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[民主主義の危機] 民主党は衆院「小選挙区比例代表並立制」の欠陥(過剰代表)に慢心すべきでない
<注記0>お手数ですが、当記事の画像は下記URLをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090905
<注記1>
当記事は下記の表題★で既にUP済みのものですが、内容の核心を分かりやすくするため改題して再UPするものです。些かの加除修正と、末尾で若干の記事追加があります。
★[民主主義の危機]小・安・麻○ヤ王国が票固めし○暴寄生ゾンビ極右・自民党が出現したポスト8/30日本(1/n)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090903
<注記2>
ヤクザ三王国=小泉・安倍・麻生ヤクザ王国 (暴)=暴力団
【画像/プロローグ】Lara Fabian - Je suis Malade、
[http://www.youtube.com/watch?v=bIIL5p7_WKk:movie]
【画像】ドイツ、バンベルクの風景(Souvenir Ser.2007年4月、撮影)
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(プロローグ)
今回、辛うじて京都5区(小選挙区)を制した自民党の谷垣禎一(2003〜2006/第一〜三次・小泉内閣の財務大臣等を務めた)は、その選挙期間中に“日本を一つの妖怪がはいずりまわっている、政権交代という妖怪が・・・”とマルクス=エンゲルス『共産党宣言』もどきのフレーズを語り続けた(出典:2009.9.2、朝日新聞)。
ここで谷垣禎一は、普段は余り政治的なことを口にしないのに今回に限り“政権交代のフレーズ”を口にする多くの移り気な一般国民たち、言い換えるなら、いわゆるB層を中核とする一般有権者層の存在(サイレント・マジョリティ)を“妖怪”と言いたかったらしい。しかし、実は谷垣が所属する「自民党」自身にこそ恰も“獅子身中の虫”たるオドロオドロした妖怪が巣食っており、既にその意味で「自民党」は“腐れガスが発酵し充満する自滅党”と化していたのだ(参照、下記◆)。
◆「日本核武装論と日本政府」の背後に潜むヤクザ・暴力団(ゴロツキ徒党政治)の伝統、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090816
◆続、「日本核武装論と日本政府」の背後に潜むヤクザ・暴力団(ゴロツキ徒党政治)の伝統、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090819
(“腐敗ガス抜け崩壊自民”の中核に居残る小泉4世・安倍・麻生らの世襲ゾンビ王国)
『8/30・総選挙』の蓋を開けてみると、衆議院は「自民=300議席」→「民主=308議席」という民主党の圧倒的勢力図(=小泉劇場の反転図)に塗り替わっており、それは多くの政治学者やメディアが期待した二大政党制とは程遠い姿であった。そして、自民党が確保した今回生き残りの119人の衆議院議員(小選挙区64人、比例代表選挙55人)の内容を見ると、そこでは中堅や若手の正統保守や改革派が殆ど姿を消し去り、後に残ったのは、いわゆるゾンビ議員(=正統保守の精神を捨てたか見失って形骸化した議員)たちである。
そのゾンビ議員を具体的に見ると、先ず目につくのは、小泉進次郎(初当選、小泉純一郎からの世襲による稲川会系の地盤と地縁に支持された、日本伝統のヤクザ腐敗選挙で生まれた4世)、同じく安倍晋三、麻生太郎らの(暴)が寄生した“極右ゾンビ三羽烏”である。これらゾンビ三羽烏の各“王国”では、時代に逆行する形で、むしろ利益誘導型のドロドロ血液が流れる後援会組織が一層強化され、前回の総選挙より票数が増した傾向すら見られる。
