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【日本の議論】特定候補と政党の書き込み「シロ」の理由 ブログ市長が投げかけた波紋【産経ニュース】
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090822/elc0908221800006-n1.htm
2009.8.22 18:00
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長 自身のブログ上で市議の不人気投票の呼びかけや、市職員全員の給与明細を公開するなどして何かと物議を醸してきた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)。
今回の衆院選でも公示後に特定候補者と政党の支持を表明する書き込みを行い、波紋を広げている。
公職選挙法は選挙期間中に特定候補者らの名前を記載した文書頒布などを認めていないためだ。
選挙関係者の間でも違反行為を指摘する声が相次ぎ、地元の選挙管理委員会も違法性について検討したが、結論は意外にも「シロ」だった。
その背景には「選挙運動」の定義のあいまいさが浮かび上がってくるのだが…。(花房壮)
候補者と政党支持、堂々表明
「ブログであれだけはっきりと地元の特定候補者と政党を支持したのには驚いたよ。でも、正直言って、首長としてはやりすぎと思うが…」
18日に公示された衆院選。
その翌19日付の竹原市長の個人ブログ「阿久根時事報」を目にした地元市議は、内容の“過激さ”に圧倒された。
そこに書かれていたのは−。
《市民から集めた税金をこれ以上、公務員のために使うような自治労組織を支える国会議員が居てはならない》
《従って、私は(地元の)鹿児島4区の選挙では「○○(実名)」氏。
比例区では「○○(政党名)」を支持する》
こう明確な支持表明を打ち出し、さらに、支持政党のマニフェストを列挙するとともに、同党のホームページのリンクまでも張っていたのである。
竹原市長は5月の市長選で市職員労働組合を《背任組織》と辛辣(しんらつ)な表現でこき下ろすなどして当選。
公約でも市庁舎からの同労組の事務所撤去を掲げ、これまでのブログへの書き込みでも“労組たたき”にエネルギーを注入してきた。
19日付のブログはこうした経緯を前提に、労組を支持基盤とする衆院選の候補者をやり玉に挙げた上で、自らが支持する特定候補者と政党について旗幟(きし)を鮮明にした−というわけだ。
ただ、地元選挙関係者の間では、この書き込み内容が公選法に抵触する恐れがある、としてすぐに話題になったという。
「支持、不支持は別として、選挙前に、自分のブログで政党の名前を出しただけで一般からクレームが殺到して閉口したことがあった。
選挙期間中に今回のような書き込みをすれば(市長が支持する候補者や政党の)反対派の有権者から、どんなアクションがあるかは火をみるより明らかだろう」
地元市議は竹原市長による書き込みの大胆さをこう口にした。
結論は「シロ」…その根拠は?
過激な表現で知られる市長ブログを日々チェックしている市選管にとっても、19日付の書き込みについてはすぐに疑義が生じた。
マスコミからの取材にも「公選法に抵触しないか検討した上で、問題と判断すれば指導などの対応をする」と回答し、慎重な姿勢をみせている。
今回、問題視されたのは、公選法第146条との関係だ。
この条文は「選挙期間中に候補者の氏名や政治団体の名称、支持もしくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し、掲示することはできない」と規定している。
条文だけを読めば、竹原市長の書き込み内容の違法性は濃厚ともとれる。
ちなみに、インターネットを使った選挙運動について、総務省の見解は、ブログなどを表示するパソコンの画面そのものを文書図画とみなしている。
ブログ上での書き込みとはいえ、特定候補者や政党の支持表明は違法な文書図画の頒布にあたる恐れがある−という論理だ。
では、市選管が下した結論はどうだったのか。
その結論はずばり、「シロ」だた。
市選管の説明によると−。
公選法上は、ブログなどで特定候補者を支持する書き込みは認められていない。
ただ、選挙運動との関係で言えば、『よろしくお願いします』といった表現は書き込みの中にはなく、当選を目的とした選挙運動には当たらない−という。
結論としては、今回の市長の書き込みは「単なる個人の意思表明にすぎず、問題はない」(市選管)というのだ。
裏を返せば、選挙運動に当たらなければ、特定候補者や政党への支持表明を行うことは可能ということになるのか。
こうした市選管の判断について、総務省選挙課は「一理はある」としながらも「選挙運動か否かは書き込み内容などを総合的に判断する必要がある」と、あくまでも慎重な姿勢を崩さない。
ただ、各地の自治体の選管には不満もくすぶる。
ある自治体の選管関係者は次のように指摘する。
「選挙運動があいまいなのは多少はしようがない部分はあるのかもしれないが、それにしても総務省には、もう少し踏み込んだ基準を作ってほしい」
発覚は交通違反並み?
特定候補者への支持表明をめぐり、竹原市長は過去にも同じような書き込みをしたことがある。
今年3月の市議選で、自らの理念や改革の方向性に理解を示す候補者4人の実名を告示日当日のブログで紹介している。
一部から公選法違反に抵触する疑いがあるとの指摘もあったが、市選管は「名前を書いただけで選挙運動とはいえない」などとして市長への指導は行っていない。
また、同日付のブログでは、反市長派の候補者2人の政務調査費問題を追及した地元テレビ局の番組映像が閲覧できるように無断でリンクを張り、「サイテイの連中」と批判的な書き込みもしている。
これについても、市選管は「リンクはブログに張り付けただけで、本人が書き込んだものではない」として注意を見送った経緯がある。
「これまでの違法スレスレの書き込みをみれば、市長が公選法を知らないわけがない。
むしろ、確信的にやっているのかもしれない」
地元の議会関係者はそう話す。
こんな疑いのまなざしを向けられた竹原市長は、今回の書き込みについて「ブログに書いてある通りだ。コメントすることはない」と、とりつくしまもない。
特定候補者と政党への支持表明が結果的に「シロ」になったとはいえ、阿久根市の議会関係者はこんな不安を口にする。
「市長のブログは有名だから、たまたま今回の書き込みが発覚しただけ。
それほど読まれていない一般の人が書いたブログに明らかに違反した書き込みがあっても、発覚しない可能性の方が高い。
少人数の選管職員によるネット上でのチェックには限界もあり、違法な書き込みが今後、目の届かないところで横行するともかぎらない」
別の関係者も「違法な書き込みが発覚するのは交通違反で摘発されるようなもので、運が悪いとしかいいようがない」との例えを用い、明らかになるケースが氷山の一角にすぎないとの見方を示した。
違法なビラであれば比較的目につきやすいが、ネット上の書き込みはいつどこで行われているか判明しづらい。
しかも、内容を削除するのも自由自在だ。
この点、公選法を管轄する総務省も「ブログを片っ端からチェックするのは現実的には無理。
書き込む人に襟を正してもらうしかない」と話し、ブロガーの“倫理”に頼るしかないのが現状のようだ。
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