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http://www.iwanami.co.jp/sekai/2009/09/pscript.html
「子どもが生まれると、実感として、生活が豊かになっていくんですよ」 北欧に留学した経験を持つ、ある研究者から聞いた言葉だ。次の世代を育てるために、その社会がどれほど真剣に取り組み、力を尽くしているか、この言葉に窺うことができる。 子育て費用の軽減(児童手当、教育費補助、税額控除など)ばかりでなく、育児休業、保育体制の充実や働きやすい環境などが彼の実感を支えている。しかし、税の負担は、日本などよりはるかに重い。 日本社会は、次世代の育成に真剣に取り組んできたとはいえない。その証拠に、「少子化」は止まらず、子どもの貧困率は15%に達し、子どもたちは無防備に消費のターゲットにされている。 どのような社会が好ましいか、それはその社会の成員が選択肢を議論し、合意していけばいいことである。日本ほど、消費の自由を謳歌し、モノの豊かさ、便利さを享受している社会は少ない。一方で消費社会は、社会統合の基盤を弱め、崩壊させる。社会のあり方に関心を持ち、よりよく変えていこうとする「市民」は、自分の好みに合うか合わないか、心地よいかよくないかにのみ関心を持つ「消費者」に変貌してしまうからだ。 いま酣(たけなわ)の「政権選択選挙」にも、その傾向が顕著に見られる。各政党が、消費者である有権者に投げかける言葉は、より心地よいだろうと思われるモノの給付が中心だ。つまり「バラマキ」である。 給付を大きくしようとすれば当然負担が重くなる。所謂「財源」問題である。その話はすべての政党が避けようとする。消費者には心地よくないと思われるからだ。しかし、社会の基盤をこれ以上壊さないためには、いずれ、どのような形でか増税の議論が必要になってくる。 子どもや高齢者への手厚いケアや社会保障を充実させ、負担は重いが安心できる社会を目指すのか。このまま消費の自由を謳歌し、負担は軽いまま社会の崩壊を放置するのか。それは根本的な価値観の転換を要請する。北欧の施策の一部を、つまみ食い的に導入しようとしても無理だ。また、自民党の一部が試みたように、国家を強化して社会の崩壊を防ごうとしても、それは不可能なのである。 社会の転換を担保するのは、政権を担う政党の政策の体系性、一貫性、公平性、透明性である。何よりも、覚悟と責任感である。それを培うには、少なくとも2度、3度の政権交代が必要だろう。今回の選挙は、そのとば口と考えたい。 --------------- |
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