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2009年07月12日 社説
[核持ち込み]
密約の全容解明を急げ【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-07-12-M_1-005-1_001.html?PSID=c548637ec481c2c929ef4f99596c6f40
核持ち込みに関する日米密約の厚いベールがはがされようとしている。非核三原則を国是としながら米国の「核の傘」に庇護された日本の外交・防衛政策は一大精算を迫られている。
自民党の河野太郎衆院外務委員長は10日、密約の存在を証言した村田良平元外務事務次官から聞き取りした。河野委員長は「密約はあったと判断した」として、密約の存在を否定してきた政府に答弁の撤回を求める意向を示した。国会でこの方針を決議にまとめる考えだ。
米国務省の公開公文書でその存在が明らかになっているが、政府は「密約はない」と繰り返している。米側は秘密指定が解除された過去の公文についてコメントしない政策であるため、議論はなかなか核心に迫れなかった。
外務省の事務方トップを経験した人物の発言だけに無視できない。河野委員長は歴代外務事務次官の参考人招致を検討しており、この機に与野党超党派で行政府の「負の遺産」をあぶり出してもらいたい。
密約は1960年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を搭載した米軍艦船などの日本立ち寄りは「事前協議の対象外」とすることを日米が了解したとされる。核持ち込みの密約は歴代の外務事務次官らが引き継ぎ管理していたという。
戦後、東西冷戦のはざまで、日本は戦後復興、高度経済成長をひた走り、米国の「核の傘」の下で安全保障を得てきた。非核三原則と米核戦略をつなぐのが密約だった。
国会対応を含め河野委員長の方針は自民党執行部とは未調整だが、与党の常任委員長が政府の公式見解を否定するのは極めて異例だ。
こうした安保の闇を明らかにする動きに並行して頭をもたげだしたのが、米軍の核持ち込みを是認する思考だ。
同党の山崎拓外交調査会長は9日、都内での討論会で核搭載艦船の寄港が「現実にあったことだと考えるようになった」と発言し、「北朝鮮の核開発を阻止する上で、米国の核抑止力としてそのような(核搭載艦船の寄港)行動があると考えれば容認されるべきだ」と語った。
オバマ米大統領が世界に核廃絶を呼びかける中で、日本は米国の「核の傘」をどう担保するか、確証を得るのに躍起だ。韓国は先の米韓首脳会談で「核の傘による安全保障」の再確認を求め、両首脳が文書化した。核抑止の必要性を訴える主張が勢いづきそうな情勢でもある。
冷戦期の核は米ソ均衡で「使えない武器」という常識が安定基盤となってきた。核密約の解明に乗じるような核抑止論はあまりに不用意だ。
日米同盟は日本を守ってくれる米軍に基地を提供する―という従来構造を改革する時代に差し掛かっている。オバマ大統領がG8(サミット)で核のない世界をあらためて呼びかけた。世界がその理想に近づくよう日本にも役割があるはずだ。
核密約の解明はそうした未来志向を前提になされるべきだろう。
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