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『鳩山内閣誕生後の日本はどうなる?』【森田レポート】(ケンミレ株式情報)
今日の視点はこう読む!
鳩山新内閣はとても期待が持てそうです
昨日は鳩山新内閣の就任会見がありました。各大臣の発言について森田が特に圧巻だと思ったのは5人の大臣の発言ですが、それぞれの発言内容について森田流の評価をレポートします。
日本人として鳩山内閣の誕生をどう考えるのかといいますと、成功すれば『世界でも特筆される優秀な政治国家になる』と思います。
昨日の大臣の就任会見について
まず、一番駄目だったのは司会進行役です。彼こそ官僚的な考え方の人で、何故、彼を司会進行役にしたのか理解に苦しみます。
彼の発言は『早く、時間内に終わらせよう』という意識しかありませんでした。
せっかく、役人を排除して、政治家主導の会見にしたのに、彼は会見の『意味を全く理解せず、ただ終わらせること』だけを考えていました。つまり、心が全くなかったのですが、この全く心のない司会進行役に対して『どの大臣も間違っている』という指摘をしなかったことは、鳩山内閣の行く末を暗示しているのではないかと思います。
何故、彼は時間内に終わらせるという意識しか持てず、この機会に朝まで掛かっても各大臣が何を考えているかを表明させ、国民の理解を得ようとしなかったのか?
鳩山内閣の最初の大仕事であり、『国民の理解なしには成功することは難しい革命』であるのに、どうして『国民を味方にできる絶好の機会』を利用しなかったのか、この辺が鳩山内閣の覚悟のレベルの低さではないかと思いました。
私ならば、直ぐに司会進行役に注意して、徹底的に『国民に鳩山内閣が何をするか』 『この先、どんな問題が起こるか』『その時、マスコミはどういうが、国民の皆様にはどう思って欲しい』とか、これから起こる問題に対して、出来るだけ国民の支持を持続させる戦術を取っていると思いました。
大臣の会見について
17人の大臣が意思を表明したのですが、13人目までと『14人目、15人目、16人目』では全く温度差があり、最後の17人目で再び熱い会見に戻りました。
前原国土交通大臣、北沢防衛大臣、中井国家公安委員長の三人は、所轄官庁に対する知識が低いのか、それともその大臣に不満を持っているのかは分かりませんでしたが、持論がなく主張が全く感じられませんでした。
しかし、それ以外の13人の大臣は『どうしたい』という明快な意識を持って会見に望んでおり、また官僚が作ったシナリオではなく、自分のシナリオで話していましたので、これまでの大臣会見とは違って『大臣個人』を感じることが出来ました。
大臣会見の内容
これは『見事』の一言です。これほど、私利私欲がなく『正しい政治家としての道を歩く』という表明をし続けた大臣会見は見たことがありませんでした。しかも、そのほとんどが『国民目線』に立った発言であり、自民党のように特定の人の利益を全体にした発言ではありませんでした。
以前の大臣会見は、その省庁の利益を代弁するのが大臣の仕事という発言でしたが、今回は省庁の利益の代弁者ではなく、省庁を改革するという立場で、省庁と正反対の立場での発言が続きました。
前原大臣だけが『以前の自民党と同じような発言』をしていました。つまり、国土交通省は『社会資本整備をする官庁だ』という発言で始まったのですが、これはまるで官僚が作った文章を読んでいるようでしたし、国土交通省を変えるという意気込みは全く感じられませんでした。
圧巻の大臣会見
(1)亀井大臣、(2)仙石大臣、(3)藤井大臣、(4)長妻大臣、(5)赤松大臣の各大臣の発言は圧巻の一言でした。
(1)亀井大臣
弱者である中小零細法人と商店、個人に対する借金を3年間凍結すると発言しました。一握りの大企業が儲かった時、その利益を享受したのは経営者や株主など一部の人だけで、日本経済全体は低迷し続けました。
大企業で働く人と中小零細企業で働く人の数を考えれば、個人消費を活発にするには中小零細企業で働く人にお金が入らなければならないのは誰が考えても当然です。
しかし、自民党は私利私欲中心に大企業優先の経済政策を取ってきました。
しかし、鳩山政権は一部の大企業関係者ではなく大多数の国民のために税金を使うと言っています。
そのため、公共事業を一部凍結しますので、目先的には日本経済は鈍化することになります。しかし、小泉元総理の時と違って、革命によって流した血を大多数の国民が『その後に得られる』ならば、血を流す選択も有りではないかと思います。
(2)仙石大臣
