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えっ?「中川大臣を失脚させた男」が財務省で出世した
ナンバー2の財務官に内定
人事話には敏感な官僚の街、霞が関で、昇格は難しいとみられていた財務省の「タマリン」こと玉木林太郎・国際局長(55)が同省ナンバー2の財務官に内定し、話題になっている。今年2月、上司だった中川昭一前財務相(55、顔写真)が酩酊状態で記者会見を行い辞任。会見の直前、中川氏と会食していたのが同行していた玉木氏で、同省では「大臣を失脚させた男」として昇格は絶望視されていた。なぜ、出世できたのか−。
中川前財務相は今年2月中旬、ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席。世界的な金融危機のなかで開かれた重要会議で、日本時間の同月15日未明、日銀の白川方明総裁と共同記者会見に臨んだ。
ところが、酩酊状態で受け答えがしどろもどろになったうえ、途中で居眠りをする始末。この失態が原因で財務相を辞任した。
中川氏は会見の直前、近くのホテルでワインで会食をしており、それが酩酊状態のきっかけになったとみられる。会食には玉木氏も同席、財務省では「大臣を失脚させた男」として昇格は絶望視されていた。
「霞が関では、上司の足を引っ張るような人物はどんなに優秀でも出世できない。ましてや大臣を失脚させたとなると、人事で“大バツ”がついたも同然で、財務省内では『玉木氏は終わった』とみられていた」(同省中堅官僚)という。
その人物が財務省のナンバー2に内定したのだから、霞が関では“仰天人事”と受け止められている。
実は、玉木国際局長と中川前財務相は東京の有名進学校、私立麻布高校の同級生という間柄で、ともに東大法学部に進学している。中川氏は1年浪人しているため、大学では玉木氏が1年先輩ということになる。
「中川氏の酒好きは有名ですが、玉木氏もワインに造詣が深く、ソムリエの資格を持っているといわれる。高校で同級生だった2人は気心が知れた間柄。ローマでの失態は、そうした間柄で気が緩んだのが災いしたのだろう」(関係者)
【人生…何が災いし、何が幸いするか…】
では、ナンバー2昇格が内定した背景には何があるのか。永田町有力筋はこう解説する。
「現在の財務官は篠原尚之君だが、どうも評判が芳しくない。高慢だと永田町では受け取られている。玉木君はその篠原君から嫌われていたとされていて、それが逆にプラスに働き、今回の人事になったようだ」
サラリーマンも同じだが、人生、何が災いし、何が幸いするか分からないものである。
きたる総選挙の結果で玉木氏の処遇に変化はあるのだろうか。自民党が政権を維持すればこれまで通りだが、民主党が勝利して政権交代した場合は…。
同党関係者を直撃したところ、こんな答えが返ってきた。
「中川大臣を失脚させた“功労者”として優遇するか、それとも敵方として干すか。玉木氏の処遇は迷いますね」
政権交代があったとしても、必ずしも冷遇されるわけではなさそうだ。
ZAKZAK 2009/07/02
http://www.zakzak.co.jp/top/200907/t2009070230_all.html
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