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・森田実/2009.8.26(その2)
《新・森田実政治日誌(136)》8.30総選挙とその後の政局展望ム−ドイツの報道機関のインタビューに答えたこと
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05632.HTML
[2009年8月24日、ドイツの報道機関のインタビューを受けた。以下、一問一答のメモである]
− 民主党は300議席をとるとの大新聞の予測が発表されているが、森田さんはどう思うか。
森田 8月30日の総選挙で民主党が300議席以上の議席を獲得する可能性はきわめて高いと思っています。
− なぜそんな歴史的変化が起きたのか。
森田 国民が自民党政権に失望した結果です。多くの国民が自民党に嫌悪感を抱いている。自公連立政権の退陣を求めている。今度は政権を変え、民主党政権をつくろうという方向へ、大多数の国民は動いている。日本はいまバランス感覚を失っています。
− 民主党のマニフェストは支持されているのか。
森田 マニフェストは、必ずしも重要な基準になっていない。むしろ全体のイメージで決まる状況です。民主党のマニフェストが支持されて、民主党支持が上昇しているわけではない。自民党への強い拒絶反応の結果です。多くの国民は自民党を倒すために民主党を支持している。民主党は自民党批判の受け皿になっている。
− 自民党と民主党の主な政策上の違いは?
森田 二つだけ挙げる。第一は中央官庁への対応。自民党は政界と中央官庁との協力・調和の立場をとるのに対し、民主党は政治主導の確立、霞が関解体を主張している。第二は、自民党が経済成長政策を主張するのに対し、民主党は生活への援助を最優先する方針をとっている。
− 民主党は、明治以来、日本の柱だった中央官僚を解体して政治主導を確立するとの方針ですが、実際にそんなことができるでしょうか。
森田 結論から言えば、短期間に霞が関を解体して政治主導の体制を確立することは困難だと思う。民主党は方向転換して、官庁指導層と話し合い、説得を通じて協調関係づくりに努力すべきです。「政」と「官」の紛争が起これば、政治・行政が停滞してしまう。民主党の「霞が関解体」は現実的ではない。
− 日本の官庁は強い。民主党が霞が関解体を貫けば、官僚は抵抗するでしょう。どんな形で抵抗しますか。
森田 日本の官僚が、内閣や与党に公然と反乱を起こすことはありえないと思う。政治家側が官僚を叩けば、官僚側はサボタージュに入る。政治家側の官僚攻撃が激しければ政界側の負の情報をリークするでしょう。これはかなり有効です。
− 民主党は霞が関解体ができると思っているのですか。
森田 「政」と「官」の現実の状況をよく知っているベテラン政治家はできないと思っているでしょうが、民主党内には若い未経験でマスコミの影響を受けやすい政治家が多いので、本気で官僚叩きを始める可能性は高い。霞が関解体の震源地はマスメディアです。マスメディアはいまや、日本最大の権力。対抗できるのは霞が関だけです。マスメディアは民主党と手を結んで霞が関を弱体化させ、日本の最大権力としての地位を固めようとしている。マスメディアと民主党の連合軍対霞が関の、日本国の主導権をかけた戦いです。私は、ある時点で妥協すると思う。
− 日本の政党は地域主権、地方分権の主張をしていますが、どうしたら地方分権は実現するのですか。
森田 中央政府は外交・安保、通貨の管理、全国的な治安、総合的な社会経済政策の実行などの役割を担っている。いまは中央政府が担当しているが、福祉・社会資本整備、農業などは地方自治体にゆだねることは可能です。こうして地方の役割を高めることが地方分権、地域主権への道です。ところが、地域主権の拠点をどこに置くかについて政界の意見は分かれている。一つは基礎自治体(市町村)、二つは都道府県、三つは新たにつくる道州制の「州」です。この議論が整理され、合意形成がはかられなければならないが、いまだに合意はできていない。総論では一致しているが、各論はバラバラです。地方分権、地域主権への道は遠いと思う。私は、基礎自治体を強める必要があると考えている。
− 鳩山内閣は長期政権になりますか。
森田 短期政権に終わると私はみている。第一に自公連立政権の負の遺産が大きく重すぎる。鳩山民主党政権は、国民の大きな期待を受けて発足するが、しかし、背負う荷物があまりに大きく重すぎる。鳩山政権はこの重い負の遺産に押しつぶされてしまうでしょう。第二に、鳩山氏には政治資金虚偽報告問題という個人的な負の遺産がある。国会が始まればこの問題は国会のテーマになる。民主党に好意的なマスコミも無視できなくなる。これを乗り切るのは簡単ではない。国会で集中的に議論されれば、退陣せざるをえなくなると思う。第三は超実力者の小沢一郎との二重権力問題がある。これはかなり大変です。小沢氏は陰の実力者として政権を支配するでしょう。鳩山氏が自立をめざせば小沢氏につぶされる。小沢氏の操り人形になれば、世論につぶされる。以上の点からみて鳩山内閣が長期政権になる可能性は低いと思う。
− その次はどうなりますか。
森田 菅直人代表代行がポスト鳩山の首相の第一候補でしょう。
− 二大政党制は、今回の政権交代で、日本に定着するでしょうか。
森田 私は、小選挙区二大政党制の導入により、初めて選挙での政権交代が実現した瞬間に、二大政党制は崩壊するおそれが強くなったと思う。まず、自民党が党としての団結を維持して次の総選挙での政権奪還に向かうためには衆院で180議席程度が必要です。180は衆院の3分の1に相当する。しかし、8月30日の総選挙で自民党は100議席程度に落ち込むでしょう。100議席では自民党を維持することはむずかしい。空中分解してしてしまう危険性がある。小沢一郎氏が仕掛ける大連立に乗り、民主党に吸収されてしまうという事態も十分に考えられる。日本国民は極端に動く。8月30日の総選挙で民主党を大勝させ、自民党その他の政党が存続できないようにしてしまうかもしれない。日本の政治は、民主党一党制と小沢氏の独裁体制形成の方向へ向かっている。
− 森田さんは、どんな日本の政治を望んでいますか。
森田 民主政治を望んでいます。民主党の勝利によって政権交代が実現することは必然ですが、しかし、自民党が生き残って次の総選挙でのリターンマッチに挑戦する力を残してほしいと思う。共産党、社民党、国民新党その他の政党も、国民の強い民主党支持により存亡の危機に直面しているが、生き残ってほしいと思う。批判勢力なき政治は堕落する。独裁ではなく民主主義の政治になることを望む。
・小選挙区制イメージ選挙の危うさ。民主大勝・民主党の独裁政党化をおそれる/森田実
http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/778.html
投稿者 仁王像 日時 2009 年 8 月 25 日 18:44:38: jdZgmZ21Prm8E
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