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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu196.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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西太平洋における米軍の後退が現実のものになれば、日米同盟は
事実上その抑止機能を期待できなくなる。日本の軍事的「自立」は必然。
2009年7月23日 木曜日
「内海」と化した南シナ海での米海軍の航行は、
中国により厳しく規制される恐れがある。
◆日本は軍事的自立かギブアップか 7月22日 安倍純一
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1400
回は、中国が米国中心の東アジア国際秩序に対抗し、自国中心の国際秩序を構築する野心を持って富国強兵を追求していることを述べた(前回の記事はこちら)。
その中国が台湾を取り込んだら、東アジアの安全保障環境はどうなるだろうか。
台湾は北東アジアと東南アジアの結節点に位置し、台湾海峡とバシー海峡という2つのチョークポイント(戦略上の要衝となる水上航路)に接している。
台湾を中国海軍の拠点とすることができれば、中国にとって太平洋への進出が容易になり、かつ、米国海軍の南シナ海、インド洋への展開を効果的に牽制できる。極論すれば中国によって太平洋とインド洋が分断されることになってしまうのである(下の地図を参照)。
そうなった場合、すでに経済的に中国への傾斜を強めている東南アジアのASEAN諸国は中国への従属を余儀なくされるだろう。
南シナ海を押さえ、太平洋進出もうかがう中国
インド洋と南シナ海を結ぶマラッカ海峡に面した華人国家、シンガポールが中国海軍のアクセスを受け入れることになれば、南シナ海は出入り口(台湾とシンガポール)を中国が押さえることになる。完全に中国の「内海」とすることができるだろう。
今年3月、米海軍音響測定船「インペッカブル」が南シナ海の公海上で調査活動中、中国艦船による妨害を受ける事件があった。
中国の立場は、たとえ公海上であっても中国の排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)である限り、中国の法令(この場合、中国の「領海及び接続水域法」など)の規制を受けるというものである。
中国は、「インペッカブルが中国のEEZで許可なく活動していた」(中国外交部の馬朝旭報道局長)との認識を示した。公海上の行動は国際法によってその自由が確保されているという米国側の認識と大きな違いを見せた。
EEZにおける国家主権を強調する中国のこうした対応から考えて、「内海」と化した南シナ海での米海軍の航行は、中国により厳しく規制される恐れがある。
かかる事態が出現した場合、インド洋での米国海軍のプレゼンス(存在感)を維持しようとするなら、西太平洋・インド洋を担当海域とする第7艦隊は、ロンボク海峡経由で航行しなければならなくなり、マラッカ経由と比べて移動に時間がかかる。インド洋で海軍力の機動的な展開が必要な場合は、ペルシア湾を中心に展開する第5艦隊が、地中海を担当する第6艦隊と協調してその任務を担うことになろう。
逆に、そうした態勢が取れれば、第7艦隊は西太平洋に作戦行動を集中できることになる。台湾をベースに太平洋に進出し、第2列島線(伊豆諸島を南下し、小笠原諸島、マリアナ諸島、サイパン、グアムを結ぶ列島線)を目指す中国海軍と、それを迎え撃つ米第7艦隊という構図が浮かび上がる。
その場合、沖縄はあまりにも大陸に近すぎることから、米軍は嘉手納や普天間、ホワイトビーチなど沖縄の基地群の使用を諦め、グアムからハワイを結ぶ線を死守しようとするかもしれない。
