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(回答先: Re: 今の日本に最も必要な政治の指南書としての良書 投稿者 MAGIC 日時 2009 年 8 月 10 日 21:39:30)
辣腕記者として森喜朗の売春取締り逮捕事件をスクープした、山岡記者の有料ブロッグに出ていた書評を紹介する。
山岡俊介の「ストレイ・ドッグ」より
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/
<書籍紹介>『「さらば、暴政」自民党政権ー負の系譜』(藤原肇。清流出版)
2000年5月に小渕首相が急死して以降、森→小泉→安倍→福田→麻生と、国民の意思とは何ら関係なく、わが国リーダーが自民党内で、世襲代議士を中心にたらい回しされたのは周知の通り。その失政による亡国現象の段階は、それまで4段階中の2の「愚行」だったところ、この間に、3の「覇権欲」も飛び越し、いまや最悪の「暴政」段階にまで突入していると筆者は分析する。そして、戦前の「大学は出たけど」「農家の娘売り」の現代版、「ニート」や「フリーター」が蔓延のなか、放浪の自由に続き、あの時代同様、軍隊に収容される時代が来ようとしていると警鐘を鳴らす。
この間、小泉や安倍といった個別かつ部分的な政治状況を批判する本は数あれど、本書のように、今日の政治状況を、わが国、まして世界的な歴史(戦前のファシズム台頭時など)との類似性を比較し、論評するものは皆無と言っていい。フランスで理学博士号を取り、その後、世界を動かす「石油」の仕事に米国において長く関わり、40代初めにして、世界の動向に危機感を抱き、以降、国際コメンテーターとして活動している藤原肇氏(71。米国資本主義の崩壊を見届けて以降は、台湾在住)だからこそできる仕事だろう。
藤原氏の批判は、愚民工作に邁進するわが国のジャーナリズムにも向けられている。
そして、そのなかでもテレビをフルに活用し、「小泉劇場」を演出した小泉と、独・ヒトラーとの共通項にも言及、断罪する。
民主主義が愚衆主義に転化したのが、小泉首相の時期で、歴史は衆愚主義が暴政を生むことが多いことを証明しているという。
日本の現状は1930年に似ており、このままでは、格差社会拡大から来る暴動鎮圧のため、治安出動と戒厳令が許容され、権力はますます肥大化し、あのジョージ・オーウェルの「1984」体制が確立するだろうという。
その視点は斬新かつ先駆的で、必読の書といえる。
(1400円+税)
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