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社説:民主党の外交 現実路線と言うけれど(7月25日)
総選挙に向けた民主党の外交・安全保障政策が党政策集で示された。
「核廃絶の先頭に立つ」「自衛権の行使は専守防衛に限定」など党の主張を反映した項目が並ぶ。
半面で、従来と異なる表現ぶりが目立つのも確かだ。インド洋における海上自衛隊の給油活動への対応はその象徴と言っていい。
昨年は海自派遣の根拠法である新テロ対策特別措置法について「延長に反対します」と明記していた。それが今年はそっくり削除された。
岡田克也幹事長は「政権を取って、直ちに帰って来いということはあり得ない」と説明する。政権交代が実現したらすぐに海自艦の撤収を命じるというのは現実的ではない。そう言いたいのだろう。
だが来年1月に特措法の期限が切れた後はどうするのか。肝心なその点まで明確でなくなった。これは見過ごすわけにいかない。
給油活動は米同時テロが発生した2001年に始まった。民主党は当初から特措法の成立と延長に反対し、07年には「ねじれ国会」の下で一時、活動中断にまで追い込んだ。
その際に強調したのは自衛隊の海外派遣をめぐる憲法問題である。
アフガニスタンでの戦いはブッシュ前大統領が国連のお墨付きなしに始めた米国の戦争であり、その支援は集団的自衛権の行使に当たる。小沢一郎前代表はそう指摘していた。
外交・安保政策の軸となる考え方だろう。それを「外交の継続」という言葉で覆い隠し、あいまいにしてしまうのでは、政権交代を掲げる意味さえ問われかねない。
理念をないがしろにした「現実路線」は無原則な現状追認に陥る。そのことを肝に銘じてほしい。
憲法問題では党内に多様な意見がある。国際協調のあるべき姿を含め政権獲得後に時間をかけて論議を収斂(しゅうれん)させたい−。そんな本音ものぞくが、それでは国民に重要政策の「白紙委任」を求めることにもなる。
海賊対策では「シビリアンコントロールの徹底」を前提に自衛隊派遣を容認した。背景には米国に対する配慮もあるようだ。日米地位協定の改定についても、昨年の「着手」から「提起」へ表現を弱めた。
日米同盟は日本外交の基軸であり、対米関係を重視するのは理解できる。だが、それが一方的な「追従」であってはいけないというのが、民主党の年来の主張だったはずだ。
麻生太郎首相は攻守所を変えて「民主党がぶれた」と批判する。果たしてどちらが政権担当能力を備えているのか。自民、民主両党は外交面でも双方の立場を明らかにしながら論戦を繰り広げてもらいたい。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/179093.html
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