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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009072302000056.html
霞が関びくびく 民主党が政権とったら…
2009年7月23日 朝刊
中央官庁が集まる霞が関周辺。官僚たちは衆院選の行方を注視する。奥は国会議事堂=東京都千代田区で、本社ヘリ「おおづる」から
政権交代が最大の焦点となった衆院選。「官僚支配の打破」を最大公約に掲げる民主党の戦略に、霞が関の官僚たちは戦々恐々としている。天下り規制、公共事業見直し、人事権強化…。長い間、自民党と“二人三脚”で省益を維持してきた官僚たちは、反発や戸惑いを隠せない。身近な政策をめぐる官僚たちの本音を探った。
◆文科省
民主党は「官僚主導の画一的な教育を改める」として「中央教育委員会」構想を掲げる。教育の基本方針、教育課程の大枠、教職員確保などをここで決める。そうなれば、幼児教育から小中高校まで担う初等中等教育局を中心に、文部科学省の教育関連部局は事実上解体される。ある若手官僚は「文科省はいらないということか」と自嘲(じちょう)する。
民主党は年間四千五百億円で高校教育の無償化も掲げるが、省内には「どこから財源を持ってくるんだ」の声が根強い。今月、三〜五歳児教育の無償化を提言した同省の有識者懇談会も、高校教育無償化は財政難を理由に「現時点では必ずしも適当ではない」とくぎを刺した。
文化庁が百十七億円で建設を計画する国立メディア芸術総合センターは、アニメの殿堂と批判する民主党中心の政権になれば凍結となる。同庁は今月中の基本計画策定を急ぐが「一度計画がつぶれたら二度と機会はなくなる」と不安を漏らす。
◆国交省
民主党の目玉政策の一つが首都高速と阪神高速を除く高速道路の無料化。実施されれば毎年の料金収入から二兆円がなくなる。高速道路会社が旧日本道路公団から引き継いだ借金残高は三五・二兆円。無料化になれば借金の大半を税金で肩代わりするため、国土交通省幹部は「国民の理解が得られるのか」と反発する。
さらに最も恐れるのはガソリン税などの暫定税率の廃止だ。民主党は二・五兆円の減税とPRするが、幹部は「廃止になれば財務省はまず、国交省に穴埋めを求める。道路建設はおろか、維持管理にも影響しかねない」と懸念する。
民主党の公約には群馬県の八ッ場(やんば)ダムなどの建設中止も。道路とダムという旧建設省の“牙城”切り崩しに省内は戦々恐々だが、別の幹部は「民主党は政権奪取後に自らの首を絞めかねない公約を掲げる。本気で改革するつもりなのだろう。どんな政権になってもわれわれは大臣を支える立場だ」と淡々と語った。
◆法務省
「全面可視化にしてしまうと、取り調べは難しくなると思うが、政権が交代しても淡々とやるだけだ」と話すのは法務省幹部。
密室での違法な取り調べによる冤罪(えんざい)を防ぐため、容疑者の取り調べをすべて録音録画する可視化法案は、足利事件で菅家利和さんが十七年半ぶりに釈放され、野党側から成立を求める声が一段と高まっている。
法案は鹿児島県や富山県で相次いだ冤罪事件を受け、民主党が二〇〇七年十二月に参院に提出。昨年通過したが、衆院で廃案に。今年四月、再び民主、社民両党で参院に提出。野党各党の賛成多数で可決した。政府・与党には「捜査に支障が出る」と反対が根強い。今回、衆院では審議入りしなかったが、政権が交代すれば成立する見込みが高い。別の法務省幹部は「国によって捜査の事情が違う。全面可視化が日本にとっていいとは限らない」と反論する。
◆厚労省
年金記録問題をきっかけに廃止が決まった社会保険庁。来年一月から「日本年金機構」に変わるが、民主党は「経営責任が不明確」と反対を表明。仮に政権が交代すれば、計画がひっくり返る可能性は十分ある。
厚生労働省の幹部は「年金機構が法律で決まっている以上、粛々と準備を進めるしかない。だが、後で『どうして民主党政権になるまで待たなかった』と言われたら困る」と頭を悩ませる。
機構は職員千人を民間から採用することにしており、「選挙後では研修や人事が間に合わない」と、今月中に内定を出す予定。別の幹部は「政権交代後、機構の発足はやめろと言われれば、従うだけ。官僚は、立法府の決めたことを具体化するのが仕事」とぽつり。
民主党「次の内閣」年金担当相は、消えた年金を暴いた長妻昭さん。社保庁幹部は「これまでのように『お前ら、だましているんだろう』という批判はしないでしょう」と祈るように語った。
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