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「政治主導」とは国会空白ではないはず(保坂展人のどこどこ日記)
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/777.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 9 月 06 日 20:37:46: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/7467aeb373cb6a88ba956f189e718b37

あちらから、こちらかと「元気か」「大丈夫か」と連絡をいただき、いくつかの活動や仕事の提案をしてくれる人もいる。善戦したとは言っても、国会の議席を失った時にあれこれと気にかけてくれる友人・知人・先輩の厚意に月並みな言葉だが励まされる。さて、明日からは「連立政権協議」の大詰めの週が始まる。もう一度、政治主導(官邸主導)について考えてみたい。

 国家戦略局について、今日の読売新聞では次のように書かれている。国家戦略局はまず準備室として国会議員の中堅5人と民主党職員5人の計10名程度でスタートし、準備室が助言を得るための10人程度の有識者会議を設置するとのこと。

(引用開始)

国家戦略局に議員ら10人登用、官僚は連絡役どまり

 民主党は5日、新政権で予算の骨格策定などにあたる首相直属の国家戦略局について、国家戦略相とこれを補佐する国会議員ら約10人による「準備室」としてスタートさせる方針を固めた。

 準備室が助言を得るため、10人程度の専門家による有識者会議も設ける。

 国家戦略局は、同党の衆院選政権公約(マニフェスト)の目玉。鳩山代表は秋の臨時国会か来年の通常国会で、同局を設置するための法案成立を目指す。法改正後は準備室のメンバーを全員、国家戦略局のスタッフとして登用する予定だ。

 民主党は新政権発足直後から、2009年度予算執行の見直しや10年度予算の基本方針の策定にあたる方針だ。国家戦略相に内定した菅代表代行を中心に準備室を設け司令塔とする。

 準備室のスタッフには、中堅国会議員5人と、党で政策立案にかかわってきた職員ら約5人の計10人程度を起用する方針だ。国会議員5人は当面、首相補佐官などの肩書で分野別に戦略相を補佐する。戦略相は党政調会長を兼務し、国会議員5人にも政調会長代理などの役職を兼務させる方向だ。官僚は準備室に登用せず、「連絡役」として各省庁から担当職員を出させる方向で調整している。

 有識者会議には、経済・財政、外交、社会保障などの専門家を集める。

(2009年9月6日03時07分 読売新聞)

 秋の臨時国会で「国家戦略局設置法」を制定してから正式に発足する国家戦略局が新政権の司令塔であり、菅直人代表代行が副総理兼国家戦略局担当大臣に就任するとされている。また菅氏が民主党の政調会長も兼任して「党と官邸の二重構造」を避けて内閣に一元化するとしている。「内閣一元化」となると、国会はどうなるのかと聞いてみたくなる。内閣提出法案に自動スタンプ認証器具のように賛成ばかりしていたら、国会空白になりかねない。

 もともと憲法上「国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関」である。国会は、総選挙を通して、民意を政治に反映させる唯一無二の場である。内閣提出法案に欠点があれば国会でこれを修正し、あるいは否決、または審議未了廃案にすることが出来る。今回の人事で内閣官房長官が「国会対策」を講じるようなことも伝えられているが、巨大化した与党は国会を軽視したりおざなりにしやすい傾向を持っている。安倍総理が未熟だと批判されたのは「5月3日の憲法記念日までに国民投票法案を成立させたい」と口走った点でもあった。私たち「旧野党」は、総理が国会審議日程まで指定するのは越権行為だと厳しい批判を浴びせたものだ。

 巨大な権力は常に批判にさらされながら、謙虚に自制していくのが「議会」のあるべき姿だ。そして、社民党も国民新党も連立協議に参加して、新政権を担うかどうかの判断を迫られている時に、「内閣一元化」だけを強調されると、たとえば次のような疑問も出てくる。地域や課題別の政策で緊急を要する時に与党で「議員立法」をしたいが、内閣一元化が原則なので国家戦略局あるいは関係省庁の閣僚と折衝して内閣提出法案として体裁を整えてもらうことになるのだろうか。議員立法は、野党か野党も含む超党派でしか提出出来ず、与党からは提出されないということになると国会改革に逆行することにならないか。

 なぜなら、民主党が数々の議員立法をつくり、そのほとんどが「数の壁」で審議もされずに放り出されていたにもかかわらず、衆参の法制局と共に作業して立法技術を磨き、政策能力を向上させてきたのは「議員立法」が提出出来たからである。官邸の外にいる民主党の国会議員も、活発に政策にコミットすべきではないだろうか。

 いずれにしても、最初の100日間で試されるのは官邸だけではない。衆議院の巨大与党の姿が、自民・公明時代の巨大与党とどう違うのかも厳しく検証されるという自覚を持つべきだと私は考える。

 

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