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党の「小沢支配」鮮明に=二重権力に現実味−鳩山新政権
民主党の鳩山由紀夫代表が5日、党執行部と国会の人事権を小沢一郎次期幹事長に事実上一任したことで、同党の「小沢支配」が鮮明になった。「鳩山新内閣」の閣僚人事は鳩山氏が主導するが、党や国会運営は小沢氏頼み。小沢氏が自らの息が掛かった側近や実力者で党と国会の枢要ポストを固めれば、首相官邸より党側の力が勝り、「二重権力」となる政権構造がより現実味を帯びてくる。
小沢氏は5日、党本部で鳩山代表との会談を終え、閣僚人事に関する記者団の質問を受けると、「そんなのは私は関係しておりません」と一笑に付した。小沢氏には、閣僚人事に関与しないことを強調することで、二重権力との批判をかわす狙いがあるとみられる。
鳩山氏が党役員や国会の人事権を手放したのは、「実力者の小沢氏以外、巨大与党を仕切れる人はいない」(ベテラン議員)と、全面的に小沢氏に党や国会運営を委ねようとしているからだ。
鳩山氏が内閣の要となる官房長官に、側近の平野博文役員室長を抜てきしたことで、当初、官房長官として有力視されていた菅直人代表代行は党政調会長も兼務する国家戦略局担当相への起用が固まった。菅氏に比べ、平野氏の「軽量さ」は否めず、菅氏周辺は「平野氏が官房長官では、小沢氏がいろいろ官邸に口を出してくるだろう」と不安を隠さない。
閣僚の人事権は鳩山氏が握り、主要閣僚の人選を進めているが、小沢氏に距離を置く非小沢系議員は「今後、意中の人材を党側に取られて、結果的に小沢氏が閣僚人事も左右する可能性がある」と懸念。これについて鳩山氏は記者団に、小沢氏が「閣僚人事を待って(党人事を)決めたい」と語ったことを明かし、懸念の払しょくに努めた。
一方、小沢氏の側近議員らは党の人事権を小沢氏が掌握したことを歓迎。「小沢支配」を批判する党内議員にも「こんなことで騒いだら(ポストに就けず)干上がるぞ」とけん制する。
党の実権を名実ともに小沢氏が握り、あるベテランは「政府は鳩山氏、党は小沢氏という分担がはっきりした。まさに『二重権力』だ」とため息をついた。(2009/09/05-22:11)
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