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【日米核密約】「金縛り」が拡大する矛盾
2009年06月23日08時14分
日米両政府の「核持ち込み」に関する密約について、共同通信のスクープ記事が本紙に相次いで掲載されている。いずれも複数の外務事務次官経験者の証言に基づくものだ。
まず政府が一貫して「なかった」とする密約を、次官経験者らが管理して引き継いでいたという証言があった。それに続き、密約の存在を背景に政府が、津軽など五つの海峡の海峡幅を3カイリ(約5・6キロ)にとどめ、法的に可能な12カイリ(約22キロ)に拡大していないことがわかった。
津軽のほか宗谷、大隅、対馬海峡東水道、同西水道の5海峡は、いずれも日本海で米国の戦略原子力潜水艦などが行動する際には通過が不可欠な重要な海峡である。3カイリにしたのは、12カイリだと公海部分が消滅し、核が日本の領海を通過することになってしまうからだ。そうなると、日本の国是の非核三原則の一つ、核を「持ち込ませず」に抵触する。
密約は、核を積んだ米軍の艦船などの通過・寄港を、日米間の「事前協議」の対象外とする。「3?」は公海を残すことで自由な航行を許し、核の通過を事実上黙認できる。密約の存在に触れる必要もない。事なかれ主義の最たるものだが、密約に対する異常な気のつかい方がうかがえる。
だが領海は、領土、領空とともに国家主権の下にある。領海が意図的に狭められ、主権がゆがめられているなら問題だ。1977年施行の領海法は「当分の間」の措置としたが、政府として放置しておいてよいはずはない。
しかし、政府は一連の報道に対し、相変わらず「核の持ち込みはない」の一点張りだ。それも「核持ち込みの事前協議がない以上、核持ち込みはない」という、とうに破綻(はたん)した論理の繰り返しである。5海峡の問題でも、中曽根外相は「外国船舶の自由な航行のため」という従来の説明を繰り返した。
密約の存在を否定するから、そう言うしか方法がないのだろう。次官経験者の反省の弁を借りれば、「以前のうそに金縛りになって」いる。
事実が次々に
再三指摘しているように密約の存在は、ライシャワー元駐日大使ら米側の関係者の証言や公開文書などで、客観的な事実が積み上がっている。一連の次官経験者の証言は、次々に明らかになる事実を前に、もはやうそは通用しないとの判断もあるという。
政府も早くその認識に立ち、密約の全容を開示して国民に説明すべきだ。「金縛り」になって過去の事実を直視しない間に、既にさまざまな矛盾が拡大している。
一つは、外交・防衛秘密を盾に国民に真相を説明せず、安易な建前論が繰り返される。そのことによって日米安保に対する国民の理解は深まらず、かえって信頼を危うくしかねない。
また、客観的な事実に基づく疑問に真剣に答えない政府は、民主主義の国のあり方として疑問符がつく。
さらに、密約の否定が日本の安全保障にどんな影響を与えたのかという検証もできない。国際的にも異常な「領海幅3カイリ」は、日本にとってどんなメリット、デメリットがあるのか。
世界は核廃絶への機運が高まりつつあり、今後、核抑止論との激しいせめぎ合いが予想される。事実に目を背けた建前論では、日本が新しい世界の議論について行けない恐れもある。政府が立ち位置を明確にすべき問題だ。
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