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「天下り」など官僚に対する非難は激しい。しかし、官僚を擁護するわけではないが、売国利権と官僚利権は明確に区別する必要がある。官僚利権が売国利権と呼ばれることはなかった。売国利権という名前が適切と思われるのは、小泉竹中以降である。なぜだろうか?
日本の国家予算、国民の資産は、これから急激に変化するわけではない。つまり、利権の対象となるパイはかなりの程度一定であり、限られているということだ。当然、売国利権と官僚利権との間には確執、競争が存在するに違いない。両者の最大の違いは何だろうか。ちょっと考えるだけで、次の2点が挙げられる。
・ 売国利権の場合、その名から明らかなとおり、日本の資産がかなりの割合で流出する。それが目的だからだ。流出によって不景気となり、日本の資産価値が低下し、流出したカネによって、その低下した資産が買い占められる。これに対し、少なくと官僚利権の方はだいたいがオカネが日本国内に還流する。これは、小泉竹中政権下での、その理由さえも見つからない、とんでもない額の為替操作、国債発行、さらには、再浮上するであろう郵政問題に見て取れる。郵政民営化によってもたらされた途中経過を見れば、売国利権は、日本の破壊そのものを目的としているとも考えられる。
・ 両者とも不当であることに変わりはないが、官僚利権を得るのは少なくとも日本国民である。選挙で選ばれたわけではないが、日本国内には本人、近親者も国内に在住し、国民が目覚めさえすれば、それなりの圧力を受けざるを得ない。また、不当性を法的に告発する機会もありうる。これに対し売国利権の方は、こういった圧力、告発の機会はほぼ100%不可能だろう。取られっぱなしになる。単に国外に出てしまえば、いいだけのことだ。
官僚の中に売国利権に関わっている連中が一部いるだろうが、しかし、売国利権と官僚利権のこの根本的な違いは頭に置いておかなければならない、と考える。竹中や小泉が唱える反官僚、テレビ朝日が執拗に続ける反官僚キャンペーンもパイの奪い合いから生じる抗争という観点から見るべきだ。ご承知のように、自民党の政治家は官僚の手のひらで踊らされてきただけで、これといった考えもない。公明党は創価学会で、池田大作がすべてであり、宗教団体が日本のことを考えるよう求める方が間違っている。
湘南の片田舎から
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