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http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090729/170838/?P=1
7月28日に民主党のマニフェストが公表された。
当然のごとく、自民党からは財源を示さぬ、無責任な人気取り政策だとの批判が続出した。
「財源を示すことなしに、耳さわりの良いことばかりをあげつらねた民主党のマニフェストは究極のポピュ
リズムだ」
自民党政治を続けるのか、やめるのか
子供手当てや高速道路無料化など新たな歳出項目に必要な費用は明記したものの、歳出カットの個別具体的
な数字はたしかに示されていない。その意味では自民党幹部による民主党マニフェストへの批判は妥当する。
一方、自民からの財源批判に対しては、民主党もメディアを通じて、繰り返し反論をしてきた。
「霞が関から十分な情報提供を得られない野党のままでは、財源の詳細を示すことなどできるわけがない。
だが探せば財源は必ずある」というのが民主党の主張だ。
いよいよ総選挙政権交代がリアリティをもってきた今、私たちは民主党の財源問題をどのように受け止めた
らいいのだろうか。無責任だと切って捨てることもできるし、もっともだとその言い訳を受け入れることもで
きなくはない。
結論から言えば、民主党への財源批判は不毛な議論に思える。
なぜなら民主党のマニフェストは終始一貫、永年の自民党の政策に対するアンチテーゼになっているからだ。
これまでの自民党政治を続けるのか、やめるのか。民主党のマニフェストはそれを国民に突きつけているからだ。
政権構想5原則がマイナスを補う
たしかに政策の中身を仔細にみると、個人的には首を傾げたくなるものもある。財源問題がまったく気になら
ないかといえば、嘘になる。しかしマニフェストのなかで示された「鳩山政権の政権構想 5原則」をみると、
諸問題のマイナスを補って余りあるものがある。
原則1 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。
原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ。
原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。
原則4 タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ。
原則5 中央集権から、地域主権へ。
5原則はまぎれもなく自民党政治へのアンチテーゼであり、民主党の1丁目1番地は「脱官僚政治」であることが
明示している。
そこで問われるのは「なぜ官僚政治ではだめなのか」を明らかにすることだろう。
おりしもTBSが戦後日本の奇跡的な復興の原動力となった通産官僚の姿を描いた『官僚たちの夏』(城山三郎原作)
というドラマを放送している。官僚が国家、国民のために本気で奔走した時代があったことは間違いない。もちろ
ん今でも素晴しい官僚がいないわけではないが、問題の本質は霞が関の中央集権体制それ自体が、時代遅れになっ
てしまったところにある。
右肩上がりの経済成長が当たり前の時代が終わり、少子高齢化による人口減少で国内市場の拡大が見込めぬ時代に
踏み込んだ。ありとあらゆる業種業態で、地域間格差が広がり、霞が関が全国一律のメニューを示しても、なんの問
題解決にもならなくなってしまった。
官僚の天下りや税金の無駄遣いは問題だが、全国一律のメニューを提示することで国家を動かしてきた霞が関のビ
ジネスモデルが死んでしまったことが、じつは日本にとって最大の問題なのである。
民主党のバラマキは国民への直接給付
もっとも自民党も脱官僚政治への取組がなかったわけではない。
いまや小泉政権は日本を不幸のドン底に叩き落した元凶のようにいわれがちだが、脱官僚政治の実現に初めて動い
たのは小泉政権だった。わずか一年で自滅した安倍内閣は情けない限りだが、脱官僚への思いだけは明確に持ってい
た。だが福田内閣から脱官僚への問題意識が低下し始め、麻生内閣では振り子が逆ブレした。「脱官僚」どころか
「脱官僚つぶし」に麻生内閣は走った。
史上最大の景気対策となった14兆円の補正予算の中身もすべて官僚まかせという、驚くべき醜態を露呈した。それ
を知っていたから、マスメディアは「だたのバラマキだ」と酷評した。
ところが、民主党のマニフェストが明らかになるや、それを見た自民党から「バラマキ批判」が噴出してきた。な
かには「14兆円の補正予算よりバラマキだ」などという声まで自民党幹部から漏れてくる始末だ。
表面だけをみていると、似たり寄ったり、五十歩百歩の感も否めないが、おなじバラマキでもその底流に流れてい
る思想はまるで違う。自民党のバラマキは霞が関の官僚たちへのバラマキに終止している。最終的な予算の使い方は
官僚が決める。
対照的に民主党のバラマキは国民への直接給付だ。官僚に予算をばら撒くのではなく、国民に直接ばら撒く。同じ
バラマキでもはるかに筋がいい。
脱官僚政治を望むのか、望まないのか。
それこそが次期総選挙の争点といっていい。
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