★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK68 > 913.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2009/08/09/#001446
2009年08月09日
マニフェストに欠落している小泉改革の評価
選挙戦がつまらなくなってきた。なぜか。
それは官僚的発想の所産であるマニフェスト論争に、選挙の争点が堕してしまったからである。
今の日本の窮状をもたらした最大の元凶は小泉自公政権の5年半ではなかったのか。
米国のいわれるままに日本を米国に差し出した小泉偽構造改革ではなかったのか。
そうではない、まだ構造改革が足らないからだ、と言い続ける小泉・竹中一派とそれを支持する財界、メディア、国民がこの国にはいまだ存在する。
その一方で小泉改革の否定からすべてが始まると主張する政治家や有識者がいる。そのことに多くの国民が気づき始めた。
そうであれば、この事を正面から論じてはじめて今度の選挙の意味があるのではないのか。
思い起こせば4年前の総選挙が、郵政改革是か非か、の一点で争われ、国民がそれに熱狂した。
それから4年たった今、郵政改革は国民にとってよかったのか、小泉改革は正しかったのか、その一点に絞って選挙を行うべきではないのか。
そう思っていたら、奇しくも8月9日の新聞にこれを主張する好対照の識者の意見が掲載されていた。
8月9日の東京新聞「時代を読む」で学習院大学の佐々木毅教授は、自民党のマニフェストから小泉改革を思わせる言葉が影を潜めている事を批判し、次のように主張している。
「日本の『改革』は小泉政治や郵政民営化で終わったわけではなく、まだまだ『改革』しなければならない課題が山積している・・・この総選挙の最大のテーマ(は・・・小泉改革の)先の「改革」が問題なのである」、と。
小泉改革を擁護する立場から必ずでてくるこの手の主張は、しかし、詭弁である。
小泉改革は改革ではなかった。民営化ではなかった。官僚利権を温存し、対米従属に終始し、日本経済を分断し、弱者へ痛みを押しつける悪政でしかなかった。
政治が行うべきは、小泉政治を否定して本物の改革を行うべきなのだ。
この事を主張しているのが8月9日の産経新聞「日の蔭りの中で」、で述べられている佐伯啓思京都大学教授の論説だ。
佐伯氏は、アメリカ発の世界経済危機に日本がここまで翻弄された理由は小泉構造改革にあるとした上で、だからこそ小泉改革の方向がよかったかどうかこそ、今回の選挙の最大の争点になるべきではないか、しかし自民、民主両党のマニフェストは見事にそれが欠落していると喝破している。
私が注目したのはその中の次のくだりである。
・・・朝日新聞に面白い記事がでている。(4年前の)郵政法案の参院採択の1時間前、小泉首相と麻生氏が対面していた。
麻生氏は、解散総選挙に持ち込んだ場合、選挙に勝てるか、と首相に問うた。
返ってきた答えは、「勝てる」というものではなく、「それはばくちだよ」というものであった。
麻生氏は、驚いて言った。「それでは選挙に踏み切るのは、民主党と政権を争うというより、内なる抵抗勢力を一掃するためのものですか」。
小泉首相は「うん」といった・・・
もはや明らかであろう。今度の選挙は、与党にとっても野党にとっても、4年前の小泉郵政改革選挙は国民の為に正しかったのか、それとも小泉首相の自己顕示の選挙でしかなかったのか、それを問う選挙なのである。
今日のメルマガはこのほかにも次のテーマで配信しています。
「オバマ大統領の広島訪問を妨げているのは外務官僚の保身だ」
「飯村豊政府代表の中東外交は日本のメディアに向けたパフォーマンスでしかない」
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK68掲示板
フォローアップ: