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「帝王学」というのはよく目にする言葉だ。実際には教育、訓練に過ぎないにもかかわらず、「学」としたことに、この言葉の発案者が持たせようとした意味が伺える。英語には、「帝王学」に直接対応する言葉は見つからないようだ。恐らくgroomとかeducateを使って表現することになる。
「帝王学」という言葉があるなら「エージェント学」というのもあっていいだろう。選んだ人間をエージェントとして活動させるための教育、訓練。お馴染みのところでは、かの有名なジェームズ・ボンドもこれに当たる。誰か使っている人がいないかネットを検索したが、ヒットしない。
「エージェント学」の観点からは、ジョン・パーキンス(John Perkins)さんの『Confession of an Economic Hitman(エコノミック・ヒットマンの告白)』は衝撃的だった。イラクのことを追っている過程で、Democracy Now!に彼が登場し、仕事を忘れてインタビューを見、掲載された書き起こしを読んだのを覚えている。
パーキンスさんが初めてDemocracy Now!に登場したのは2004年11月09日。そのときは短いインタビューで、恐らくDemocracy Now!側では言っていることが本当なのか、背後関係などを確認したのだろう。そのすぐ後、2004年12月31日にまるまる1時間を彼とのインタビューに当てた。司会者を務めたエイミー・グッドマンさんなどのいわゆる米国リベラル(?)の方々にとっても、元エージェントとしてのパーキンスさんの告白がいかに衝撃的で詳しく取り上げる価値があると思ったのかが伺える。
Friday, December 31, 2004
Confessions of an Economic Hit Man: How the U.S. Uses Globalization to Cheat Poor Countries Out of Trillions
http://www.democracynow.org/shows/2004/12/31
その後、パーキンスさんは瞬く間に有名にあり、本は米国でベストセラー、Democracy Now!も日本語化されて、ずっと後のものだがインタビューが紹介されることになった。
2007.06.05
エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史 ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相
http://democracynow.jp/submov/20070605-1
元のDemocracy Now!でもそうだし、日本でもそうなのだが、俺にはパーキンスさんのこうした取り上げ方がどうもしっくりこない。この人たちはパーキンスさんの告白『Confession of an Economic Hitman』を例えば「エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史 ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相」というように取り上げる。彼の日本語の書名も『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』である。このような取り上げ方をすると、資本家による搾取とかのいわゆる左翼的な図式に押し込められて、エージェントとしてのパーキンスさんの告白が見えなくなってしまう。エージェントになるための特別な教育、訓練を受けた人物からの告白とパーキンスさんの告白を捉えることによって、その他のエージェント、例えば日本にいるエージェントと考えられるどなたかの背景に焦点を当て、具体的に見ていけるようになる。
ってなわけで、「金融資本は何を...? 」の次回は、エコノミック・ヒットマンというエージェントであったパーキンスさんの告白を参考にしながら、「エージェント学」から見たオバマ政権のある注目すべき人物に焦点を当ててみよう。
湘南の片田舎から
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/
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