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「日本海軍 400時間の証言」から、「省庁あって、国家なし」を見る。
昨日は、敗戦記念日。一日遅れとなりました。
まず、終戦記念日という言い方は、敗戦を認めない無責任官僚の知恵なのだと思う。
NHKスペシャルで、「日本海軍 400時間の証言」というのをしていたが、非常に興味深いものだった。
旧日本軍の軍政は、内閣から独立し、統帥権をもつのは天皇だけだった。海軍大臣と陸軍大臣は、天皇を輔弼するとなっていた。その下に、軍令部(日本海軍)があったが、軍政と対等となっていったので、戦争の作戦を練って各地へ指令を出していた軍令部は、海軍の最高総司令部で、当然、作戦の全責任は軍令部にあるはずだ。ところが、この軍令部は、敗戦後、第二復員省と名札を掛け替え、こんどは、連合軍の戦争責任追求から海軍参謀を守るための活動、彼らにとっては第二の戦争をする。彼らは、海軍参謀が極刑すら免れられたら、終身刑であっても、講和条約が結ばれたのちには、釈放することができるとして、GHQに見つかるのも覚悟の上で、公文書の捏造すら行い、現地指揮官に責任をなすりつける工作を行い、幹部救出活動に専念していた。そのため、海軍では、現地指揮官の判断で捕虜の虐殺などが行われたことにされ、現場の指揮官が処刑されたが、海軍参謀は、一人の処刑者も出さなかった。東条英機ほか処刑された面々はすべて陸軍参謀だった。とくに東条英機は、天皇に責任を負わせないために日本軍のトップとしての責任を一身に負わされた。講和条約締結後、巣鴨に収容されていた戦犯は続々と釈放され、娑婆に復帰する。戦犯から首相も誕生する。日本の社会が戦前の官僚主導に回帰していくのは、当然の帰結だったなと思った。
軍官僚が、後先考えず戦争を起こし、300万人もの国民を犠牲にし、他国民にはさらに多くの犠牲者を出していながら、海軍では、戦争の責任を陸軍と現場に追わせ、上層部は生き延びられるように、敗戦後に第二の戦争として連合軍対策が実行されていたことを知って、あーそうだったのか、なるほど、今がわかったと思った。無責任官僚が今も昔ながらに続いているのは、戦前の軍官僚が、反省をするどころか、のうのうとのさばっていくようにその官僚自身が画策した結果だった。特攻として、敵艦に突撃して尊い命をささげた若者は、このような反省もせず責任もとらず、自分たちが生き延びるためには部下の命も差し出すという官僚に操られてのものだったわけですね。なんと虚しい死でしょうか。
処刑された陸軍の戦犯たちも厚生省が手配して靖国神社に祀られ軍神となった。ここで何かを考えないわけにはいかない。私は、第一復員省(陸軍)と第二復員省(海軍)は、やがて厚生省に吸収されていったのではないかと想像するけど、厚生省内の旧陸軍官僚が戦犯として処刑された陸軍参謀の汚名をそそぐために、靖国神社へ手配したのではないだろうか。海軍では、無責任を決め込み、幹部が処刑をまぬがれるようにあらゆる手を尽くしたことを考えれば、陸軍は処刑された後ではあるが、その汚名をそそごうとして靖国神社へ祭ったということは十分考えられる。
靖国に戦犯として処刑された参謀が祭られた理由について私の思うところを、陸軍官僚と限定してはいなかったが、以前にも書いている。いまは、旧陸軍官僚がやったと確信的に思いますね。そうでないと、他の省の官僚がやるはずがない。
あと、いまさらながらにわかったのが、旧日本軍とは、陸軍と海軍が、縦割り軍隊の形態をなしていたこと。陸軍と海軍は、協力することはほとんどなかった。むしろ、予算獲得とか、利権獲得とかで、競争し、反目し合っていたわけで、陸軍と海軍の戦争をも懸念されていたというから、とても一国の軍隊として統制のとれたものではなかった。陸軍と海軍はそれぞれ単独で戦争をしていたので、非常に非効率な戦いだったと言える。
さて、思い起こすのが、今の各省庁。縦割り行政といわれているが、陸軍と海軍の関係と同じで、行政が縦割なのじゃなくて、縄張りが縦割りなのだ。各省庁は、自らの縄張りで権益を拡張する努力を惜しまないのであって、その視界には国民はまったく入らない。この番組には「海軍あって、国家なし」との副題が付いているが、今の日本とは、「省庁あって、国家なし」と言える。「省庁あって、国民なし」とも言える。
この衆院選で、政権交代を勝ちとったのちに、このような国家不在、国民不在の官僚組織は必ず終わらせなければいけないのです。
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参考までに
旧日本海軍の、また、軍令部官僚たちの大失策として、知る人は知る、海軍乙事件というものがあります。
http://wapedia.mobi/ja/%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E4%B9%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://oniheru.fc2web.com/jinbutsu/teitoku/fukutome_shigeru.htm
海軍乙事件 出版社名 文芸春秋 価格 550円
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