差別・排外主義の行動隊による自由と人権の破壊を糾弾する女性差別にもと づく暴力行為 八月一日、差別・排外主義・国家主義を煽り立てる主権回復を目指す会、せと弘幸Blog『日本よ何処へ』、在日特権を許さない市民の会、NPO外国人犯罪追放運動、外国人参政権に反対する会・東京、日本を護る市民の会は、フィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩(略称「ロラネット」)の主催による「「慰安婦」問題―世界と日本の今」集会(三鷹市市民協働センター)に対する破壊・妨害・挑発行動を強行した。二日には、参加者一人に負傷者を負わせている。 「ロラネット」は、日本軍による性奴隷制度問題について長年にわたって粘り強く取り組み、日本政府の被害者たちへの無反省・無責任な態度を糾弾し続け、三多摩地域の仲間たちとともに活動を展開してきた。いまだに真摯な反省と態度を示さない日本政府を許さず、「慰安婦」運動に連帯し、支援する立場から差別・排外主義者たちによる集会破壊行動を糾弾する。 八・一集会破壊グループの反動主張はこうだ。「『慰安婦はただの売春婦』 日本を罵る反日極左の嘘を許さないぞ!慰安婦問題を金儲けの道具にする左翼を日本から叩きだせ!反日極左による子供たちへの性虐待を許すな!」「粉砕するぞ!三鷹市の中学生のための売春展示会は日本民族に対するテロ攻撃 次代を担う子供を売国・極左の精神テロから守れ」をメインスローガンとして掲げ、「朝鮮人は出ていけ」「従軍慰安婦は歴史の捏造だ」「売国奴をたたき出せ」などとシュプレヒコールを繰り返した。 要するに「主張」は、「従軍慰安婦制度はなかった。売春行為だった」という手前勝手なストーリーをでっち上げ、アジテーション用に加工した水準でしかない。そのうえで破壊グループは、嫌がらせ行動とセットで差別・排外主義コールを行い、その延長上に暴力行動を貫徹させた。 さらに攻撃は、集会参加者の女性たちをターゲットにして「売春婦」「メス豚」「クソババァ」などと女性差別の罵倒=暴力を行い続けた。あげくのはてに入り口付近に到着した女性入場者を取り囲み、「売国奴」「朝鮮人売春婦は帰れ」などと怒鳴りつけ、脅迫した。破壊グループは、女性差別社会をバックボーンにしながら、その女性差別攻撃を女性参加者に対するストレートな暴力として強行したのである。 いつものように排外主義者たちによる「公然」たる暴力行為に対して警視庁・三鷹署の公安・機動隊・警官は、黙認し続けた。公安右翼担当は、排外主義者たちのやりたい放題を「見守り」、ニヤニヤと「会話」をするだけだった。左翼担当公安は、遠巻きポジションを固定し続けた。つまり、権力は右翼との馴れ合いを披露し、集会破壊に加担したのである。排外主義者と一体となった権力による集会破壊を許さない。 レイシストへの 社会的包囲を 破壊グループの中心的役割をになっている西村修平(主権回復を目指す会代表)は、「日本国家と先祖の名誉」をかけた闘いとして、この「戦闘」を行っているのだと明確に位置づけていることを強調していた。さらに、「やつらを八つ裂きにしなければならない。その楽しみは、まだとっておく」などと公然と言い放った。つまり、権威主義とセットである暴力主義を貫徹することによって、身勝手な自己実現と自己満足を確認することを「楽しみ」だと表現したのである。 それでは「主権回復を目指す会」とは、どのようなグループなのか。設立趣旨では「喫緊の重要課題は、支那・中共による対日併合・侵略と戦う」と設定し、「第一段階は精神侵略、第二段階は人口侵略、第三段階が軍事侵略」と対決するのだと主張する。これらを柱に「行動指針」として「反日・虐日勢力など靖國の英霊を貶める支那・中共の代理人勢力」との戦い、具体的な対象として「南京大虐殺問題や、慰安婦強制連行問題、遺棄化学兵器処理問題については重点的に取り組」み、大衆運動を行っていくことを明記している。 また、西村グループと同様に破壊行動を促進する「在日特権を許さない市民の会」は、「特別永住資格」が「一九九一年に施行された『入管特例法』を根拠に、旧日本国民であった韓国人や朝鮮人などを対象に与えられた特権」だとして廃止を求め差別・排外主義宣伝・扇動を主張している。 このような破壊グループは、この間、四月十一日、『在日特権を許さない市民の会』のイニシアチブで埼玉県蕨市内に在住するフィリピン・カルデロンさん一家に対する在留特別許可の付与に反対し、一家三人全員を強制送還するよう求める排外主義扇動デモ行進を強行した。権力は抗議する仲間二人を不当逮捕し、破壊グループを守り抜いた。さらに破壊グループは、京都(6月13日)、福岡(7月20日)で外国人排斥集会を行い、差別・排外主義・国家主義を宣伝・扇動する全国大衆運動を展開している。 このグループの悪行はこれだけではない。過去の犯罪歴として天皇主義右翼の日本会議、自民党靖国派の行動隊として女性国際戦犯法廷を取材したNHK嫌がらせ事件(2001年)がある。以降、日本軍による性奴隷制度を告発し、糾弾する運動に一貫して敵対・妨害を行ってきた。 また、「村山談話」の白紙撤回を求める市民の会、「河野談話」の白紙撤回を求める市民の会、尖閣諸島を守れ!仲間均を支援する会、田母神論文と自衛官の名誉を考える会、沖縄自集団決冤罪訴訟を支援する会 、五百旗頭防衛大学校長の罷免を求める会を次々とデッチアゲ、自治体機関、市民運動に対する嫌がらせ・脅迫を行ってきた。 八月六日には日本会議広島「日本の誇りセミナー」実行委員会が広島で「ヒロシマの平和を疑う! 田母神俊雄氏が語る!広島発、真の平和メッセージ!!」などと挑発的な田母神講演会を行うが、この企画に対しても賛同している。 このように破壊グループは、日本民族優性主義、国家主義、天皇制・靖国と侵略戦争の賛美、在日中国・朝鮮・韓国人や女性などへの差別主義攻撃を基調としている。また、大衆運動を取り組みながら暴力部隊を育成し、どう喝・妨害・破壊行動を前面に押し出す戦術へとエスカレートさせている。グループの危険性を暴露し、社会的に包囲しなければならないことをすべての闘う仲間たちに訴える。 (遠山裕樹)
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