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『小沢一郎 虚飾の支配者』とかつての政党助成法違反容疑での刑事告発(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場)
http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/407.html
投稿者 gataro 日時 2009 年 7 月 31 日 11:37:16: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51222201.html から転載。

『小沢一郎 虚飾の支配者』とかつての政党助成法違反容疑での刑事告発

(1)昨日帰宅すると、書籍が送(贈)られてきていた。

その書籍とは

松田賢弥『小沢一郎 虚飾の支配者』講談社・2009年

である。

(2)私は小沢一郎氏の政治資金問題で「週刊現代」の取材に何度も応え、私のコメントが紹介されてきた。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51082199.html

この著書は、そのときの記事なども含めて書かれている。
それゆえ、本書には、私のコメントが何箇所が出てくる。

だから、私にも献本されたのであろう。

(3)本著は以下のような構成になっている。

まえがき
第1章 西松事件は氷山の一角
第2章 巧妙な金脈
第3章 裏切りの歴史
第4章 蓄財のからくり
第5章 電波利権の闇
第6章 岩手「小沢大国」の実像
終章  「恐怖支配」の実態
あとがき

(4)小沢一郎氏は、自民党(とりわけ田中角栄氏)の金権腐敗という体質を有している。
それゆえ、私は、西松建設の違法献金事件で、小沢氏の公設秘書が逮捕され、起訴たとき、民主党の代表(当時)を辞するべきだと主張した。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51116504.html

(5)今回、私は、小沢氏側を刑事告発してはいないが、2000年2月に、政党助成法違反容疑で、当時の6人の党首を刑事告発したことがあり、その党首の一人に小沢氏がいた。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/50882263.html

新進党(当時)は1997年末から98年初めにかけて解答し、6つの政党に分党した。
しかし、6党は、98年1月1日時点では、存在しなかった。
分党が完了していなかったからだ。
6つの新党が結成されたのは、年明けであった。そう新聞は報じた。
にもかかわらず、6党は「1月1日現6)」存在したとして政党交付金の申請手続きを行い、同年、政党交付金の交付を受けたのだ。
これは、政党助成法違反であった(参照、拙著「政党助成法の憲法問題」日本評論社・1999年)。

政党助成法第5条  政党交付金の交付を受けようとする政党は、その年の1月1日(・・・)現在における次に掲げる事項を、基準日の翌日から起算して15日以内に、総務大臣に届け出なければならない。


第43条  政党(・・)が偽りその他不正な行為により、政党交付金(・・)の交付を受けたときは、当該政党の役職員又は構成員として当該行為をした者は、5年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

私は、知り合いの憲法研究者に呼びかけ17名で、当時の6名の党首(小沢一郎・自由党党首、神崎武法・旧新党平和代表、白浜一良・旧黎明クラブ代表、小沢辰男・改革クラブ代表、中野寛成・旧新党友愛代表、鹿野道彦・旧国民の声代表)を東京地検に告発したのである。
当時は、北九州大学の教員だった。

(6)この告発を最初に報じたのは、東京新聞・中日新聞と西日本新聞であった。
事前に取材を受けていたからである。同じ日の朝刊で報じた。
その朝、大学から電話があり、ある新聞社からの取材依頼があるとの連絡を受けた。
私は自宅を飛び出したところ、西日本新聞の記事を手にした、知り合いの別の新聞社の記者とばったり会って、タクシーに乗せられ、そのまま私の研究室へ向かった。
その日は、私の研究室にマスコミの取材が殺到したのを今でも記憶している。

(7)小沢一郎氏は、自民党の金権体質だけを有するのではなく、橋本「六大改革」や小泉「構造改革」という財界政治を先取りする先駆的な「改革」論者の一人であり、細川内閣で、1994年に、衆議院議員の選挙制度を中選挙区制から非民主的な小選挙区本位のものに改悪し、国民の税金を原資とした政党助成法を導入し政党を国営政党化した張本人であった(参照、小沢一郎『日本改造計画』講談社・1993年)。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51016121.html

それゆえ、ここで紹介した本書は、小沢氏だけではなく、自民党の財界政治が部分的に書かれている、といえるだろう。

(8)ところで、西松建設の違法献金問題では、小沢氏側だけを刑事責任追及するのは、不公平である。
それゆえ、私たちは、二階大臣側も刑事告発してきた。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51217581.html
もちろん、二階大臣だけではなく、他の自民党議員も問題である。
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51111599.html

(9)ついでにいえば、2007年参議院議員通常選挙で自民党は惨敗したが、その原因の一つに、「政治とカネ」の問題もあった。
当時の松岡大臣(故人)の事務所費・光熱水費の問題、後任の赤城大臣の事務所費問題等で、「週刊現代」のスクープ記事でも私のコメントが紹介された。

(10)遡ればきりがないが、保守政治家の金権体質を問題にするのであれば、小沢氏だけではなく、他の自民党議員も対象にすべきである。
もちろん、金権体質だけではなく、財界政治を推進したことも重要である。

したがって、ここで紹介した、小沢氏についての著書だけではなく、保守政治家の金権体質や財界政治を推進したことを取り上げた著書の出版も、望まれるのではなかろうか。

 

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