更に、麻生首相好みの言い方に倣えば“惜敗”を免れるか、あるいは比例代表で“辛”うじて復活(辛勝ならぬ辛活?)を果たした議員を含め、いわゆる“一応指導力があると見なすべきかも知れぬ議員?”を列挙するならば、それは森 喜朗、古賀 誠、二階俊博、町村信孝、伊吹文明、額賀福四郎、谷垣禎一、小池百合子、石場 茂、石原伸晃、菅 義偉、塩崎恭久、中川秀直、武部 勤らであろう。
しかも、彼らの特徴は、ゾンビ三羽烏に劣らずいかがわしげな『(暴)寄生型のアナクロ・カルト集団や利益誘導型の後援会組織』を御光背(オーラ)としていたり、ネオリベラリズム・シンパ(小泉純一郎・竹中平蔵・田中直毅らの米国型・新自由主義思想に濃厚感染している者たち)であったりという具合で、彼らは良識ある正統保守の立場を代弁する者たちと見なすことなど到底できそうもない輩であることを、ここで我われはシッカリ記憶に留めるべきだ。
まさに『8/30・総選挙』で崩壊した直後の自民党は、もはや“肝心の黄金(キン)の玉を抜かれたモヌケの殻”の状態であるが、懸念されるのは、それが「小泉・安倍・麻生ら世襲ゾンビ王国」を中核とする、まさに真正の極右『(暴)寄生型ゾンビ党 』に変質したと見なされることだ。そして、この激変をもたらした原因については、いま様々な分析が行われつつあるが、その最も大きな直接原因は、やはりサイレント・マジョリティの心変わりということである。ごく大雑把に捉えるならば、その辺りでは無党派層の半数以上と自民党ファン層の約3割が今回は民主党支持へ動いたという傾向が観察される。
しかしながら、この「民主党の歴史的な圧勝」で日本の民主主義が万々歳ということにはならない。なぜならば、この「大変化」に絡みつつ、見逃すべきでない三つの課題(近未来において日本の民主主義の危機を呼ぶ恐れがある深刻な問題の所在)が、漸くここで明瞭化しつつあると思われるからだ。それは「(1)衆院『小選挙区比例代表並立制』の過剰代表メカニズム(過剰レバレッジ効果)、(2)政治における逆選択現象(Adverse Selection=情報の非対称性)、(3)ヤラセ報道(メディア・イベント/Media Event)の横行」の三つである。
(民主主義の深化のため、今こそ凝視すべき三つの視点/その一)
(1)衆議院「小選挙区比例代表並立制」の過剰代表メカニズム(過剰レバレッジ効果)
1996年から行われてきた選挙制度、つまり移り気な「サイレント・マジョリティ」へ作用しつつ“大きなレバレッジ効果(過剰代表効果)”をもたらす現行の「小選挙区比例代表並立制」の導入を1990年代の初め頃に画策したのは“先ず政権交代ありき”を信念とする小沢一郎であった。
そして、この“大きなレバレッジ効果(過剰代表効果)”を十分計算に入れて2005年の郵政解散・総選挙に踏み切ったのが小泉純一郎である。皮肉にも、その結果は、この「過剰代表効果」の発案者グループの首領格であった小沢一郎自身を苦しめることになったが、今回の8/30総選挙では、小沢が見事にその雪辱を果たした訳である。
一部の政治学者の中には、今回の「麻生自民党の大敗北」の根本原因が、麻生と同じ自民党政治ながらも全く似て非なる「小泉純一郎の自信あふれるブレのなさ、その威勢がよく粋でイナセな見得の切り方」と「漢字もろくに読めない麻生を首相に担いだ自民党のブザマさ」との<落差の大きさ>にある、と指摘する方々が存在する。
彼らは、小泉一派が“とにかく急いで良い結果だけを求めるB層中心の一般国民”をもっと上手く騙し続けてくれれば、“逆説的な意味でのバカの啓蒙”を狙った竹中平蔵のデザイン通りの「構造改革の果実」がシッカリ実ったはずだし、ともかく政治運営の枠組みさえ大きく変えてくれるなら(建前上の構造改革さえやって見せてくれれば)、これらサイレント・マジョリティにとっては小泉自民党でも鳩山民主党でも、どちらでもよかったはずだと説く(関連参照:2009.9.1・日本経済新聞『政治交代、投票で変わる手応え実感』)。しかし、これは国民一般に対する恐るべきほどの侮辱的背徳の感情であり、傲慢極まりない悪徳に満ちた意思であり、民主主義の否定だ!
だから、それは違うのではないか? むしろ、ポスト小泉の「“安倍〜福田〜麻生”無責任政治」の中でバレバレとなった『小泉・竹中改革劇場』のヤラセ(ヤクザ)政治と米国型・市場原理主義の誤謬(トリクルダウン信仰&市場原理主義という新自由主義思想のカルト性、その結果としての深刻な格差拡大、生活基盤の崩壊、将来不安の発生など)に対する「サイレント・マジョリティ」からの反発が、現行の「小選挙区比例代表並立制」が持つ“大きなレバレッジ効果(過剰代表効果)”によって効き過ぎたということではないのか。
むしろ、ここで我われが自覚すべきは、国家の主権者は一般国民たる我われ自身であるということであり、その最善の民意の表し方である「選挙の仕組み」から、その声の大小にかかわらず「民意そのもの」を裏切るような「暴政の芽の闖入」を極力排除する努力を、これからも継続すべきだということである。
このような問題意識から今回の総選挙の結果を分析した試算結果が公開されているので、その結論だけを下に紹介しておく(詳細は、下のブログ記事◆を参照乞う)。この内容から「各政党の得票率と議席占有率の乖離が余りにも大きい」こと(→ 民主党が100議席以上も過剰となっている!)に驚かされるはずだ。実際の当選者数と得票率に基づく比例配分試算を列挙すると次のようになる(以下の各数字は下記ブログ記事◆に従っている)。
民主党308(204) 自民党119(129) 公明党21(55) 共産党9(34) 社民党7(21)
みんなの党5(21) 国民新党3(9) 新党日本1(4)
・・・( )内の数字は、総議席数を得票率に応じて配分したもの。
自民党と公明党の肩を持つためこのデータを紹介した訳ではない。トータルの試算でも約42%の得票率で64%の議席を占めるという、今回の総選挙における「小選挙区比例代表並立制」が持つ“大きなレバレッジ効果(過剰代表効果)の<不合理な現実>に改めて驚かされるということである。この反対の連立与党(自公)による過剰議席支配が、今までの、言い換えれば小泉“郵政解散・総選挙”以降の「小泉〜安倍〜福田〜麻生」政権の暴政(国民主権不在の専横政治)を許してきたということになる。
◆上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場・・・民意を歪める小選挙区制はやはり廃止するしかない!、http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51238905.html
無論、民主党自身が、このレバレッジ効果(過剰代表効果)の<不合理な現実>に全く無頓着であるはずはなく、だからこそ圧倒的な議席数を占有したにもかかわらず社民党・国民新党と連立を組む意味があるということにもなる。しかも、同じことから、民主党は、今回の総選挙では「建設的野党」を宣言しつつ多くの選挙区で立候補を見送り、結果的に民主党の議席確保に貢献した共産党の役割をも無視することはできないはずだ。
因みに、詳細は省くが、国民の小さな声も極力掬いあげるのが民主主義の本筋であるという観点から、得票率に応じて議席を配分する工夫が各国で行われている。ここでは、特に注目すべき選挙制度として下記■の二つを紹介しておく。
■ドイツ連邦議会の「小選挙区比例代表併用制」・・・これは、日本の衆議院「小選挙区比例代表併立制とは大きく異なる制度で、基本的には『比例代表で議席を配分する』ことに特徴がある(関連参照、下記▲)。
▲2005-09-21toxandoriaの日記/日本とドイツの選挙制度の違いを考える、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050921
■オーストラリアの「ヘア・クラーク制=全優先順位付連記投票制(Full Preferential Voting)」・・・これも、基本的には『比例代表で議席を配分する』が眼目だが、各ステップでの過半数獲得を当選の条件としている(関連参照、下記▼)。
▼2005-05-07 toxandoriaの日記/オーストラリアの選挙制度「ヘア・クラーク制」について学ぶ、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050507
・・・・これ以降は、当シリーズ(三回予定)の(2)へ続く。
・・・・・以下は、[2009-08-29・toxandoriaの日記/『小泉ヤクザ改革劇場』と『B層作戦=竹中平蔵式バカの作り方』のアンチテーゼ]へのコメント&レスの転載・・・・・
もえおじ 2009/08/30 17:54
Sarah Brightman/Time To Say Goodbye は最高ですね。 同じ曲を Katherine Jenkins で聞いたことがあるのですが、平凡だと思いました。 彼女はオペラも中途半端だし(日本に来た時のカルメン・ジプシーの歌は気に入ったのですが…)、この まま英国で祭りあがられていると才能を棒に振りかねないです(可愛いだけじゃ駄目だろ)。
私事ですが、14年前にウィーンの教会で Mozart のミサ曲を聴いたことがあります。( あぁ戻りたい。)
toxandoria 2009/08/30 21:09
“もえおじ”さま、コメントありがとうございます。
Katherine Jenkinsは、未だ若いこともありパッションが物足りないかも・・・? シュテファン大寺院のSarah Brightmanは特に気に入っており、遂にDVDも買ってしまいました。
ウィーンの教会でのMozart のミサ曲・・・これは羨ましい限りです。実は、今回のウイーンは、たまたま悪天候(稀にみる強風)にぶつかり散々でした。
