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http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20090709dde012070043000c.html
早い話が:もしも政権代わったら=金子秀敏
静岡県知事選で民主党の推薦候補が自民党推薦の候補に競り勝った。政権交代の前兆現象のようだ。最近、日米の核持ち込み密約で外務省OBの証言が続いている。これも同じ前兆現象ではないか。
村田良平元外務事務次官の証言では、外務省に密約の内容を書いた文書が保管してある。新しい外相が就任すると、それを次官が見せる。だが、民主党政権には自民党政権時代の秘密を守る義理はない。新外相は「密約があった」と公表するだろう。
核を搭載した米艦船の日本寄港は事前協議の対象から外す、つまり、米国の自由裁量でできるというのが密約の内容だ。非核三原則のうち「持ち込ませず」には風穴が開いている。それを公表したらどういうことになるか。
米国側はとうにライシャワー元駐日大使の証言や、その後公開された公文書で「口頭了解」として公表しているから、たいした衝撃はない。
問題はその先だ。「ない」はずの密約が「ある」ことになる。民主党はそれを破棄するかどうか判断を迫られる。今のままなら非核三原則を二原則に変えなくてはならない。破棄するなら、非核三原則の風穴はふさがれ、核はすべて事前協議の対象になる。しかし米国は核兵器がどこにあるか極秘にしているので、事前協議がある限り日本寄港はやらないだろう。
東西冷戦後、米軍は戦術核を水上艦艇から外したので、核付き寄港問題は起きなかった。ところが北朝鮮が核実験をやりミサイル開発を進めたために事情が変わった。日本や韓国に独自核保有論が出てきた。保有がだめなら米国の戦術核を借用したい、戦術核を搭載した米軍艦を日本海に配備してほしいなどの声もある。そこで米軍艦の核付き寄港問題が新たに浮上してきた。
「核の傘」の信頼度を高める措置とか、「拡大抑止」の確認とか婉曲(えんきょく)的な言い方だが、ことは核戦略の見直しだ。6月の米韓首脳会談では最大のテーマとなった。日本に民主党の首相が誕生すれば、まずオバマ大統領との首脳会談を求めるだろう。そのとき、北朝鮮の核に対する「拡大抑止」が大きなテーマになるはずだ。
外務省にとっては、もう核密約は邪魔になっているのではないか。国会で密約の否定を続けているかぎり、核付き寄港という新しい問題を日米首脳会談で議論することができないからだ。(専門編集委員)
毎日新聞 2009年7月9日 東京夕刊
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