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CyberX Blog: 「高速道路無料化」はアリだ!!
民主党は高速道路無料化を首都高、阪神高速を除いて2012年度までに段階的に完全実施すると表明している。これについて賛否があるようなので、マガジンXの立場を明らかにしておきたい。
基本的に賛成である。で、論議のポイントをまとめると以下のことに集約されるだろう。
@「受益者負担」の原則に反し不公平ではないか。
A渋滞が増えて「高速」の価値がなくなる。通行量が増えてCO2も増える。
B道路の維持管理費用の捻出と、6事業会社の扱い。
C31兆円の借金返済をどうするのか。
http://www.dpj.or.jp/
http://www.jimin.jp/index.html
http://www.mag-x.com/blog/200907.jpg
(画像)※上記画像と同一
@「受益者負担」の原則に反し不公平ではないか。
おおまかに国民全人口1億2800万人のうち20歳以上は1億500万人(平成21年7月現在)そのうち、76%にあたるざっくり8000万人の免許保有者、8000万台のクルマがある。クルマを持っていなくても、人の往来や物流で、クルマのメリットを享受していない人はいない。また、現状でも一般道路の整備と維持管理は税金でまかなわれている。一部直轄道路の無料高速道路もすでに存在している。道路財源が一般財源化されたいま、「実際に道路を走る人」だけが「受益者」という論理はあたらない。嫌みな言い方だが、自分で運転しない人が「地方に高速道路を延伸せよ」というのは、とにもかくにも色々な利便性が向上するという理屈の上に主張していることである。道路は高速道路も一般道路も国の財産(インフラ)だという意識が国民にあるという前提が存在しているのだから「無料化」は受益者負担と矛盾しないと考える。
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/tsuki/index.htm
http://www.mag-x.com/blog/un.jpg
http://www.mag-x.com/blog/ji.jpg
(画像)
統計数字は総務省、警察庁、自検協発表のものを掲載。
A渋滞が増えて「高速」の価値がなくなる。通行量が増えてCO2も増える。
期間限定、土休日限定の弊害が今起きている、それが通行量増加にともなう渋滞増だろう。ただし、恒久的に無料化され、料金所が廃止され、一般道との出入り口が増えることで、他の高速道路無料の国々同様、通行量は分散化すると思われる。
現にそこに高速道路があるのだ。コストの問題から高速を使わず、一般道を使っていた人が高速に乗れば、一般道の混雑解消にも役立つ。また、交差点のない高速道路の利用は「ゴー&ストップ」が減り、信号待ちなどクルマ停車時のCO2排出削減も期待できる。
懸念されるのは、台あたり走行距離が伸びたり、物流の主役が依然トラックのままで、一般的に単位当りCO2排出量がすくないと言われる電車や船のシェアが損なわれることだろうか。
この点については、現状でも日本のように国土が狭く、トラックのような小ロット輸送が主の物流形態は、政府の後押しがあってもなかなか変化しない点から、無料化が決定的な要素とはなりにくいと考える。もちろん鉄道インフラも技術革新を怠らず、世界に向けて日本の鉄道技術をアピールしていくべきだ。
世界レベルで、新興国を中心に爆発的にクルマが増えつつある現状を考えれば、国内についても海外に対しても、日本が先鞭を切って、技術革新により、クルマのCO2排出削減に取り組むべきだと思う。台あたり走行距離の増加はあり得ると思うが、その結果、人の行き来が増えること自体は、社会にとつて良いことである。
まあ、それでも多くのドライバーは、ショッピングや子どもの送り迎えなど、自宅近くの走行が主で、高速道路を日常的に利用して遠出をしたりしないし、「サンデードライバー」に至っては、高速道路が無料になっても、ウイークデーにクルマを走らせることは出来ないから、おいそれと走行距離は伸びないけどね。
B道路の維持管理費用の捻出と、6事業会社の扱い。
まず無料化により、料金徴収にかかるコストは基本的にゼロになる。良く壊れると、ドライバーから不評のETCの保守費用もいらなくなるよね。ETC車載器からピンハネしている天下り団体ORSEも不要になる。ETC割引の不公平も当然、解消される。
