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昨日は「米国におけるホームレスの犯罪化と民営刑務所」という見出しで、ホームレスであること自体が犯罪になるという、World Socialistという団体に掲載された記事を紹介した。この米国の事態は、Op-Edの形ではあるが、かの有名なニューヨーク・タイムズでも取り上げるようになっている。
Is It Now a Crime to Be Poor?
(今や貧乏であることは犯罪?)
http://www.nytimes.com/2009/08/09/opinion/09ehrenreich.html?_r=2
いくつも市が条例をつくって、ホームレスであることを犯罪化する状況が生まれてきているようだ。直接的にホームレスそのものが犯罪とするのではないのが、要するに、ホームレスになった限り避けられない状況、つまり街中を目的もなくぶらぶらするとか、道路上で寝るとか、物乞いするとか、一定数以上の人間が集まって炊き出しをするとか、そういうことを犯罪と見なすということ。詰まるところ、貧乏であること、ホームレスであることは犯罪ということになる。
この事態は、予想されたことだった。米国の流行を真似て小泉くんが言った「自己責任」を思い出すといいんではないだろうか。その論理的な延長線上に「貧乏であることは犯罪」がある。
ちゃんと頑張らなかったから、アンタは貧乏になり、貧乏になったのは自己責任。当然、ホームレスになったのも自己責任。ホームレスの存在は現実問題として一般国民の迷惑になるから犯罪、という理屈まですぐにたどり着く。いろんな記事を読む限り、この理屈で大多数の米国民は動いてきた。
このような状況が、これまで表面化しなかったのは、日本がお手伝いして国際金融資本が仕組んだ金融バブルの恩恵、つまり、些細な額だが、かなりの割合の米国民もパラサイト生活を満喫できてきたからにすぎない。しかし、そのパラサイト生活もバブル崩壊とともに終わりを告げた。米国民が自分たちが暗黙で支持してきた理屈にどう立ち向かうのか、なかなか興味深い展開になっている。いや、マスコミに報道されていないだけで、フィリピン並みのスラムはすでに出来上がっているのかもしれない。
俺ら日本は、そこにいくまでの一歩手前で踏み止まった、あるいは踏み止まっているということなのだろうか。自殺という形ですでに毎年多くの犠牲者が出ているが、踏み止まれたのは何故だろうか?考える価値はあるかもしれない。
湘南の片田舎から
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/
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