米海兵隊のグアム移転や、グアムにおける攻撃型原潜の戦力拡充、「B52」戦略爆撃機や「F22」ラプター戦闘機の配備は、太平洋進出をうかがう中国の行動を先取りした米軍の対応と見ることもできる。
台湾向けの軍備を自由に動かせるようになる
中国が軍装備の近代化を本格化させたのは冷戦終結後の1990年代に入ってからである。近代化の主たる目的は、台湾の「独立」を物理的に阻止するための海・空・ミサイルの戦力拡充であった。
ロシアから導入した「スホイ27」は安徽省・蕪湖、広東省・遂渓に最初に配備されたが、ともに作戦行動半径に台湾を収める配置であった。福建省に集中配備されている「東風11号」「15号」の戦術弾道ミサイルは、当然ながら台湾を標的にしており、その数はすでに1000基をはるかに超えている。
中台の経済的接近は現在までのところ、軍事的緊張緩和まで進んでおらず、福建省に配備された戦術弾道ミサイルも年100基を超える増強ペースのままである。
しかし、すでに中国は台湾の「独立」を差し迫った問題と見てはいない。いずれ近い将来、両岸の信頼醸成措置(CBM:Confidence Building Measures)が議題に上がり、中台は事実上、軍事的敵対関係を解消する方向を目指すことになろう。福建省のミサイルは、その時のための台湾側の譲歩を引き出すカードとなり得る。
台湾海峡の緊張が緩和すること自体は、東アジアの国際環境にとって好ましい変化をもたらす。しかしながら、長期的に見ればそれによって中国の軍事力配置の自由度が高まることは、東アジアの安全保障環境における懸念材料となる。
台湾に向け集中配備されてきた軍備を、中国は必要に応じて自在に移動できるようになるからである。
横須賀の米空母も射程に
例えば、東風15号が福建省内部で東寄りに移動しただけで、その射程600キロメートルは東シナ海の日中中間線を越えて日本側まで入り込む。尖閣諸島はすっぽりその射程に収まるし、宮古島以西の南西諸島も同様である。
命中精度の問題もあり、海上における弾道ミサイルの直接的脅威については過大に捉えるべきではないかもしれない。だが、日本の安全保障が脅威にさらされる事態になることは疑いなく、東シナ海の排他的経済水域確保すらおぼつかなくなる恐れがある。
すでに指摘したように、かかる状況下では米軍が沖縄にある基地群を利用することも難しくなる。しかも中国は準中距離弾道ミサイル(MRBM)「東風21号」を改良し、機動式弾頭(MARV)を搭載することで対艦攻撃能力を持たせようとしている。
射程1500キロメートルの対艦弾道ミサイル(ASBM)の実用化はまだ実現していない模様だが、これが実現すれば横須賀に停泊中の米空母もこのミサイルの射程に入ってしまうことになる。
そうした場合、米軍の西太平洋における防衛ラインが、中国のASBMの射程外にあるグアム〜ハワイの線まで後退する可能性も排除できない。東アジアで前方展開してきた米軍が後退することによって、東シナ海、南シナ海は事実上「中国の海」ということになる。
その先にある中国の「野望」は、2007年に訪中したキーティング米太平洋軍司令官が中国の軍高官から持ちかけられたという、「太平洋をハワイ以東と以西で分割し、中国と米国でそれぞれ管理する」ことなのかもしれない。
考えられるシナリオは3通り
これまで述べてきたことを前提に、日本の取り得る安全保障政策を考えてみたい。シナリオには3通りが考えられる。
第1のシナリオは、日本の軍事的「自立」である。
西太平洋における米軍の後退が現実のものになれば、日米同盟は事実上その抑止機能を期待できなくなる。今後の北朝鮮の動向次第だが、在韓米軍の規定路線は撤退の方向にある。それによって朝鮮半島は中国の影響力が拡大するであろうし、東南アジアも中国に従属する事態となれば、日本は東アジアで「孤立」せざるを得なくなる。つまり、自らの力で安全を確保しなければならなくなる。
独自の抑止力としての「核の選択」も当然あり得る。その場合、日本の核武装を容認しない米国の立場が変わらない限り、日米同盟関係は解消されることになろう。(後略)
(私のコメント)
