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(回答先: 新自由主義や現実に対する笑っちゃうほどの無理解 投稿者 真夏の海の家 日時 2009 年 7 月 17 日 07:48:04)
作品社から、2730円で出ている。
アマゾンのレビューをいくつかかいつまんで以下に紹介する。
なお、小生は未読。
いまさら新自由主義でもないだろうと思っていたが、レビューを見たら読みたくなったので、さっそく注文することにした。
「新自由主義とは何か」を改めて考えるうえで(2007/3/1 By かがりひらく)
ハーベイは新自由主義の「実践」を「富裕階級の権力回復のプロセス」と捉え、アメリカ、イギリス、ラテンアメリカ諸国、中国、旧社会主義圏などそれぞれの国の歴史的条件に規定されながら、新自由主義改革によっていかに階級的な諸力が変化していったか、その「30年の歴史」を、明らかにしていくのだ。つまるところ「成長」ではなく、あくまで「金持ちの分け前を増やす」ことが新自由主義の本質なのだと。
本書が面白いのは、新自由主義を「グローバル化」論一般に収斂させず、地理的に不均等なプロセスと捉えることで、概念の豊富化に成功していることだ。大きなパラダイムと具体的な事実とをバランスよく論じることで、読んだ人間が具体的に新自由主義の問題を考えていくうえでの有効な視座を与えてくれているように思う。
「新自由主義」という概念は、これからも政治・経済・文化を考えるうえで鍵になっていくだろう。本書は、その参考になるだけの豊かな材料と枠組みを提供していると思う。
新自由主義カルトから脱会するために(2007/5/7 By kanti)
新自由主義――ネオリベラリズム――とは、市場での自由競争によって個人や企業、社会、国家、さらには世界全体の富と福利が最も増大すると主張する政治経済的実践の理論である。本書は、市場原理主義とも言えるこの「特殊な教義」が、どのように発生し、あたかもそれが常識あるいは唯一の選択肢であるかのように世界中で受け入れられていったのかということを、1970年代以降の政治経済史を読み解きながら明らかにしてくれる。
著者の結論から言えば、新自由主義とは「支配階級の権力回復という(成功した)プロジェクトを偽装するための(失敗した)空想的レトリック」である。新自由主義は、あまりに日常的な価値判断に組み込まれているために、私たち自身がそうと認識できなくなっているカルトのようなものかもしれない。お金にまつわる様々なことを個人の能力と結びつけて、社会的経済的な不公平を「自己責任」の名のもとに許してしまうこと。職場で不当な扱いを受けても自分が我慢をすればよいのだと不条理に適応してしまうこと。…新自由主義は、経済成長ではなく格差の拡大を真の目的としたプロジェクトであり、私たちのそうした思考は新自由主義によって誘導され、そのことによって新自由主義が正当化される回路も完成する。
では、その回路を断ち切るために、私たちには何ができるだろうか。著者は、実践と分析をフィードバックさせる対抗運動を展開することで、新自由主義に代わって新保守主義が台頭してくる流れを止め、それらとまったく異なった価値体系、すなわち社会的平等の実現に献身する「開かれた民主主義」を選び直すことができると主張する。日本でも小泉政権の「構造改革」によって非正規雇用者が急増し、多くの人の不安を餌場にする形で「愛国心」を掲げる安倍政権が登場した。
「美しい国」?ホワイトカラーエグゼンプション?…そろそろやられっぱなしは終わりにしませんか?
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