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社説 2009年 6月28日(日)
沖縄密約訴訟
国のうそ放っておけない
外務省はどう説明するのだろうか。沖縄返還をめぐり日米両政府が取り交わしたとされる秘密合意文書の情報公開訴訟で東京地裁は国側に、文書がないと言うなら、そのことについて合理的な説明をしてほしいと求めた。さらに複数のメディアの取材に、自ら密約にかかわったことを認めている元外務省幹部の証人申請を原告側に促した。
原告は作家や研究者、ジャーナリストらで昨年9月、情報公開法に基づき外務省などに密約文書の公開を請求。そうした文書は保有しておらず、廃棄や移管の記録もないとの回答が寄せられたことから今年3月、不存在を理由に開示しなかった処分の取り消しを求める行政訴訟を起こした。
沖縄返還に際し米側が負担するべき軍用地の復元補償費400万ドルを日本側が肩代わりするというのが、密約の中身だ。米公文書で秘密合意が裏打ちされても、政府は全面否定してきた。元毎日新聞記者が政府の偽証を追及した国家賠償請求訴訟でも、裁判所は密約の存在について判断を示さず請求を退けた。
だが情報公開訴訟で、裁判所は異例の訴訟指揮をした。国側も「ないものはない」で押し通すことはできないだろう。まず原告側は元外務省幹部―高齢で体調も思わしくないようだが―を説得し、証人申請にこぎつけてほしい。その上で裁判所に踏み込んだ判断を期待したい。いつまでも国がうそを重ねるのを放っておくわけにはいかない。
原告側が開示を求めているのは、日本側による復元補償費肩代わりを確認する当時の外務省アメリカ局長吉野文六氏と米側担当者のやりとりを収めた合意議事録など3通。議事録には吉野氏と米側担当者のサイン(イニシャル)があり、既に米国で公開されている。
当然、同じ文書は日本側にもあるはずだ。国側は一般論と断った上で、交渉過程の文書があっても最終合意以外なら後に廃棄されることもあるとしている。
だが、一般論ではなく、文書はあったか、なぜ今ないのか、秘密合意に関連する大蔵省(当時)などへの連絡・指示の文書はあるか―などを外務省は具体的に説明しなければならない。
400万ドル肩代わりに関する外務省極秘公電を手に入れた元毎日新聞記者西山太吉氏が国家公務員法違反の罪に問われ有罪判決を受けた外務省機密漏えい事件の裁判で、証人として出廷した吉野氏は密約を全面否定。2000年に問題の議事録が米国で公開されて以降も否定していたが、06年になって報道各社の取材にその存在を認めた。
この時、外相だった麻生太郎首相は「この話は終わっている」と、あらためて否定。政府は、この400万ドルはもちろん、米公文書で明らかになった沖縄返還をめぐる核や財政・経済取り決めの密約も含め一切ないとの立場を変えていない。
外交交渉の過程で秘密が必要なときもあるだろう。交渉相手が公表を望まないこともあれば、その時点で公表すれば混乱を招くこともあるからだ。
沖縄返還から既に40年近くが過ぎ、米側は既に情報公開している。それでも、ないと言い張るのは一つの密約を認めれば、他の密約についても追及されると恐れているからかもしれない。
だが国民の知る権利を制限してまで守らねばならない秘密でないことは明らかだ。
■関連記事
沖縄密約訴訟/知る権利に背を向けるな 「山陰中央新報」
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=513195033&from=top
説明回避はもう限界だ「沖縄タイムス」
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-06-21-M_1-005-1_001.html?PSID=9e3431037e9716a96a43587e72785c81
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