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2009-09-16 16:45:00 | IISIAが読み解くマーケットと国内外情勢
16日、初の民主党政権として鳩山由紀夫内閣が発足した。去る8月30日に行われた怒涛の衆議院総選挙より2週間余り。組閣人事を巡って様々な憶測が流されてきたが、ようやくこれで一段落し、民主党にとってはいよいよ本領発揮ということになる。
もっともこれで“一段落”というわけには行かないのが霞が関の中央官庁だ。特に全く不透明なのが鳴り物入りで設置が決まった「国家戦略局」。「どれだけのレヴェル・人数で国家戦略局へ省内から人を送り込めるかが今後、組織として生き残るための死活問題」(外務省関係者)と霞が関側は情報収集に躍起だが、これがどのような体制となり、そこに中央官庁が“骨抜き要員”を果たして何人送り込めるかは全く不透明な状況にある。
これに加え、総理官邸を支えるスタッフについても“流動化現象”が囁かれている。小泉政権時代に若干手心が加えられた他は特定の省庁が「内閣総理大臣付事務取扱秘書官」の座を事実上占めてきた経緯があるが、この点についても民主党サイドは“政治主導”を掲げてメスを入れる見込みだ。霞が関側は多少なりとも鳩山由紀夫首相と人的関係を持ってきた人物を送り込もうと身構えてきたものの、早くも肩すかしをくらい、当惑を隠せない。
こうした“混乱”が見られる背景には民主党事務局スタッフが念願の政権奪取で、「いよいよ仕事が出来る」と躍起となっているという事情がある。たとえば外交分野では同党事務局には2名ほど中堅職員がおり、6000名の規模を誇る外務省全体を相手に既にフル回転しているという情報がある。とはいえ多勢に無勢であることは明らかで「政治主導というが、果たしてどこまで自分自身の政策ペーパーを民主党自身が筆を舐めて書いていけるかは大いに疑問。まずはお手並み拝見」(外務省関係者)との声すら聞こえる。
もっとも国内におけるこういったお決まりの騒動ばかりに目を奪われているならば、我が国ニッポンの行く末を巡り見え始めている “潮目”を見失うことになるだろう。なぜなら、鳩山由紀夫政権の成立は諸外国も大いなる関心をもってフォローしてきているからだ。
特に露骨なのがロシア勢。鳩山由紀夫政権の成立を控え、すでに「これで日本もロシア寄りへと大きく舵を切ることになる」と連呼してはばからない。ロシアはブッシュ前政権以来、米国が画策してきた東欧地域におけるミサイル防衛システム(BMD)配備を強く牽制してきている。ここの来てその動きはさらにヒートアップしており、この9月に入ってチェッコの防諜当局(BIS)が同国の大手広告代理店(The Big Board社)による反BMDキャンペーンがロシアの資金提供によるものであったと警告を発したほどである。これほどまでにあからさまな対外世論工作を行うロシア勢が国境の“西側”のみならず“東側”、すなわち日本についても同様の工作を強化する可能性は十分ある。現在、金融メルトダウンの激化に伴う原油需要の大幅な減少で外貨準備の激減に悩むロシア勢ではあるが、だからこそあからさまな対日工作とそれに伴う日本の政治、そしてマーケットへの浸透をはかる動きに注目しておくべきだろう。
同じくチェックしておくべきなのが北朝鮮の動きだ。これまでのところ北朝鮮は自民党の惨敗ぶりについて“酷評”する一方で、民主党の動きについては“まずは様子を見る”といったコメントに終始している。現在、外務事務次官を務める藪中三十二氏は「霞が関で知らぬ者はいないほどの“変わり身”の早さ」(外務省関係者)で政権発足直前より民主党本部へ日参していたという情報がある。藪中三十二外務次官にとってアジア大洋州局長の“前任”にあたるのが田中均氏(元・外務審議官、現・財団法人日本国際交流センター・シニアフェロー)だ。「日朝関係は結局のところ、田中・藪中時代から全く動いていない」(米民主党関係者)とかねてから言われているのがこの二人組だが、そうだからこそ今後、鳩山民主党政権が情報公開請求の嵐を通じて格好のターゲットにする可能性がある。特に小泉訪朝(2003年)に至る経緯の当事者である田中均氏については「鳩山政権の“ど真ん中”に入ることしかこれからの荒波を乗り越える手段は無いのではないか」(外務省関係者)との声すら霞が関からは聞こえてくる。去る8月頭のクリントン元大統領による訪朝以後、「想定内」とはいえ、早速の二国間対話を米国との間で画策する北朝鮮側としては、対話を拒む米国に対する“当てつけ”として日本に擦り寄った2003年から2004年までの間に日本側の立役者であったこれら両名の処遇が気になるところであろう。
政権発足前より論壇誌への寄稿文が翻訳の上、米有力紙(WEB版)に掲載され、その“反米主義”ぶりが早くも物議を呼んできた鳩山由紀夫首相だが、それ以外にも対外政策の面で“見えざる焦点”が多数あることは否めない。霞が関に向こうを張るのは結構であるものの、それ以上に天下国家の視点を失わず、今正に動き始めた世界の“潮目”を巧みに乗りこなせるかどうか、その動向から引き続き眼が離せない。
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