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(民主党)民主党の「一括交付金」・「国・市二層構造」構想は地方分権ではない|中川秀直オフィシャルブログ「From HIDENAO」by Ameba
毎日新聞社説の結語にある「自民党は、自公政権下で出された政府の地方分権改革推進委員会による勧告への対応を明示すべき」、「小沢構想に代わり、どんな国家像を描くのか。より踏み込んで語らねばならない」は両方とも正論である。
分権国家を求める社説の基本姿勢を私も支持するし、ネガティブキャンペーンはしたくはないが、民主党の政策の見方について重要な点をいくつかふれておきたい。
第一に、民主党の「一括交付金」構想と「国から地方への財源移譲」構想は対立概念であり、毎日新聞社説が期待するような「同時に」できるものではない。
「一括交付金」か「国から地方への財源移譲」かの二者択一であり、「国から地方への一括交付金」とは「税源移譲しない」ということと同義である。だから、私は「一括交付金」構想は「形を変えた中央集権構想」といっている。地方から中央への陳情はなくならないだろう。
第二に、毎日新聞社説は「民主党は小沢氏の持論だった『国と300市』への再編構想を見送ることにした。道州や都道府県もおかず国と市の2層とすれば国の行政領域を広げ中央集権を加速しかねなかっただけに、理解できる」というが、本当だろうか。私の理解では民主党は霞が関解体と同義の「地域主権型道州制」を目指していない。民主党は、「国と数百市」の二層構造は変えないはずであり、社説の趣旨とすれば理解できないはずではないか。
民主党は300市を600市や700市にするだけであり、二層構造を変えないのではないか。民主党は二層構造の国づくりをするのか、与党、改革派首長が主張する3層構造の「地域主権型道州制」にするのか明確にしていただきたい。
二層構造の国づくりとは、毎日新聞社説がいうように、「中央集権を加速」するものである。その手段が「一括交付金」である。日本を二層構造で300−700の市に分ければ、絶対に自立できない。だから税源移譲できない。一括交付金をばらまく。これは中央集権であり地方分権ではない。
第三に、民主党の「脱・官僚」についてであるが、局長以上の人事など、脱・官僚のいくつかの方針が「腰砕け」になる一方、増税については半歩踏み出しつつある兆候に注目したい。この点は最終的な政権公約で具体的に何を盛り込むのかを注視したい。
そして、相変わらず、民主党は地方公務員人件費について何もふれていないことについても注目していきたい。民主党は地方分権を口実に、民主党の選挙運動員の主力たる自治労や日教組の給与を聖域としてきたが、「一括交付金」を交付する場合、地方公務員人件費についてはどう取り扱うのであろうか。個別補助金を一括交付金化した場合、政策的経費が削られて地方公務員人件費だけが膨張していくことをどう防止するのだろうか。(7月26日記)
(参照記事)毎日新聞社説「09衆院選、国のかたち」「『官僚内閣制』を超えよ」「民主、改革像明確に示せ」「自民、分権勧告に回答を」
「『地方分権丈夫なものよ ひとりあるきで発てんす』。1928(昭和3)年、大正デモクラシーを経た初の普通選挙で、政友会が掲げたスローガンである。近代国家・日本を築いた明治政府は中央集権と官僚主導を統治システムの基盤に据えた。約80年前の政友会のような主張もあったが、戦時体制で「官主導」はむしろ強化され、戦後政治に仕組みは引き継がれた。
来る衆院選では、そのあり方が問われようとしている。議院内閣制の下で首相が選ばれながら実際は縦割り省庁の官僚が行政を主導する政府と与党の二元状況は『官僚内閣制』とすら呼ばれる。しかも、地方行政の多くの分野で自治体は中央省庁の統制に服している。
その制度疲労が、政治を停滞させる要因として、強く意識されている。安倍内閣を失速させた『消えた年金』、福田内閣が守勢に回った道路財源の無駄遣い、麻生内閣の経済対策に疑問を突き付けた各省のひも付き基金の乱造……。ここ数年の政権混迷には『政と官』の機能不全が暗い影を落としている。
同時に、中央省庁が施設の設置基準までこと細かに地方行政を縛るシステムは非効率なうえ、地域から活力や多様性を奪い取った。政治主導と分権改革の実現こそが政治、経済の閉塞状況を打破する鍵だ。その構想力を、各党は切迫感を持って競わねばならない。
この問題の争点化に特に意欲的なのが民主党だ。鳩山由紀夫代表は中央官庁による国家公務員の天下りのあっせん禁止など『脱官僚』を政権交代の旗印として掲げている。従来の内閣の姿をどう改め、政治主導を実現するかを公約で示すべきだ。首相直属の『国家戦略局』で予算の骨格を策定する構想を鳩山氏は表明し、省庁の縦割りを廃した予算編成を進めるとしている。
だが、法律の制定を必要とし、財務省との役割分担やその陣容も不明確だ。小沢一郎代表時代から唱えている政府に国会議員100人以上を送り込む構想にしても、現在の大臣、副大臣、政務官制度とどう違うのかが、今ひとつ不明確だ。
真に同党が政治主導を目指すのであれば、中央省庁の官僚が政策を事前調整することで、閣議の形骸化をもたらしている『事務次官会議』の位置づけを見直すべきだ。党内には政権獲得に向けて官僚の警戒をあおることは得策ではない、との計算から政権構想提示に慎重論も根強いという。だが、枢要な部分をあいまいにしたままではいけない。
一方、自民党は公務員制度改革をめぐる党内の議論を今後、どう集約するかが問われる。各省の幹部人事の一元化に向け『内閣人事局』を置く国家公務員制度改革関連法案は衆院解散とともに廃案になった。人事局構想をめぐっては局長人事などを通じての各省の影響力温存が指摘され、より踏み込んだ法改正を求める動きも党内にある。単純に改革法案を焼き直しても、国民の共感は得られまい。
統治構想を見直す意味で、同様に重要なのが、地方分権改革だ。中央省庁との対決路線を掲げる橋下徹・大阪府知事らに背中を押され全国知事会も自民、民主、公明3党の公約の分野別採点に踏み切る。もはや総論で『分権賛成』と言って済まされる段階ではない。
民主党は、国からのひも付き補助金を使途を定めぬ一括交付金に改編する構想を看板に掲げる。確かに、この改革が実現すれば国が地方を細かく統制する行政の姿は大きく変わり得る。実現までの工程を公約に明記すべきである。同時に、国から地方への財源移譲への姿勢が問われる。国と地方の財源配分を現行の6対4から対等に改めるよう、地方側は求めている。公明党は公約で実現を目指す見解を示したが、財源の移譲は分権推進に不可欠だ。
自民党は、自公政権下で出された政府の地方分権改革推進委員会による勧告への対応を明示すべきだ。国から地方への権限移譲、国の出先機関見直しなどの勧告に対し、政府・与党の取り組みは鈍かった。こうした点をあいまいにしたままでは、さきの東国原英夫・宮崎県知事の擁立騒動など、人気取り目当てだったとのそしりを免れまい。
国のかたちをめぐる議論は、将来の自治体像の展望に行き着く。自民党は都道府県を廃止する「道州制」実現に向け検討の加速を打ち出すとみられ、公明党は「地域主権型道州制」を目標に掲げた。だが、道州制を強調するあまり、分権への取り組みがおろそかになってはならない。
民主党は小沢氏の持論だった『国と300市』への再編構想を見送ることにした。道州や都道府県もおかず国と市の2層とすれば国の行政領域を広げ中央集権を加速しかねなかっただけに、理解できる。では『小沢構想』に代わり、どんな国家像を描くのか。より踏み込んで語らねばならない」
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10307945672.html
コメント:
議論が混乱しすぎww
何がどうなってる??
左派ブログの間でも混乱しているようだが、
分権=参加と自己責任の拡大=直接民主制
である。
欧米の場合:
極右 自己責任を警戒し反対 (EU憲法否決) 排外主義のリスク
右派 市場原理主義の観点から賛成(EU憲法賛成) ポピュリズムのリスク
左派 参加型民主主義を目指して賛成(EU憲法賛成) ポピュリズムのリスク
極左 自己責任を警戒し反対 (EU憲法否決) 選択の不自由のリスク
となっている。
小沢はどこにあたるのか意味不明である。
道州制はポピュリズムにならないよう「緩衝材」になるが、(今まではネオリベだったはずの)経団連はその緩衝材に利権をぶち込もうとしている様子。まるで鈴木宗男だ。
どうやら道州制の是非とかいう二項図式ではなくなってきたようだ。
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