安倍純一氏の記事にもあるように台湾が中国の手に落ちれば、東シナ海や南シナ海は中国の内海となり、米海軍の行動が制約される事になる。沖縄の米軍基地の存在価値も低くなりグアムからハワイに米軍は防衛ラインを引き下げざるを得なくなっている。その原動力になっているのは中国の中距離ミサイル開発であり、横須賀の米空母も中国からのミサイルが雨あられと降ってくるようになれば意味がなくなる。
台湾が中国の手に落ちれば東シナ海と南シナ海は中国の内海となり、そこに入り込めば第七艦隊と言えども袋のネズミとなってしまう。空からは弾道ミサイルが降ってくるし、水中からは潜水艦からの攻撃がある。そのようなところに6000人も乗り組んでいる原子力空母を航行させる事は不可能に近くなるだろう。
そうなればアメリカの第七艦隊はインド洋への航行が大回りとなり、ペルシャ湾の第五艦隊か地中海の第六艦隊がインド洋を受け持つ事になるだろう。南シナ海が中国の内海となればASEAN諸国も中国の勢力下に入り中国の属国化は避けられない。そうなれば中東からの石油の航路も大きな制約を受ける事になる。
中国の経済発展により軍事費も年々拡大されて近代化が進んでいる。そしてその中心が中国海軍の外洋進出であり、中距離ミサイルの射程範囲内なら米海軍も近づけなくなる。現状においても米海軍の空母が台湾海峡を航行する事は極めて珍しくなっている。さらに米海軍の観測船が南シナ海の公海上を航行していたら中国艦船の妨害を受けている。
このように中国近海においては米海軍と言えども行動が制約されるようになり、沖縄は中国に取り囲まれて孤立した砦の様になってしまっている。台湾が中国に戦わずして取り込まれてしまうのも時間の問題だろう。アメリカは三つのNOで台湾の独立を認めていない。中国も台湾に直接手を出すよりもホワイトハウスを取り込んでしまうことで台湾を手に入れるだろう。
台湾で成功すれば、次は日本に対しても同じ手で来るだろう。このような状況においてアメリカに国防を全面的に依存している事はきわめて危険であり、米中が密約すれば台湾や日本は中国に引き渡されるという事も考えられる。だから自主防衛能力が無ければ独立国とはいえないのですが、日本人は戦後から軍隊を持つことは悪であると教え込まれてきた。
自衛隊は法律上では軍隊ではない。だから軍法会議もなく事件が起きれば警察が取り締まる事になる。海上自衛隊のイージス艦も米海軍の指揮下にあり情報の提供がなければその能力はないに等しい。「株式日記」では日本の自主防衛体制と核武装を主張しているのですが、暖簾に腕押し、糠に釘状態で、日本人は国防を真剣に考えなくなってしまった。
その原因の一番大きなものはアメリカに対する依存意識が強すぎることだ。私がアメリカに対して疑いを持つようになったのはクリントン政権時代であり、アメリカ政府は中国を最重要パートナーとして選ぶようになった。
◆「中国は極めて重要」、クリントン次期国務長官が外交方針で強調―米国 2009年1月16日 レコードチャイナ
http://www.recordchina.co.jp/group/g27668.html
2009年1月13日、オバマ次期政権の国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員は米上院外交委員会の指名承認公聴会に出席、その外交方針を語った。33分間の演説中に繰り返し中国に触れるなど、中国が最重要の戦略的パートナーであることを印象づけた。15日、環球時報が伝えた。
クリントン上院議員は中国について以下のように話している。
「世界のパワーバランスが変化する中、中国は極めて重要な役割を担っている。われわれは積極的に中国と協力関係を築かなければならない」
◆「世界を変えられるのはG2(米中)だ」 ブレジンスキー元大統領補佐官 FT 2009年 01月 16日
http://abetch.exblog.jp/7819382/
