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2009年8月28日(金)17時0分配信 夕刊フジ
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/fuji-320090828205/1.htm
小泉純一郎元首相の「偉大なるイエスマン」を自称する武部勤元幹事長と民主前職、松木謙公氏が激戦を繰り広げる北海道12区。8選を目指す武部氏への風当たりは強い。民主旋風に加え、小泉改革への反発や郵政造反組の復讐などだ。自民党の混乱を引き起こした「麻生降ろし」の急先鋒だったことも影を落とし、北の大地では「武部降ろし」が吹き荒れている。
「『負けるな武部』の大きなうねりが起きている。最後は勝つ」
24日、涼風が吹き抜ける大票田・北見市の中心部。武部氏は真っ黒に日焼けした腕を振り上げ、かすれた声で熱弁をふるった。
知床半島の先端からオホーツク海沿いに北上し宗谷岬、そして利尻、礼文両島まで全国最大の広さを誇る12区。面積は岩手県に匹敵する。2005年の郵政選挙では小泉チルドレンの応援などで地元入りは1回だけだったが、今回は地元にベタ張り。街頭演説に加え、企業や後援者回りなど「“毛細血管”まで足を運んでいる」(武部陣営)。
その武部氏が強調するのが「郷土の代表」だ。「オホーツク武部党」のフレーズで地元密着を前面に打ち出す一方、「自民党の武部」には、ほとんど触れない。
しかし、周囲の受け止めは冷ややか。武部支持層でさえも一部が離反し、「反武部」勢力になっているのが実情のようだ。地元関係者はこう打ち明ける。
「地元業者が陳情に出向いたが、『オレは世界のタケベだ』と言い放ち取り合ってくれなかった。業者は『何が地元代表だ。今回は落とす』と怒り心頭。『もう武部氏を支援しない。秘書の再就職先を世話するのが最後の仕事だ』と言い切る後援者もいるほどだ」
実際、武部陣営も「地元経済を疲弊させたのは、小泉改革の旗振り役だった武部氏だと批判される。自民党支持層も離れている」と嘆く。
前回の郵政選挙では造反組への刺客作戦を展開した武部氏だが、今回は「逆刺客」にも苦しんでいる。民主党と選挙協力している「新党大地」の比例北海道ブロックから出馬する八代英太氏だ。
八代氏は先の郵政選挙で自民公認を得られず、無所属で出馬した東京12区で落選。「江戸の敵を北の大地で討つ」ために自ら乗り込んできたのだ。23日の松木氏の個人演説会でも、「イエスマンは許せない」と批判のボルテージをあげた。
武部氏には自民党から舛添要一厚労相らが応援に入る予定もない。陣営幹部は「とっくに見捨てられている。孤独作戦だ」と自虐気味に嘆いた。
【北海道12区】
▲武部 勤 68 自前
△松木 謙公 50 民前
笠松 長麿 56 幸新
【表の読み方】△=やや優勢、▲=やや苦戦。候補者名は届け出順。年齢は30日投開票日時点。
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