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政権交代の質が問われている
http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2009/06/post_3.html (全文転載)
西松建設事件の小沢公設秘書逮捕、郵政会社西川社長続投をめぐる鳩山総務大臣の事実上の罷免問題などなど。最近、発生する事件で感じるのは、どんなことがあっても「政権を交代させないぞ」、そして仮に政権が交代しても「これだけは守るぞ」という、麻生自公政権側の必死の動きである。
私の推論だが、この動きの背後に米国の特殊な政治勢力とのコラボレーションがあるのではないか。
日本で行われる次の総選挙で、政権交代が行われ民主党中心の政権が成立した場合、国際社会でもっとも影響を受けるのは米国である。米国ではオバマ大統領の出現で、民衆のための政治を再現しようとする勢力が力をつけている。一方、崩壊したかに見えた金融資本主義を復活させ、マネー・ゲーム社会米国の再生を企む勢力も整理して強化された。わかりやすくいえば、米国では「オバマ派」と「マネー・ゲーム派」が、壮烈な戦いをしているのだ。
日本の政局は、日米にわたる「人間尊重派」と「マネー尊重派」が、国家を超えて権力争奪戦をやっていると見た方がわかりやすい。そのキーワードは「郵政資金三百数十兆円」である。政権交代で民主党政権ができた場合、まず約束している郵政資金が米国金融資本の思うようにはなるまい。米国債の引き受けも簡単ではない。小泉・竹中・西川・宮内という米国金融資本のエージェントたちは、立往生する。米国金融資本は再び崩壊の危機となる。
小沢公設秘書逮捕というのは、小沢民主党政権を阻止するための「政治捜査」であった。捜査を指導したのはワシントンの日本大使館で米国の秩序維持派(司法省・CIA・FBI)の教育を受けてきた日本の検事たちである。米国から直接の指示を受けてやっているわけではないが、日本で政権交代が成功した場合、日本の官僚既得権が失われるだけでなく、米国のマネー・ゲーム体制が崩壊していくという阿吽の呼吸があった。
小沢秘書問題で騒然となった三月、四月の日本政局で、「民主党への政権交代はない」と読んだ麻生首相は「西川の評判が悪すぎる」と、郵政社長の更迭を鳩山総務相に指示した。鳩山は本気になって後任を探した。ところが小沢民主党代表は戦略的に退陣して、鳩山由紀夫で政権交代確実という舞台をつくった。
となると、郵政会社の社長になんとしても西川を留任させなければならない。これは小泉元首相や小泉チルドレンが、小泉構造改革を続けようという国内政局レベルの話ではない。日本と米国という国家の枠を超えたマネー・ゲーム資本主義を再生させようとする勢力の巻き返しである。麻生首相はこの勢力の軍門下に取り込まれ、鳩山総務大臣を更迭したのだ。これでは真の日米友好にはならない。
日米をまたぐ金融資本帝国主義者たちは、「政権交代をなんとしても阻止」するため、まず、次の総選挙で民主党を勝利させまいとして「影のプロジェクトチーム」を形成して、あらゆる組織にもぐり込ませているのだ。障害者郵便問題で民主党大物をあぶり出そうとしたが、自民党のほうに問題があって失敗した。鳩山民主党代表の「故人政治資金問題」も、鳩山事務所の単純ミスを、自民党とマスコミが大騒ぎしているのだ。
国家権力を挙げて政権交代を阻止するという異常事態にもかかわらず、政権交代の可能性は高くなっている。そこで「闇の日米プロジェクト」の謀略は、民主党中心の政権が成立した場合、早急に崩壊させることである。自民党内にある分派・新党論も再結集のための目くらましであり、安倍元首相を中心とする「北朝鮮予防的先制攻撃論」は、民主党を撹乱させる方策だ。また東国原宮崎県知事や橋下大阪府知事への呼びかけも胡散臭い。本気で日本を変えたいなら、二人とも「真の政権交代」を主張すべきだ。
投稿者: 平野貞夫 日時: 2009年06月29日 13:24
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