現在、米中が共通で抱くべき重大な目標というのは何であるのか?米中関係は不変であってはならない。拡大するか縮小するかである。世界にとって、そして米中にとってもメリットがあるのは、米中関係が拡大する場合である。実際問題として、米国と中国は、今回の経済危機への対応に係る緊密な協力という直近のニーズを越えて、戦略地政学的な協力を拡大・深化する必要があるのだ。
(私のコメント)
このような発言がアメリカ政府高官から次々と出されては、同盟国の日本としては心穏やかであるはずがなく、米中の密約によって朝鮮半島から台湾に至るまでの一帯を中国の勢力圏とみなす協定が話し合われた疑いがある。中国海軍と米海軍高官との会談の席では太平洋の東西分割協定まで出たという証言が米議会でありましたが、最近の米中関係は注意が必要だ。
米中関係を考える上で重要な事はキッシンジャーと周恩来の会談であり、その会談において米中が連携して日本を封じ込める内容があった。キッシンジャーによれば日米の軍事同盟は日本を守る事よりも日本をビンの栓で封じ込める意味があるというのだ。今もアメリカの戦略はそれと変わりがないだろう。米中にとっては日本を弱体化しておくのは共通の利益だからだ。
◆「日本人は視野が狭い」 米中が対日警戒感共有 2002年7月1日 共同通信
http://www.asyura.com/2002/bd18/msg/720.html
【ワシントン1日共同=渡辺陽介】一九七二年のニクソン米大統領の歴史的な訪中の準備のため、当時のキッシンジャー大統領補佐官が、七一年十月に周恩来・中国首相と行った会談の会談録が一日までに明らかになった。双方は「日本人の視野は狭い」などと一致、米中の関係改善の背景に対日不信感があったことが裏付けられた。
米民間シンクタンク「国家安全保障公文書館」が米国立公文書館などから会談録を入手、公表した。会談録は日本の経済発展や再軍備の懸念で歩み寄り、米側が「日本について(米中は)同方向の利害を持つ」(キッシンジャー氏)と明言するなど、対日警戒感を共有したことも浮き彫りにしている。
会談は、十月二十二日に北京の人民大会堂で四時間余りにわたって行われ、約四分の一が日本について費やされた。 会談録によると、首相は「日本は第二次大戦の賠償も払わず戦争から利益を得た」と批判、補佐官は「日本にはまったく幻想を持たない」と応じた。
首相はさらに「経済拡大は軍事拡大につながる」と強い懸念を表明し「日本を今の状態に太らせた」と米国を批判。補佐官は「日本を経済的に発展させたことを今は後悔している」と語った。
また、日本人への評価としては、補佐官が「中国は普遍的な視野があるが、日本は部族的な視野しかない」と述べると、首相は「ものの見方が狭くとても変わっている」と評価が一致。さらに補佐官は「日本人はほかの国民がどう感じるかの感受性がない」と指摘した。
補佐官は、日本が大規模な再軍備に走る事態になれば「伝統的な米中関係が再びものを言う」と言明し、米中による日本封じ込めも示唆。米国による日本への核の傘については「米国のために核兵器を使うより、日本のために使う可能性は少ない」と述べている。
(私のコメント)
アメリカの日米中の関係はこの頃と変わってはおらず、キッシンジャーが話したように、日本を経済発展させたことを悔やんでおり、それが中国の改革開放政策で人民元を四分の一にまでダンピングして日本の製造業に打撃を与えた。中国は現在でも2兆ドルも外貨を貯めこんでいるのに元高を要求しないのはなぜなのだろうか? 日本を憎むキッシンジャーが元安を容認しているのだ。
中国の人権問題に対してもぺロシ下院議長もクリントン国務長官も一言も非難せず容認するのはなぜなのだろうか? 米中関係はアメリカにとっては最重要であり、そのためならアジアの地域覇権も中国に売り渡す事もありえることだ。周恩来やキッシンジャーが言うように日本人は視野が狭く戦略が分からない。米中のG2体制に対する対応としては日本の自主防衛と日米安保体制の見直しが鳩山民主党政権で検討されるべきだ。
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