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2009年9月 8日 (火)
植草一秀さんの獄中発信新記事!!『総選挙の隠された最大の争点』
昨日の7日(月)、植草一秀さんの新記事が彼のブログにアップされていた。管理人もすぐには気づかなかったが、この記事は植草さんが8月3日に収監されてから、6日後の8月9日に書いた未発表記事である。管理人も収監中に未発表記事が掲載されることは、あまり考えていなかったので、少々びっくりした。正直、既存記事の抄録だと思い込んでいた。一日遅れたが、その新記事を本ブログに転載する。
スリーネーションズリサーチ社がブログ管理を代行をしていること、これからは適宜未掲載記事を出すことが、最後の目立たないところに書かれてあったので、冒頭にその追記部分を記しておく。
(神州の泉 管理人)
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植草一秀不在のため、スリーネーションズリサーチ社がブログ管理を代行をしております。8月4日より8月末日まで諸般の事情により、未掲載記事の掲載ができませんでしたが、今後、適宜、未掲載の記事を掲載させていただきます。なお、記事はオリジナルですが、執筆日、執筆地は非公表とさせていただきますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
2009年9月 7日 (月)
総選挙の隠された最大の争点
総選挙の隠された最大の争点は「企業献金の全面撤廃」にあった。第二の争点は「天下りの全廃」、第三には「消費税大増税の封印」だ。だから「献金・天下り・消費税」が三大争点なのだ。
2007年の自民党の企業献金は168億円と政党交付金166億円を上回っている。資金力で個人を圧倒する企業だからこれだけの巨費を献金できる。しかし企業は営利を追求する存在だから見返りなくこのような献金をしない。
エコカー補助は環境対策と言われているが、実は高排気量・高燃費の高級乗用車に対する補助金額が一番大きい。環境では無く経団連企業に優しい政策なのだ。製造業に派遣労働が認められたのも巨大な企業献金の力が背景にある。
大企業が成長し、その恩恵が労働者や中小企業にも回ってくる時代は大企業の側を向いた政治がもたらす矛盾は大きくなかった。しかしグローバリゼーションの時代、大競争の時代に突入し、大企業の側だけを向いた政治は一般国民の幸福と衝突するようになった。
市場原理にすべて委ねた小泉政権が大資本と一般国民の利害対立を決定的なものにしてしまった。「一億総中流」の日本社会は世界有数の「格差社会」に変質してしまった。
年収300万円に満たない労働者が全体の半数を超えた。年収700万円超の労働者は僅か1割だ。
「政治とカネ」の問題が後を絶たないが、基本的には職務権限を持つ与党議員への企業献金が問題の中核を占める。政治家個人への献金も政党支部を経由する迂回になっていると考えられる。
私は「お金」を目的に政治家業に就いている人を「政治屋」と呼ぶ。自民党議員に「政治屋」が多いと思われる。「政治屋」は経済的に魅力的だから、世襲が増加したのだと思う。
「企業献金」を全面禁止とする政治風土は劇的に変わる。「お金」ではなく、「国民」のために、「良き政治」を目指して「政治家」を志す人が増えるはずだ。政治家に求められる第一の資質は「私」ではなく「公」を優先する「志」である。
3月6日以降、私が企業献金全面禁止提案を示したとき、これが民主党のマニフェストに盛り込まれるとは考えていなかった。それが、3月17日の小沢一郎民主党前代表の画期的発言で正式公約に転じた。
内心で反対の議員が多いと思うが実現すれば政治は確実に変化する。詳述できないが政治に要する費用は国費で賄うべきだ。
「天下り禁止」は自民マニフェストにもあるが実効性がない。この下で消費税大増税は絶対に容認できない。政治献金についての詳細は鬼頭弁護士の論説をご高覧賜りたい。
2009年8月9日執筆
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