それに、チェコ〜ハンガリー〜オーストリアと欲張り過ぎたため日程も短く、満足できませんでしたので、チャンスがあれば“再度、直行便でウイーンだけを”と思っています。
もえおじ 2009/09/03 00:09
単に題名が似ているというだけですが、Angela Aki/Kiss Me Goodbyeという良い曲があります。
Angela Aki/Kiss Me Goodbye
[http://www.youtube.com/watch?v=srrLospeLdo:movie]
あと、Celine Dion つながりですが、Yuna Ito/My Heart Will Go Onも素晴らしいです。
Yuna Ito/My Heart Will Go On
[http://www.youtube.com/watch?v=jlSd1b4BGh8:movie]
toxandoria 2009/09/03 18:29
“ もえおじ“さま、ありがとうございます。
Angela Aki/Kiss Me Goodbyeはいい歌ですね。何か、強いメッセージを感じます。
Yuna ItoのMy Heart Will Go Onもセリーヌ・ディオンとは全く違う持ち味で魅力的です。まだ若いので、これからの成長が楽しみです。
たしか作曲家の三枝 成彰だったと思いますが、“日本人が作曲する音楽にはメッセージ性がないが、欧米人の作品はクラシック、ポップスの別を問わずメッセージがある”というようなことを語っていました。
ちなみに、三枝 成彰には“自分が民主党支持者であることを公表したら仕事(NHKなど?)が激減してしまった”というエピソードがあるようです。これからはちがうことになるのでしょうか? この辺りにも、日本の民主主義の歪(いびつ)さが見えるような気がします。
そういえば、ララ・ファビアン、セリーヌ・ディオンだけでなく、これらの歌手にはhalf−bloodedという共通点があります。
ララ・ファビアンの歌唱力の原点と思われる歌を発見したので下にご案内しておきます。おそらく、これは十年以上前のものですが、後の名唱『Je suis malade』に繋がるものがあるような気がします。
それから、たしか平原綾香はララ・ファビアンのファンだったと思います。
Lara Fabian - Dites moi pourquoi je l'aime(Say to me why I like it)、
[http://www.youtube.com/watch?v=BHwu0vmB01k:movie]
もえおじ (125.54.8.126)
三枝 成彰の作品は、Jr.Butterfly を聞いたことがあります。彼は、20年ほど前に、オペラの公演には2000万円ほど必要なので、そのために仕事をしていると言っていました。 まあ確かに、現代は作曲家にとって難しい時代でしょうが、「食うために」途中からロマン主義に逆戻りした三枝 成彰には余り関心しません(あくまで私見です)。
Lara Fabian - Je suis Malade は、とても解りやすい曲ですね。ところで、Angela Aki 、Yuna Ito どちらも才能があるのに、売り上げに伸び悩んでいるようです。 ( 最近 Yuna Ito はミュージカルに出演しました。 http://hmpress.jp/moulin/ ) 二人には、アジア全域を商売の対象にするか、或いは、アメリカに進出するという選択肢もあると思います。』
toxandoria
“もえおじ”さま、ありがとうございます。
Yuna Ito がミュージカル(19世紀フランスのキャバレー「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」を舞台に、画家のロートレックと7人の女性モデルの華やかな生活を描いた作品)に出ることは知りませんでした。
「日仏交流150周年記念公演」に主演クラスで初挑戦することが大きな飛躍のチャンスになればと思います。ささやかですが、ここでもPRしておきます。
[f:id:toxandoria:20090904231102j:image]
公式HP → http://hmpress.jp/moulin/
▼公演スケジュール:2009年9月5日(土)〜12日(土) 全10公演
日本青年館 大ホール
〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町7番1号 TEL 03-3475-2455 FAX 03-3475-5568
ところで、「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」といえば、この名がついたルノアールの光と色彩に満ちたパリのモンマルトル光景を描いた作品(1876)が想いだされます。
この絵が描かれた2年前の1874年には、写真家ナダールのアトリエを会場として「第一回印象派展」が開かれています。また、それに先立つ1839年には、フランス生まの社会学を表す用語“la sosiologie”が初めて使われたとされているようです。
Renoir 、P.A.(1841−1919) 『La Moulin de la Galette』
[f:id:toxandoria:20090904231830j:image]
・・・1876 oil on canvas 131 x 175 cm Musee d'Orsay 、Paris, France.
Montmartre
[http://www.youtube.com/watch?v=jqiPWt__iL0:movie]
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