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2009年7月 9日 (木)
ジョセフ・ナイ氏は米国の核の傘を信頼せよと言うが…〜読売新聞7月9日朝刊[グローバル・ビューポイント]
読売新聞7月9日朝刊国際面コラム[グローバル・ビューポイント]でジョセフ・ナイ元米国防次官補が<北朝鮮崩壊に備え、米中協議を>の見出しでインタビューに応じていた。まあ、今までのナイ氏の発言とそう大差ないのだが、中で一点、拡大抑止の信頼性に関して苦しい答え方をしていたのが目に付いた。
ナイ氏は北朝鮮を「核爆弾を2個爆発させ、事実上の核保有国だが、米国と同盟国は朝鮮半島非核化という長期的な政策目標をあきらめるつもりはない」としたうえで「北朝鮮は正当な核兵器の保有国として米国と2国間交渉を行い、米国から攻撃を受けない保証を取り付けることも目指している。北朝鮮は核実験を通し、政権の地位を向上させ、強化しようと望んでいるが、そんなことは幻想だ」と切り捨てる。
北朝鮮に核を放棄させるためにどうすればいいか、という質問には「中国が一層強く圧力をかければ北朝鮮を変えられる、というのは今や陳腐な決まり文句だ。中国派北朝鮮の非核化を望むと同時に中国との国境地帯に大混乱を起こす北朝鮮の崩壊がないように願っている。ちぐはぐな二つの目的ゆえに中国は北朝鮮への影響力行使に及び腰だった。それだけに北朝鮮で体制が崩壊した際の対応について米国が中国と内々に協議を始めるのは賢明だろう。米軍は鴨緑江まで北進すべきか、北朝鮮の難民が殺到した場合の対応で、米国と国際社会が中国をどう支援するか、などについて中国と協議すべきだ」と言う。
そして、日本の敵基地攻撃論や核武装論について次のように話している。
<日本の核武装が不可避とは思わない。日本はどのみち、その気になればいつでも核武装できる能力をずっと以前から有している。にもかかわらず、日本は核武装しないと決めてきた。世論の8割方が反対しているからであり、核武装が最終的に日本の安全保障を損なうからでもある。もちろん、米国が日本との同盟関係を打ち切ったり、日本も収める米国の核の拡大抑止力が信頼性を失ったりすれば、状況は一変する。その場合、日本は核武装するかもしれない。>
この見方は孫崎享氏が「日米同盟の正体〜迷走する安全保障」(講談社現代新書)でした主張とほぼ同じである。日本の核武装は外国からの核攻撃を誘発する可能性がある、という理屈だ。
問題は「米国がいざという時、ロサンゼルスを危険に晒してでも東京を守るのかは疑わしい、と日本では考えられているがどうなのか?」という質問への答えだ。
<冷戦下、ベルリンはソ連の脅威から守られた。東京かロサンゼルスかのジレンマというのは過ちだ。ロサンゼルスを身代わりにせず、東アジアの安全と安定と引き換えにわずかなリスクを取るのだ。米国がそうするとあてにできるか。答えはイエスだ。>
という発言である。これは直接的な回答を留保したとしか思えない発言だ、と思う。本当に米国本土の核攻撃の危険性がある場合にまで日本を守るのかどうか、これは信用するしかない、と言われても、日本人はそう簡単には信用できないのが当然だと思っているのだが。
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