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自民党は「正気なのか」「能ナシなのか」
2009/8/6 10:00
●ショボ過ぎる公約で選挙戦う神経
自民党が発表したマニフェストに「今後10年間で各家庭の可処分所得を100万円増やす」というのがあった。100万円? 10年で? 1000万円の間違いではないのか? そう思って新聞を読み返したサラリーマンが多かっただろう。
だが、「10年で100万円」は誤植ではないようだから、改めて驚くしかない。今後10年といったら、新卒の22歳の会社員なら32歳。35歳のサラリーマンなら管理職の45歳だ。所得が100万円くらい上がっているのは当然だし、もっと上がっていなければ、まともな生活も結婚もできない。
それなのに麻生自民党は、「10年で100万だゾ、どうだマイったか民主党、これが責任力だ」みたいに得意がっているから、正気なのかと麻生首相の頭を揺すってみたくなってくる。
「バカですよ」と言うのは経済評論家の広瀬嘉夫氏だ。
「10年も先のことを言うのなら、もっと夢を与えることを言えばいいのに、たった100万円とはしょぼ過ぎて言葉もありません。池田勇人内閣の“所得倍増計画”を真似たんでしょうが、ケタが違いすぎます。これでは、多くのサラリーマンは“なんだよ、この先10年で100万円しか所得は増えないのか”と絶望的になるだけです。そこが分からず、夢と希望を萎えさすだけの自民党の政治家たちの発想力、立案能力の欠如には呆れ果てますね」
国民1人当たりのGDPが93年には世界一だった日本だが、バブル後遺症や小泉改革の失敗とともに転がり落ち、今では世界の中位。可処分所得はOECD加盟国の中では中位以下。逆に貧困率は30カ国中、悪い方から5番目だ。大企業は儲けても社員に還元せず、10年も労働者の賃金を減らし続ける自民党政権の悪政・失政で、本当に国民総貧乏になってしまった。こんな貧乏神政権だから、しょぼい経済政策しか出てこないのだが、それを自慢げにマニフェストの目玉にして、選挙で票を集めようとは、自民党も本当にヤキが回った。
(日刊ゲンダイ2009年8月3日掲載)
2009/8/6 10:00 更新
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