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子ども手当のような国民への直接現金給付策を通じて、
よりシンプルで普遍性を持ったベーシックインカムへの議論も深まるだろう。
まずは、きっちりと民主党への政権交代を果たした上で、本丸の
ベーシックインカム導入論議を巻き起こして行こう。
最後に、朝日新聞の馬鹿っぷりにも言及されている。
朝日は、とっとと潰れろ! カス。
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民主党の子ども手当とベーシックインカム(山崎元ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/e/83ba7c64b637af4ced5c17437ff1c20c
今回の民主党の選挙公約の中で、実現しそうなもので且つ最も効果の大きな政策は中学卒業までの子供一人当たり月2万6千円支払うという子ども手当だろう(但し、来年度は半額の1万3千円だという。なぜ?)。年間では31万2千円、子供が二人いると62万4千円の手当になり、勤労世帯の平均年収が4百万円台の前半であることを考えると、かなりのインパクトがある。
民主党のマニフェストの計算によると平成23年度から年間5兆5千億円が支給されることになっており、先般の定額給付金の2兆円・一回限りに較べるとかなり大きいし、手当が支給される家庭では、継続的な収入となるので、それなりの消費拡大効果があるだろう。財政が介在することを長期的に中立と見ると、国民の誰かが払った税金が別の国民に渡るだけだから、支給額だけ消費が増える訳ではないが、大まかにいえば高所得家庭から低所得家庭への所得移転になるので、後者の消費性向がより大きいことによる消費拡大効果はあるだろう。それが主目的ではないとしても、景気に対する効果は、ややプラスではないかと思う。
この子ども手当には、ベーシックインカム的な側面とそうでない面とがある。
ベーシックインカムに近い点は、何といっても、子どものいる家庭に対して所得や資産に関係なく一定額が支給されることだ。資力調査抜きの定額支給という点はベーシックインカム的であり、私はポジティブに評価する。
一方、「税金を取って、そのお金を配るというのは気が利かない」、「お金持ちの家庭にも手当を配るのは釈然としない」というような定額給付金に対してもあったような批判の声もある。
前者に対しては、高所得者に対しては納税の際に税額控除するような工夫があるだろうし、行政がお金を使うことによる間接的な再分配よりも「ムダ」や「利権」が少ない分いいのではないか。
後者についても、労働のインセンティブに対する影響を考えると、所得で差を付けない方がいいように思う。たとえば、仮に子ども手当を年収400万円未満の家庭にのみ支給するとすれば、400万円台前半の年収の子どもがいる家庭では、子ども手当を計算に入れると、400万円未満に稼ぎを減らす方が得になる。これは配偶者控除において発生している問題と同様の問題だが、収入に関係なく、一定の金額を得る権利を付与することで、「より働くと、より豊かになる」というインセンティブがどの所得層に対しても働くことになる。
所得額に対して支給額を調整するやり方を工夫すれば働くインセンティブが無くならないようにすることは可能だが、そんな面倒なことをせずとも、高所得者からはそれなりの額の税金を取ればいい。
所得額や資産の額に対して支給額を調整するような仕組みを作ると、役人の手間が増えるし、彼らに余計な権限を与える事になりかねない。生活保護の支給に役人が難癖を付けるような仕組みは無い方が、国民と役人双方のためにいいことなのではないか。
子ども手当で、もう一つベーシックインカム的なのは、使い方を受給者の側で考えることができることだ。お金だから、生活費一般に充ててもいいし、借金を返してもいい。これは自由で感じがいい。
お金を配るよりも、たとえば、保育園の拡充や学童保育の充実などを求めたいという声も聞くが、これらについては、「子ども手当の外に」地域単位で充実を図ればいい。基本的に別の問題だし、何かする場合も、子ども手当がある分、保育料も払いやすいし、担税力もあるはずだ。それに、保育園の拡充に全国規模で予算を付けると、どこに幾ら予算を配分するかで役人に余計な権限を持たせるし、工事の発注その他についても利権が発生する。また、保育園の建設には時間が掛かるが、お金は直ぐに配ることが出来る。効果は早く欲しい。
他方、子ども手当のベーシックインカム的でない点は、(1)「子ども」のいる家庭にしか手当がない点、(2)それで生活できるというレベルの金額ではない点の二点だ。
特に、子どものいない高額所得の家庭はこの子ども手当の創設で負担が増える。また、この子ども手当は、子どもを持つことに対して国がインセンティブを与えるもので、個人の生活スタイルに対する介入でもある。
前者に対する可否は、民主党の鳩山代表が言うように、子どもを社会で育てるという考え方にどの程度共感するかによるだろうし、少子化への対策の必要性に対する評価にもよるだろう。現状と比較すると、かなり強力な少子化対策であり、民主党政権が実現化して安定すると、出生率に顕著な影響が出るかも知れない。私は、少子化対策そのものの必要性に対してはあまり積極的でない(人それぞれの勝手だと思っている)ので、この点を大いに評価するわけではないが、大方の国民が少子化対策に前向きなら、民主党案は効果があって副作用の小さな少子化対策であると考えていいと思う。
もっとも、一人を年齢に関係なく平等に扱い金額ももう少し大きくなるはずの本来のベーシックインカムが実現した場合には、子どもを持つことのインセンティブはさらに大きくなるはずだ。
民主党の子ども手当とベーシックインカムの間には、規模にもやり方にも、まだまだ相当の開きがある。しかし、この子ども手当は、長期的な財源の多くを行政のムダを削ることから捻出することになっている点も考えると、行政サービスの規模や役人の権限を縮めて、いわば「中抜きの少ない」所得再分配を行う「既存行政のベーシックインカムへの置き換え」的な方向の政策として、まずまず好ましいものではないかと思う。
尚、総選挙の政策に関しては「財源」の問題が喧しいが、当面はある程度の期間、経済情勢が相当規模の財政赤字を必要としていることもあり、「支出のムダ取り」に関する民主党政権のお手並みを拝見していてよいのではないか。民間企業並みのコストカットを行えば、民主党の挙げる数字(平成25年度で9.1兆円減)はむしろ小さ過ぎるくらいの目標だ。消費税率引き上げを持ち出すのは、まだまだ早い(※注)
お気楽な小泉純一郎元首相も言っているように、民主党にどの程度のことが出来るか、一度やらせてみたらいいのではないか。
※注:「朝日新聞」の13日の社説は、消費税率を熱烈に上げたがっているようだが、どうしたことか。「もっと率直に負担増を語る勇気が必要」と鳩山氏に説教しているが、官僚のレクチャーを疑う「勇気」が論説委員にあってもいいのではないか。
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