道路の維持管理について、道路会社の保守担当者は「高速道路は一般道路に比べて高速でクルマが走る分、維持費が余分にかかる」と主張しているようだが、高規格道路として、高い品質を求めすぎてきた反省の上に立って、より安価に安全と快適性を維持できるよう工夫すべきだ。道路を痛めるのは重いクルマだが、この点で一般道路との極端な違いを立証できるデータを筆者は見たことがない。
ただし、競争原理がなくなるような保守と維持に戻ってしまっては、道路公団時代と変わらない。維持管理に競争原理を持ち込めるような仕組みを前提に税金を投入することになる。今の地域別会社のあり方が良いかどうかもも含めて、維持管理の専門会社間で、実のある一般競争入札を導入すれば良い。言っておくが、暫定税率が廃止されても依然多額のクルマ関連税をドライバー、物流業者は負担し続ける。道路のむやみな新設を考えなければ、現状でも道路財源で維持管理は可能だ。道路新設費を払って、なお余っているから一般財源化したことを忘れてはならない。
C31兆円の借金返済をどうするのか。
無料化により、道路会社の規模を縮小した結果、余った人間の雇用をどう守るのかについての、人手不足が深刻な福祉、介護、農業などの分野を中心に受け皿作りは別途考える必要がある。これをしないと彼らの反発は強いからね、
さて、問題は今回10年分の通行料金値引きと2年間の土休日1000円、ETCを前提とした「スマート・インターチェンジ400カ所増設」により、3兆円も道路特定財源から引き当ててもらった結果、見た目の債務は31兆円に圧縮された過去の借金。これを引き継いで4年経過した「日本高速道路保有・債務返済機構」も無料化が実現すれば必要なくなる。
ムダな人件費と独法の維持費も無くなるのはおおいに結構なことだ。昨日も日本高速道路保有・債務返済機構の仕事ぶりをチェックする分科会の杉山雅洋会長と話した。
「これまでの仕事ぶりは評価している」(杉山会長)との説明だが、一方で「今後の情勢によっては機構も変化しなければならないだろう」(同)と、柔軟な対応が必要になるだろうことを示唆する発言もあった。
民主党が言う31兆円を数十年かけて返すという財源の根拠はまだよくわからないが、一般的には道路財源のうち、年間にかかる維持管理費用を差し引いた残りをまずは、過去の道路の借金返済にあてるのが順当ではないか。
で、「ゼロベースで考える」と言っている以上、これから作る一般道路、有料道路、いや失礼、無料の高速道路をどう作るか議論すべきだろう。
国の財源不足が深刻なのは、誰でも知っている。借金が900兆円という途方もない数字に膨らんでいることも国民周知の事実だ。これを長年放置してきた自民党と官僚がいくら「今度こそちゃんとやる」と言っても、彼らに任せたくないというのが、国民大方の思いだろう。麻生首相の言う「政策で判断してほしい」は本音だろうが、少なくともその政策の執行は自民党にやって欲しくない。
「政権交代の選挙」を唱う民主党も自民党と各論は大差ない。少子化対策、福祉、教育、景気対策おおいに頑張ってもらいたい。ただ基本的に行き過ぎた自由競争による反動に配慮して、お金(予算規模)は大きくなる。だが、地方分権促進も含めて、政府の人の規模はぜひ小さくお願いしたい。国政は本来、国政でしかできない外交、防衛、財務・金融などに限るべきだからだ。
で、表現の違いはあるけれど、増税は「消費税」、減税や補助金は「ムダの排除」で捻出することになる。
低所得者への配慮が前提だが、お金を集める方法として、お金を使った人、使える人がよりたくさんの税金を支払う消費税は、税の公平性の面で理にかなっている。天下り、独法、公益法人など人の関与を極力減らすことで、効率が上がりムダが減る。民間会社だって、経営が逼迫すれば人を減らすのが経営の常道である。
自己チェック機能が著しく損なわれている公務員(これは地方も同じだが)をたくさん支える余裕は日本にないのだから、ここを減らしてお金を捻出することを最優先にして、もし他に手だてがないのであれば、国民も消費税の増税に理解を示してくれるだろう。
民主党は政権をとったら、次の選挙までの4年間、消費税増税はしないと言っている。ムダの排除を最優先にする彼らにかけてみたい。
(編集長 神領 貢)
http://www.mag-x.com/blog/2009/08/post_835.html
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