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http://www.the-journal.jp/contents/yamaguchi/2009/06/post_84.html
与謝野馨金融・経済相の迂回献金は悪質なのに立件されない!?
与謝野馨金融・経済相の迂回献金疑惑が毎日新聞のスクープで浮上した。TheJournalの読者ならおわかりのとおり、政治資金規正法違反で秘書が逮捕された小沢一郎前民主党代表のケースとほとんど同じ仕組みだ。
ところが、河村建夫官房長官が実に奇怪な発言をしている。25日付の産経新聞によれば、「小沢事務所、あるいは秘書が寄付の仕組み作りにもかかわったのではないかとの疑惑から事件になった。違いははっきりしている」と語ったという。河村官房長官は新聞すら読んでいないのだろうか。いつ、誰が、小沢氏の秘書が寄付の仕組み作りにかかわったと認定したのだろう。もし、小沢事務所側が仕組み作りに関わっていたとしたら、それは逮捕された大久保隆規秘書ではなく、その前任者でいまは自民党の次期衆院選候補予定者になっている人物だろう。
いずれにしても、もし小沢氏のケースが違法なら、東京地検特捜部は与謝野氏の関係者も逮捕しなければならない。だが、これまで私がここで書いてきたように、本当に検察に政権交代阻止の明確な意志があるとしたら、立件は見送られることになるはずだ。3大臣を兼ねる麻生内閣のエースの関係者が逮捕などということになれば、政権与党へのダメージが計り知れないからだ。
検察がこの疑惑を立件するかどうかが、これまでの私の検察に対する見立てが正しかったかどうかのメルクマールになる。私は与謝野氏のケースは立件されないと見ている。絶対に。
こうした指摘に対して、おそらく検察は新聞を使って「小沢ケースのほうが悪質」だという宣伝をしかけてくるはずだ。しかし、あえて悪質性を問うならば、与謝野ケースのほうが悪質なのは明白だ。
与謝野氏側に迂回献金をしていた企業は商品先物取引会社の「オリエント貿易」(現エイチ・エス・フューチャーズ)という会社である。
与謝野氏は小泉内閣で金融担当相だった2006年に商品先物取引を金融商品取引法の規制対象にすべきとの議論で、商品先物取引を擁護するような答弁を行い、まんまと対象から外してしまった「実績」が指摘されている。これはまずい。職務権限と即、直結する話である。もともと与謝野氏は素人の投資家を食い物にするといわれる商品先物取引業界には「理解」が深く、業界団体の会合にもたびたび顔を出していたといわれている。本人は「商品業界から法案についての陳情は一切なかった」と防戦に必死だ。
献金をしていた会社をネットで検索すると、先物取引で大損をさせられた「被害者」たちの声が数多く見られる。もちろん投資は自己責任だが、同社は顧客とのトラブルが絶えず、07年には農水省などから受託業務停止の行政処分も受けている。
政治資金規正法的にも、小沢ケースより悪質だ。西松建設の調査報告書によれば、西松建設がダミー≠ノ使った政治団体は一応、個々の社員に個別に入会の打診をして、曲がりなりにも意志確認を経た後に会員として名を連ねたことになっている。ところが、与謝野ケースではそうした手続きが省かれ、管理職の給与から勝手に天引きしたカネを会費として納めさせていたという。細かいことだが、あえて言えば、こっちのほうがダミー性が強いといえる。
まあ、いずれにしても検察はこれを絶対に立件しないから、あまり関係ないかもしれない。みなさんには、検察の動きをぜひ見ていて欲しいと思う。
ただ、検察は自民党に言われて民主党を攻撃しているのではない。いわゆる国策捜査という見方は間違いだ。検察自身の判断で、検察のために、政権交代を阻止しようとしているのだ。理由はこれまで何度も書いてきたが、おさらいすると……。
まず、民主党が主張しているポリティカル・アポインティ(政治任用)や予算の執行権を官僚ではなく国会議員が握るという政策は、検察のみならず「霞が関」全体が絶対に認めたくないことだ。オール霞が関の総意として、検察は民主党攻撃を仕掛けている。任官したばかりの若い検事が先輩から「民主党政権になったら、俺たちの給料が半分になる」と脅かされたという話まで出回っている。
捜査機関としての立場から潰したしのは、取り調べの「可視化」である。運悪く足利事件の冤罪が発覚し、世間の注目を集めることになってしまった。民主党は以前から可視化を主張し、法案提出の準備もしている。検察としては、絶対に阻止したいことだろう。
こうした政策的なことに加えて、樋渡利秋検事総長の「民主党嫌い」というのが決定的に影響している。そんなことが捜査に関係あるのかと思うかもしれないが、人間集団の意志決定にはこうした感情面の傾きが強く影響するものだ。本人がいくら否定しても、絶対にある。それはいい悪いの問題ではなく、人間だから仕方のないことなのだ。
さらに言えば、検察内の「小沢けしからん」という空気もある。とくに政治資金第三者委員会のヒアリングで小沢氏が「検察の捜査が適正かチェックする必要がある」という趣旨の発言をしたことが法務・検察幹部を激怒させた。第三者委員会の報告書が指揮権発動について触れていた点と併せて、「民主党政権になった場合には司法捜査権の独立性が保てない恐れがある」といった後付けの理屈を必死になって広めようとしている。だがその真相は、単に「小沢けしからん」という検察幹部の感情論だ。捜査権力を感情にまかせて振り回されるのは困ったことだ。
検察が国民に信頼されなくなるのはよくないことだと思う。政治的介入を招くのもまずい。だが、いまのようなことをしているようでは、検察はどんどん自分で自分の首を絞めることになると思う。
前回書いた、公判の冒頭陳述を使っての「天の声」問題もそうだ(そういえば、例によって郷原さんが日経ビジネスオンライにこの問題での論考をアップしています。私の稚拙な分析より数段、分かりやすく説得力もあるのでぜひお読みください)。大阪地検特捜部が手掛ける障害者郵便の不正事件でも選挙前の立件を躊躇しながら、「民主党議員の関与」という情報だけをしきりにリークしている。さらに、名古屋地検特捜部も、中断していた民主党議員につながるマルチ商法利権の捜査を再開させたという。選挙が近いからか、と思ってしまう。
犯罪の事実があれば捜査をするのは当然だが、あまりにミエミエではないか。検察の今後が心配だ。もっとまじめに仕事をしてほしい。
ところで、政治献金といえば、今週号の週刊新潮がスクープした鳩山由紀夫民主党代表の「捏造献金」疑惑は、かなりヤバイのではないか。当方もまだ新潮の記事を読んで後追い取材を始めたばかりなので詳細は分からないが、献金をした覚えのない人の名前を使って献金を受けたことにしているというのは、単なるミスだとは考えにくい。鳩山氏側は現在調査中ということだが、早く説明を聞きたいところだ。
投稿者: 山口一臣 日時: 2009年06月25日 23:34 | パーマリンク
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