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水資源機構 天下り2社、参加の入札9割受注
2009年7月4日5時0分
全国でダム事業を展開する独立行政法人「水資源機構」(さいたま市)の08年度の一般競争入札で、機構OBの多数天下る2社が、参加した入札の約9割の受注に成功していたことが朝日新聞の調べでわかった。その大半は1業者しか応札せず事実上競争相手のいない「一者応札」だった。機構は契約の透明性を確保するため従来の随意契約を一般競争入札に移してきたが、実際には受注実績などの厳しい条件を設け、特定業者以外は入札しにくい仕組みを築き、競争を「骨抜き」にしていた。
この2社は建設コンサルタント「アクアテルス」(アクア社、さいたま市)と、その子会社の「オーテーシー」(OTC、東京都)。アクア社は機構OBが社長で、ほかにも09年4月時点でアクア社には30人、OTCには9人のOBが役職員として在籍。アクア社には国土交通省OBも06年に3人、07年に1人が天下った。
朝日新聞の情報開示請求に対し、機構が開示した資料などによると、08年度の一般競争入札907件(少額契約は除く)のうち、アクア社とOTCは計276件の入札に参加し、約91%の252件(48億円)を受注。このうち217件(43億円)はアクア社またはOTCだけが入札した一者応札だった。
特に多いのが公用車の委託、書類作成補助などの「物品役務業務」。207件(30億円)を受注し、この業務の発注額の51%を占めている。2社に続く富士通や日本無線の受注は十数件と格段に少なかった。
アクア社とOTCは「工事」「コンサルタント」などでも計45件(18億円)を受注していた。
割高な落札率(予定価格に対する入札価格の割合)も判明。工事とコンサルタントの一般競争入札の平均落札率は90.3%だが、アクア社など2社の平均は94.3%、このうち一者応札の平均は95.9%。アクア社では99.7%という例もあった。物品役務の落札率は公表されなかった。
機構によると、機構の一般競争入札は、多くに(1)過去に官公庁などから同種業務を受注(2)機構の事業所周辺に本店、支店がある、などの条件があり、新規参入が難しい仕組みとなっていた。また、一般競争に移行したことや個々の入札参加募集を幅広く広報していなかった。
その結果、機構の一般競争入札は7割が一者応札という異常事態になっている。機構の事業費は国費のほか、受益者の負担金などが用いられている。08年度予算では国費457億円、財政融資115億円が投入されている。(座小田英史)
http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY200907030615_01.html
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