★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK67 > 332.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://chikyuza.net/modules/news3/article.php?storyid=693
<09.07.13> 『通信録』09年7月―吉田茂よ、来たりて麻生太郎の退路を絶て<三上 治>
<みかみおさむ:社会運動家・評論家>
勝負事は未練を残したらいけない。分かっているけど、未練から離れられないのが人間である。そうなると大体のところ、木を見て森を見なくなる。見なくなるというよりは見えなくなるのだ。麻生政権の誕生からの動きを見ているとそんな思いがする。穏やかならぬ心持ちを癒していたのは唯一、海外での談笑だったように思う。そうだ、そのサミットも終わった。誰か、麻生を後ろから押してあげる人はいないのか。都議選の結果をテレビで見ながら、なんとはなしに思い浮かんだことだ。
どこで麻生はつまずきぱなしだったのだろうか。どうして、自分を脅かす風を自らの言動が増幅させるという悲劇〈喜劇〉を演じ続けてきたのだろうか。これは安倍元首相の下で展開した参院選挙の敗北を本当の意味で理解できなかったことにあるのだ。安倍は小泉の郵政民営化選挙の議席を使って強行採決を連発し、強引な議会運営をしてきた。これは祖父の岸信介が50年近くも前の安保条約批准時の国会で強行採決をしたことと似ている。国民は怒り、学生たちは国会構内を占拠するという抗議行動をした。世にいう安保闘争である。安倍の暴挙に対して国民は、今度は参院選挙で応えた。
ここには戦後過程の中でそれなりに成熟してきた国民の民主主義的な意識の現在がある。急進的な行動を取らないにしても、政治意識や感覚でのその深まりがある。これは日本社会が市民社会として成熟してきたことでもある。日本の政治〈権力の構成や運営〉は国民と関係のないお上〈官僚〉に委ねられてきたという伝統があるため、国民の意識や心〈心的動向〉を理解することができない。それは硬直気味だ。これは保守派だけのことではない。左翼といわれる反政府側も同じである。国民の意思や政治的意識を理解する能力が拙いのだ。
麻生に欠如していたのは安倍と同様に国民の意思や意識を洞察する能力であるが、これは彼らが「民意を問う」ことを怖れてきた理由であるし、ある意味で世襲政治家の弱さでもある。人がよい事は政治家の武器〈力〉になることもあるが、欠陥にもなり得る。総じて世襲政治家の陥りがちなところだ。こうなったら、吉田茂よ、麻生の名誉のために退路を絶って選挙に向かわせたらどうだ。
2009年7月13日
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔comment591c:090713〕
(略)
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK67掲示板
フォローアップ: