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民主党政権時代には共産・社民両党の存在が重要だ
小選挙区で民主党、比例区は社民・共産の健闘を促す投票を
櫻井智志2009/07/27
自公政権は、8月30日の衆議院総選挙でその座を民主党を中心にした政権に明け渡すだろう。そういう観測が新聞やテレビで喧伝され、世論でも民主党への「まだましな政権」としての期待が増加している。
平和共同候補擁立運動をここ数年間、地道に持続している通称「平和の風」のブログで注目される見解が掲載されている。今回行われた東京都議選で、民主党への圧倒的な支持の投票は、自民党の議席を激減させたと見られている。しかし、注目される見解の太田光征氏は、次のように述べている。
『自民党は現有48議席から10議席減らしています。「圧勝」した民主党ですが、民主党の反自公部分での功績は、この10議席のみといえます。(これ以外で増やした)10議席は、共産党や生活者ネットから奪った水太り部分です。これが民主党候補に投票した東京都有権者の民意なのかどうか、非常に疑問です。』
・平和への結集ブログ
太田氏は、「今回の結果から、来る総選挙での民主党の勝ちすぎが懸念されます。比例区では民主党にまったく投票しなくとも政権交代は十分に可能です」と結論づけている。次点で落選した議席の多くは、日本共産党である。民主党が34議席から20増やした議席の半分の、なんと10議席は、日本共産党や生活者ネットの現職の議席を直撃している。
これは何を意味しているか。近づく総選挙で、民主党への圧倒的投票は、自公政権を崩壊させることとなるだろうが、同時に、比例区における民主党の大量得票が、共産党や社民党の議席を大幅にダウンさせかねない、ということだ。
さらに、民主党は、選挙政策として、国会議員の大幅削減をうたっている。とくに衆議院での比例区を大幅に減らして代議士の議席を削減することを、公約のマニフェストにも掲載するといわれている。つまり社民党や共産党の議席は、国会において雲散霧消していくことで2大政党制を実現させようとしているようである。
現在の自公政権よりは、民主党中心の政権のほうが、はるかにましと思われるのは、小泉純一郎政権の「格差社会」「日本崩壊」政治の延長線上にあるよりはまだましと考えるからだ。だが、民主党1党の政権が、政権の現実味を帯びるに従って、財界のしばり、アメリカ軍部と結託した防衛政策のしばりが、露骨に見え出している。
それでは、民主党政権はご免!!ということか?
否! 私は、民主党政権が近づいているからこそ、社民党と共産党の役割の重要性が高まっていると考える。とくに、核兵器廃絶を訴える両党の防衛政策はきわめて重要であり、オバマ米大統領の核廃絶アピールとも呼応して、外交政策において日本が世界的に核廃絶を現実的に推進していく上で重要な位置を占める。
さらに、経済と労働において、アメリカン・グローバル企業従属指向でなく、日本国産業、農業や製造業、金融業において、国家の主権を堅持し、ルールに則った経済活動を進め、雇用の保障を現実化していくうえでも、共産党や社民党の政策は、きわめて妥当なものといえよう。
これから総選挙まで、異例とも言える長期の選挙活動が事実上始まっている。民主党護憲派議員を主にした選挙区での当選をはかるとともに、比例区では、やはり社民党や共産党の健闘を促す投票が必要だ。
黒か白か、ではなく、民主党も左翼両党も、それぞれの位置で活躍してほしい。自民党の内部でさえ、良識ある政治家が当選しなければ、国政は低下する。政党政治では、議員でなく政党が中心であることは承知している。それでも、この混乱と変革の時期を迎えて、政治的主体としてしっかりとした人物を選ぶべきだ。安易に政界再編の風でも吹けば、自民党以上の極右政党さえできかねない。
http://www.news.janjan.jp/government/0907/0907257739/1.php
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