仙石大臣の発言の中で、最初に『あっ』と思ったことは、公文書の管理を鳩山総理から指示されたという発言でした。民主党は野党の時に『官僚の行動をチェックしよう』としても、官僚が資料を出さなかったことでなかなか真相解明が出来なかったと言っていました。
この官僚の『自分を守るために、自分に都合の悪いことは、平気で隠す』という姿勢が、自民党政権では通っていたのですが、鳩山政権では『官僚の行動はすべて公表しよう』という姿勢が、この公文書管理という一言の中にあるのではないかと思います。
先月のレポートで、自分の仕事だけに集中できる官僚と、色々な仕事がある政治家が同じ立ち位置で戦えば、知識が豊富な官僚には勝てない。しかし、官僚の行動を好評し、大学の先生やオンブズマンなどの専門な研究する人達に官僚の行動を公表し、専門家の分析を元に官僚と戦えば、十分官僚に勝てると言いましたが、この公文書管理は『その方向に鳩山政権が進む』ことの暗示ではないかと思っております。
これは政治の主導権を官僚から政治家に移すために『キー』になると思います。
(3)藤井大臣
事務次官がその官庁を代表して記者会見をするのは間違いである。官僚とは『優秀な処理者であり、政治的な問題には関与してはいけない』と、昔自分が官僚になった時に先輩に言われたと言っていました。
これが官僚の本質であり、行政と立法を分けて三権分立をした趣旨であり、この趣旨通りに戻さなければならないという発言は、当たり前過ぎて誰も言いませんでしたが、このことを言い続けることが官僚から政治家に政治の中心を移すためには必要だと思います。
つまり、財務省の大臣が『財務省は予算を作る部署ではなく、政治家が作った予算に基づいて配分の処理をする部署だ』と言ったことは、革命(過去の全否定)であり、素晴らしいことだと思います。もちろん、政治家が役人を使うのは当然ですから、役人を排除するのではなく、手足に使うという考え方は前提になっていると思います。
この接触で政治家が役人に負けない方法が『ディスクロージャー=役人の行動内容の公開』だと思います。
(4)長妻大臣
日本の景気が良くならないのは1500兆円の個人金融資産が使われないからです。そして、1500兆円の個人金融資産が使われない最大の理由は『老後の生活不安』です。ほとんどの日本人は『死んだ時』にお金を残しています。それは『いつ、死ぬか分からないので、生き続けた時のリスクに備えてお金を使わない』からです。
そこに、年金が将来、貰えないかもしれない、貰う年金では正常な老後の生活を維持できないという問題が加わったわけですから、個人の財布の紐はますます堅くなり、個人消費は低迷したままになっています。
これが内需中心の経済成長が不可能な最大の理由だと私は思っています。
長妻大臣は『2年で年金の後始末を行う』と言っています。また新しい年金制度を作るとも言っています。
長妻大臣と官僚の戦いではなく、新しい老後の生活設計を、どれだけ早く長妻大臣が表明出来るかが日本経済に直結していますので、彼の今後の行動は、日本人としても、投資家としても、最重要チェック項目になると思います。
(5)赤松大臣
久し振りに赤松さんが表舞台に戻ってきました。昔の社会党のエースだった人ですが、彼は会見で『減反政策で出来上がった遊休地の活用』を表明しました。
21世紀の課題はエネルギー問題と食料問題で、その食料問題では遊休地を活用すべきと言われていたのですが、舛添厚生労働大臣は『長いものには巻かれろ』で、この問題の判断では減反政策の継続という選択をしました。
この時、この人も権威主義になってしまったのか、とガッカリしたものでしたが、今回の赤松大臣は『この問題を真正面から取り上げました』ので、今後に期待したいと思いました。
以上が、鳩山政権誕生で私が感じたことですが、誰もがやって欲しいということがほぼ網羅されたと言えます。ただし、『言うは易く、行うは難し』の問題ばかりであり、実際に鳩山政権が動きだした途端に『批判の嵐』が巻き起こると思います。
それは自分の利益のためにだけ動く人間達のあがきですが、このあがきに対して、国民がどう対応するかで、鳩山政権の革命が成功するか、失敗するかが決まるのではないかと思います。
明日は『鳩山政権の株式市場に与える影響』についてレポートしたいと思います。
レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/report/point/2009/20090917.html
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